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第2章 再び現れるライバル、そして試される仲間との絆

運動会 昼休み

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僕「えーここでですね、運動会の途中ですが文化祭を始めます!」
校長「せんせぇ! 我々ぇ! 校長一同はぁ! フェアプレー精神にのっとりぃ! せいせいどーどぉ! 戦うことをぉ! 誓いまぁす! 平成ぃ! はそろそろ終わるらしいぃ! 校長代表ぉ! 校長ぉ!」
右鎖骨ちゃん「まずは体育館ですね~。あ、第百八競技の集団玉拾いは続けて」



体育館。熱気がわっきでおっきおっき。興奮。

僕「さあやってまいりました文化祭、体育館ステージのなんかそういうやつ!」
右鎖骨ちゃん「ええ、待ちに待った文化祭、体育館での陸上水泳部の招待試合です!」
「全クラスの出し物が終わり、ゲストの登場です! どうぞ!」
ゲスト「どーもー」
「「「「「わああああああああ!!!!」」」」」
「自己紹介お願いしますですます!」
ゲスト「僕たちは、【消しカスの片恋】です!」
「メジャーデビューを先月果たされたバンドです!」
消しカスの片恋「いや、メジャーデビューはまだ……」
「すみません! では、デビューシングルを100億枚売り上げたという?」
消しカスの片恋「いや、まだ10万枚ですね……」
「すみません。えっと…?」
消しカスの片恋「消しカスの片恋ボーカルの【SOTA】です!」
「他の方は?」
SOTA「名前考えてないから許して」
ギターベースキーボード担当「ギターベースキーボード担当の【MUKAI】です!」
照明「照明の【RARARA】です!」
マイク「マイクの【マイク】です!」
「と、いうことで今日は消しカスの片恋の4人に来ていただきました拍手」
「「「「「拍手」」」」」
「では早速ですが曲、お願いします!」
SOTA「では聴いてください、『君は僕のコレになるはずだった』」

ドラムが鳴り、ベースが鳴りギターが鳴り。
SOTAが歌い出す。




君は僕のコレになるはずだった
そうなるはずだった
それ以外の選択肢なんてなかった
ただ そうなる未来だけがそこにあった

昼休み 教室で弁当を食べた
卵焼き 君は僕に一切れくれた
その時君は笑顔だった
僕だけの笑顔だった

その笑顔が嘘なのだとしたら
僕はこれから何を信じて
生きていけばいいのだろう
僕はどうしたらいいんだろう

君は僕のコレになるはずだった
そうなるはずだった
それ以外の選択肢なんてなかった
ただ そうなる未来だけがそこにあった

この世に神様がいるとして
その神様が全知全能だとして
願いを全部叶えてくれるとして
僕は何を願ったらいいんだろう

もう僕は神様にしか頼れない
神様に頼る以外の方法はない
僕の願いを叶えるためには
僕は僕の何を差し出せばいいんだろう

君は誰かのコレになってしまった
そうなってしまった
それを止める方法は僕になかった
ただ そうなった現在だけがここにある

君はなぜ
誰かのコレになってしまったんだ?
君はなぜ
誰かを選んだんだ? 僕じゃなく
君はなぜ

(作詞作曲・SOTA)



曲が終わる。
パラ、と小さな拍手。
パラパラパラ、少しずつ広がり。
パチパチパチパチ、全員の拍手。

SOTA「ありがとう、消しカスの片恋でした」

拍手は鳴り止まない。
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