DT腐男子の妄想録

風枝ちよ

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卒業旅行(前編)

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「卒業旅行行こうぜ!」

オレは大和やまとに言う。

「卒業旅行って、卒業した後に旅行するやつ?」
「うん。行こうぜ?」

大和は困惑しながらも頷いてくれた。
ちょっと嬉しい。
ほんのちょっとだけどな。

「やった! どこ行く?」
しずくの行きたいとこでいいよ?」
「オレの行きたいとこか……」

うーん……。
遊園地、映画館、水族館。
あとは大和の家、とか……。
でもやっぱり。

「温泉、とか……?」
「おんせん?」
「旅館とかでさ、ゆったりしたくね?」
「おじいちゃんみたいだね」
「五月蝿え!」

大和がまた困惑した表情を作る。

「嫌ならいいんだぜ? オレ一人でも行ってくっから」
「わかった、ついて行ってあげるよ」
「なんで上からなんだよ」

別に嬉しくなんかねーけど。



新幹線の規則的な振動に揺られている。
隣の席には私服の大和。
変に意識しちゃうといけないから意識しないようにしてる。
でも意識しないようにすればするほど意識しそうになって。
窓の外に意識を飛ばす。

大和やまと、山だぜ、山!」
「山だねー」

大和はオレの言葉にまるで無関心で言葉を流す。
なんだよそれ。

「すげえ速いんだけど。すごくね?」
「すごいすごい」
「反応適当だぞ、大和」
「ごめん、あんま可愛くて」
「可愛くねーし」

オレは可愛くなんかねーから。
おお、窓の外に綺麗な湖が。
大和に言おうとしてやめる。
なんで言わなきゃいけねーんだ。

「ごめんって」
「キスしたら、許す」
「キスするの?」
「やっぱ今のなし! 忘れろ!!」
「キス、して欲しいの?」
「なしって言っただろうが」

大和といると調子狂う……。
オレがキスとか言ったのが悪いんだけどさ。
窓を外を眺めていると、ゆったりとした時間が田んぼの上を流れていた。

「なんか、懐かしいな」

懐かしい。
見たことはないけど、遺伝子レベルで懐かしい感じがした。
大和が何故か笑う。

「何笑ってんだよ。確かに初めて見るけどさ……」
「なんでもないよ」
「何だよ? 教えろよ」
「同じこと考えてたから、つい」
「……そっか。別に嬉しくねーけどな?」

オレの声に新幹線のアナウンスが被る。
新幹線が駅に滑り込んでドアが開く。
大和が降りて止まって、目をつぶって息を吸っている。

「邪魔」
「ごめん」
「異国の地感じるのはいいけどドアの前ではやめろ」

駅を出て、オレは目いっぱいに息を吸い込む。
肺に綺麗な空気が溜まって、全身が洗われる気がする。
大和がじっと見つめてくる。

「何見てんだよ」
「可愛いなー、って」
「……馬鹿か」

可愛いとか言うな。



電車とかバスを乗り継いで、旅館についた。
純和風の建物で、庭には木のような何かしらが生えている。

「旅館、って感じだな。……なんで笑うんだよ。また同じこと考えてたのか?」
「うん」
「何ニヤニヤしてんだよ」
「とりあえず入ろうよ」
「そうだな」

大和が旅館の扉を開ける。

「こんにちはー……」

中に入ると、老舗独特の重みのある空気が体を包んだ。
重くても苦しくはなくて、むしろ心地いい。

「雫、予約とかは?」
「ん?」

ヨヤク……んー美味しそう。

「すみません、今日って部屋空いてますか?」

大和が受付で訊いている。
オレは旅館の色んなところを眺めてみる。
大和に睨まれたような。

「えぇ、空いてますよ」

浴衣をビシッと来てらっしゃるおねえさんが柔らかく微笑む。

「お二人様ですか?」
「はい」
「同室でよろしいでしょうか?」
「雫、どうする?」
「好きにすれば?」
「同室でお願いします」

ここで二部屋って言ったら死ぬところだったよ危ない。
命が助かったことを喜ぶんだな。

「かしこまりました。ご案内いたします」

おねえさんはしずしずと歩く。
大和がおねえさんを見てデレっとする。
なんか知んねーけどイライラする。
大和の耳を引っ張ってみる。

「なんで耳引っ張ってるの」

……なんでもない。

「お客様は、恋人、で御座いますか?」
「ええと……」
「恋人じゃねーよ」

恋人なわけねーじゃねーか。

「そうで御座いますか……いえ、踏み込んだ質問でしたね」
「いや、そんな」
「ありがとう御座います」

磨かれた廊下を歩く。
おねえさん、大和、少しあとにオレ。
もうなんでデレデレしてんだよ!

「月の間で御座います……ごゆっくり」
「ありがとう、ございます」

おねえさんはしずしずと去っていく。
大和はおねえさんにずっとデレてる。
耳を引っ張る。
あーもう!
この感情が嫉妬だってことはわかってたけど見ないふりをした。
部屋に入ると、畳の匂いがした。
旅館だな、と実感が湧いてくる。

「浴衣着るのか?」
「旅館だしね」
「どうせLだろ、ほら」
「ありがと。雫は?」
「五月蝿えな……Sだよ」

服を脱いで、浴衣を着ようとする。
えっなんで着れるの。

「大浴場とか行く?」
「待て」

なんでもう着れてるんだよ。

「雫って浴衣着れないの?」
「五月蝿え……」
「僕先行っててもいいかな」
「だからその……」
「ん?」
「ちょっとは手伝えよ!」
「いいよ」

大和はオレの後ろに回って帯をくるくるする。

「細いなぁ」

さっきから五月蝿えんだよ。

「終わったよ」
「……ありがと」



大浴場の脱衣所で浴衣を脱いで、大和は浴場のドアを開けて入る。
だから脱ぐのも早えんだって。

「はぁ~……」
「ふぅ~……」

湯船に入ると全身の疲れが湯に溶けていく。
時間が早いせいか大浴場にはオレと大和以外には誰もいなかった。

「大和、顔赤いぞ」
「雫も赤いよ?」
「温泉のせいだし」
「僕も温泉入ってるから」
「……五月蝿え」

大和はオレの身体を見ている。
気落ち悪いな。
唐突に、オレの股間を触られる。

「ひぁっ?!///」

ふに、と掴まれる。
ふにふにふに。

「ちょ、馬鹿……やめろって///」
「んー?」
「誰か来たらどうすんだよ」

大和は触り続けている。
オレの欲望は理性を無視して膨らみ始める。

「気持ちよくなってない?」
「なって…ねーし///」

欲望は完全に姿を変える。

「おっきくなってるじゃん?」
「それは……////」
「それは、何?」

大和が指を上下に動かす。
お湯がチャポン、と音を立てる。

「大和が触るからぁ……////」

大和の手のひらが欲望を包む。
ゆっくりと上下に擦る。

「ぁっ……はぁっ///」

オレの高くなった声が天井に反響して聞こえる。

「気持ちいいんでしょ?」
「よくなんか、な……ぁん///」

大和が手の動きを速める。
お湯じゃない液体が欲望の先から落ちる。

「ゃぁっ…んっ///」

液体はお湯の中を漂う。

「あっ…ゃん……っ////」

大和は手を止めずに動かし続ける。
鼻から抜けるような声が出て、目はトロンと溶ける。

「もう…駄目ぇ……///」

欲望が大きくなる。
限界だと思った。

「んっ…あぁんっ!////」

身体がビクンッと跳ねて、欲望から白い液体が零れる。
白はお湯の中を漂って浮く。

「もう…酷いだろうが」
「ごめんって。でも気持ちよくなかった?」
「……五月蝿えんだよ」

触られている感触が欲望に残っている。
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