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1話
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王宮で開かれる魔法王立学園の卒業パーティー。ルージュが馬車で到着したときには、すでに多くの卒業生と関係者が集まっていた。
本来エスコートをするはずの婚約者であるディオース王国第一王子の姿はない。王宮に入らず話をしていたいた卒業生たちが、一人でいるルージュを見て驚いている。誰もが王子にエスコートをされて卒業パーティーに来ると思っていたのだろう。
エスコートしていないということは、王子はすでに会場にいるということだ。一緒にいないということは、彼が今誰と一緒にいるのかは誰もが分かっていたことだろう。
最近の王子が一緒にいるのは、『美しき紫の令嬢』のヒロイン。今頃王子は彼女と一緒にいることだろう。
周りの人からの注目を浴びながら、王宮の中へと入り広間へと向かう。近づいて行くと賑わう声が聞こえてくる。
卒業生の中には地元に戻ってしまい、なかなか会えない人もいる。もう会うことができない人もいるかもしれない。最後くらいは楽しく過ごしたいのだろう。
(私も楽しく過ごしたいのだけれど、無理でしょうね)
広間に入った瞬間集まる視線。賑やかだった広間が静寂に包まれた。そして響く誰かの足音。わざと足音が鳴るように歩いているのだろう。
ルージュの近くにいた人たちが、道を開けるかのように左右に移動する。開かれた道を歩き、向かって来たのはディオース王国第一王子である、ニール・ディオースだった。その横には腰を抱き寄せられた『美しき紫の令嬢』のヒロイン、リラ・フォンセがいた。
美しい紫の髪に、宝石のように綺麗な緑の瞳。左手の中指には、綺麗なラピスラズリが装飾された指輪をしている。フォンセ伯爵家の令嬢であるのなら、公爵令嬢であるルージュに対しては挨拶の一つくらいしてもいいものなのだが、勝ち誇ったような顔をしてを見下しているだけで挨拶をする様子はない。
本来エスコートをするはずの婚約者であるディオース王国第一王子の姿はない。王宮に入らず話をしていたいた卒業生たちが、一人でいるルージュを見て驚いている。誰もが王子にエスコートをされて卒業パーティーに来ると思っていたのだろう。
エスコートしていないということは、王子はすでに会場にいるということだ。一緒にいないということは、彼が今誰と一緒にいるのかは誰もが分かっていたことだろう。
最近の王子が一緒にいるのは、『美しき紫の令嬢』のヒロイン。今頃王子は彼女と一緒にいることだろう。
周りの人からの注目を浴びながら、王宮の中へと入り広間へと向かう。近づいて行くと賑わう声が聞こえてくる。
卒業生の中には地元に戻ってしまい、なかなか会えない人もいる。もう会うことができない人もいるかもしれない。最後くらいは楽しく過ごしたいのだろう。
(私も楽しく過ごしたいのだけれど、無理でしょうね)
広間に入った瞬間集まる視線。賑やかだった広間が静寂に包まれた。そして響く誰かの足音。わざと足音が鳴るように歩いているのだろう。
ルージュの近くにいた人たちが、道を開けるかのように左右に移動する。開かれた道を歩き、向かって来たのはディオース王国第一王子である、ニール・ディオースだった。その横には腰を抱き寄せられた『美しき紫の令嬢』のヒロイン、リラ・フォンセがいた。
美しい紫の髪に、宝石のように綺麗な緑の瞳。左手の中指には、綺麗なラピスラズリが装飾された指輪をしている。フォンセ伯爵家の令嬢であるのなら、公爵令嬢であるルージュに対しては挨拶の一つくらいしてもいいものなのだが、勝ち誇ったような顔をしてを見下しているだけで挨拶をする様子はない。
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