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8話
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「本当、大切にしているんだね」
そう言うと、おばさんは小ぶりのニンジンをノワールに渡した。小さすぎて売り物にならないからと、うさぎであるルージュに食べてもらおうと考えたようだ。
ニンジンを受け取ったノワールを見て、ルージュは服から顔を出した。口元にニンジンが近づけられる。ニンジンを両手で掴むと、一口齧った。
うさぎになっているからなのか、生のニンジンがとても美味しく感じられたようだ。ルージュの顔は僅かに嬉しそうに見える。
「そう言えば、あの子がよからぬ人たちと一緒にいたところを見た人が何人もいるんだよ」
「よからぬ人ですか?」
「ええ。なんでも、黒いローブを着た集団らしいよ」
その言葉に、ノワールと目が合う。ルージュが見た黒いフードを被った人物。暗くてよく見えなかったが、もしかすると黒いローブを着ていた人だったのかもしれない。
その場合、あのときの人物はリラと関係のある人物だったのかもしれない。だからリラと一緒にいたのだろうし、その中の誰かがルージュの前に現れた人物かもしれない。
「いやぁ、面白い話を聞きました」
まるで世間話をしていたかのように明るく言うと、ノワールは小さめのニンジンを三本購入してお店から離れた。
次に向かったのはアクセサリーショップだった。そこにはなんとなく立ち寄ったようだが、並べられたアクセサリーから迷わず青いリボンを選んだ。
そう言うと、おばさんは小ぶりのニンジンをノワールに渡した。小さすぎて売り物にならないからと、うさぎであるルージュに食べてもらおうと考えたようだ。
ニンジンを受け取ったノワールを見て、ルージュは服から顔を出した。口元にニンジンが近づけられる。ニンジンを両手で掴むと、一口齧った。
うさぎになっているからなのか、生のニンジンがとても美味しく感じられたようだ。ルージュの顔は僅かに嬉しそうに見える。
「そう言えば、あの子がよからぬ人たちと一緒にいたところを見た人が何人もいるんだよ」
「よからぬ人ですか?」
「ええ。なんでも、黒いローブを着た集団らしいよ」
その言葉に、ノワールと目が合う。ルージュが見た黒いフードを被った人物。暗くてよく見えなかったが、もしかすると黒いローブを着ていた人だったのかもしれない。
その場合、あのときの人物はリラと関係のある人物だったのかもしれない。だからリラと一緒にいたのだろうし、その中の誰かがルージュの前に現れた人物かもしれない。
「いやぁ、面白い話を聞きました」
まるで世間話をしていたかのように明るく言うと、ノワールは小さめのニンジンを三本購入してお店から離れた。
次に向かったのはアクセサリーショップだった。そこにはなんとなく立ち寄ったようだが、並べられたアクセサリーから迷わず青いリボンを選んだ。
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