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10話
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「それにしても、あんな嬉しそうなノワールは初めて見たな」
ノワールを幼い頃から見ていたゼファーにとって、先ほどのノワールの表情は驚きだった。
今まで女性が関わっていることで、笑うことは一度もなかったのだ。それだけではなく、関わろうともしなかった。だが、今回はノワール自らが動いた。
「ルージュ・ルナーレ。一度会ってみたいものだ」
追放された聖女。王子である婚約者を奪ったリラ。彼女がルージュを処刑しないのかと尋ねたことも、ゼファーは知っている。すでにソレイユ王国では噂になっていた。
呪いをかけられていることは知らなかったのだが、それだけの情報で一番怪しいのはリラだと予想することができる。
「この国に飛び火さえしなければ、ノワールの好きにすればいいさ」
廃屋に急いで戻ったであろうノワールを思いだし、笑みを浮かべる。渡した封筒に書かれていた内容から、ノワールがこのあとどのような行動をとるのかゼファーには分かっていた。
「それを見れないのが残念だな。さて、特別許可書に記入するか」
小さくそう呟くと図書室をあとにした。
ノワールを幼い頃から見ていたゼファーにとって、先ほどのノワールの表情は驚きだった。
今まで女性が関わっていることで、笑うことは一度もなかったのだ。それだけではなく、関わろうともしなかった。だが、今回はノワール自らが動いた。
「ルージュ・ルナーレ。一度会ってみたいものだ」
追放された聖女。王子である婚約者を奪ったリラ。彼女がルージュを処刑しないのかと尋ねたことも、ゼファーは知っている。すでにソレイユ王国では噂になっていた。
呪いをかけられていることは知らなかったのだが、それだけの情報で一番怪しいのはリラだと予想することができる。
「この国に飛び火さえしなければ、ノワールの好きにすればいいさ」
廃屋に急いで戻ったであろうノワールを思いだし、笑みを浮かべる。渡した封筒に書かれていた内容から、ノワールがこのあとどのような行動をとるのかゼファーには分かっていた。
「それを見れないのが残念だな。さて、特別許可書に記入するか」
小さくそう呟くと図書室をあとにした。
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