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13話
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しおりを挟む(そう言えば、リラ嬢は私を殺したとして結界はどうするつもりなのだろう?)
結界は張った本人が死んでしまえば解除されてしまう。ゲームではリラが覚醒して結界を張れるようになるのだが、今までの彼女を見ていると使えるようになったとは思えない。それだけではなく、あの様子から今後も使えるようになることはないだろう。
呪いに手を出してしまったのだから、使えるはずはないのだ。聖魔法を使える人には条件がある。誰かを憎んだり、恨んだりしない清らかな心を持っていること。呪い魔法を使える人には使えるものではない。
聖魔法とは違い、呪い魔法は使おうと思えば誰でも使えるし覚えられる。憎んだり恨んだりすればいいだけなのだから。
聖魔法を使える人が呪い魔法を使ってしまった場合は、聖魔法を二度と使えなくなるだけだ。
それを考えると、ゲームでのルージュはリラが現れるまでは憎んだりしなかったということなのだろう。リラが現れたことにより、憎悪によって聖魔法が徐々に使えなくなっていったのかもしれない。処刑されてしまったため、聖魔法が使えなくなっていたのかは分からなかったが。
リラは嫌がらせをされながらも、憎むことはなかったのだ。だから聖魔法を使えた。百年に一度と言われていたのに、二人の聖女が誕生したのだ。
憎んだり恨んだりすることは簡単だ。けれど、十八年も生きていてそれらの感情が湧かない人は少ない。だから聖魔法を使える人は、百年に一度と言われているのだ。
もしもルージュが死んだあとは、この国に二度と結界が張られることはない。また聖魔法を使える人が現れれば張ることは可能かもしれないが、魔力の器の大きさによっては不可能だ。ルージュでさえ、結界を張るのはギリギリだったのだ。
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