優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々

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ifルート

01.触れたい気持ち【攻守逆転描写有・三章6話からの分岐・弦バッドエンド】

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 織理を自分のものにしたい。言葉にしてしまえばしっくりきすぎるその欲望はずっと見ないふりして閉じ込めた。織理と言う自分嫌いの子を、自分を愛せるようになるまでは何もしない。無理矢理に囲い込んだこの生活の果てに織理が誰を選ぶのか、それとも誰も選ばないのかを見届けて終わりにしようと思っている。

 手を翳して眺める、何かを考える時体は適当に動く。あぁ、本当はどうしたいんだろう。
 織理を自分のものにする、それって何を持ってそう捉えるの? 自問自答しながらベッドに横たわる。キスをしたいのか抱きしめたいのかセックスしたいのか。それともただ側にいられたら良いのか、子供が欲しいのか、結婚したいのか。考えてみるとどれも微妙だ。側にいる、それが一番近いけれどそれは織理にとって重いのだろう。何も求めない様に見えるから。

 人の時間を買っているのだ、それだけで対価は充分なのに織理は尚も何かを返したがっていた。なら何を求めれば良い。

「……違うな、どちらかというと俺に依存して欲しいのか」

 俺が手を下さなくても織理が落ちてくれたらいいのに、きっと願いはそれだ。俺のために人生をぐちゃぐちゃにして欲しい、そして俺はそれを側で支えて……

「うわ、気持ち悪いな我ながら」

 責任が取れるからこその願望、でもそれを叶えないためのこの同棲。

「やっぱり欲はどんどん湧いてくるんだなぁ……ただ織理を一つの人間に育てたかっただけなのに。本気になんてなるから」

 自分の能力を舐めていたのかもしれない。いやそれもわかってて俺は織理に『可愛い』と言い続けたのだ。両者に作用する暗示、揶揄いはいつからか本気の言葉になって、もう逃げられなくなっていた。

「でもやっぱり一緒にゴロゴロしたい~……」

 これも本当。いや、むしろ考えた上で出てくるのなら納得いかなくてもこれが全てなんだろう。

「織理には悪いけどやっぱりそれが願いなんだ。あとはどうやってそれを負担にさせないように伝えるか……」

 きっと今の織理は求められたいのだろう。求められて自分の価値を実感したい、もしくは与えたくなったのか。それは成長、これまでの織理からしたら考えられないほどの積極性。それに喜ぶ自分はいるのに、それに応える言葉が出てこない。



――


「織理」
「弦さん、どうかしたんですか?」

 きょとんと俺を見上げる織理は可愛い。

「ね、織理にお願いがあるんだけど部屋、来てくれたりしない?」

 織理は少しだけ目を泳がせて、少し恥ずかしそうに小さく頷く。本当にこの子は欲が育ってきてるんだ、と実感させられる姿。この先にあるかもしれない行為に照れを交えても嫌だとは思わないのだろう。むしろ、……

「用事済んでからでもいいからね。……部屋で待ってるから」
「一緒に行きます……」

 自然に袖を掴み付いてくる様は少しあざとさすら感じさせる。無意識にやっているのだから恐ろしい。男のツボをよくわかっていると言うか自分の魅せ方が自然に身についてるというか。
 部屋に戻ってベッドに座る。緊張した面持ちで織理も隣に座った。心なしか頬が赤らむ織理を撫でて横になる。

「織理、来て」

 腕を広げて織理を呼べばおずおずと胸の中に収まる。それを抱きしめた。

「弦、さん?」
「ごめん、このまま一緒に寝て欲しい。織理のこと、抱いて寝てもいい?」

 本当に文字通りの意味で。織理を抱きしめてそのまま眠りたかった、柔らかな体の感覚を感じながら好きな人の横で眠る、気持ちがいいだろうなと分かる。

「……ここにいるだけでいいんですか? 他に何か……」
「三、四時間はずっとここにいることになるよ? 充分拘束だと思うけど」

 織理の求める行為を俺は与えてあげられない。だから限りなく近くて遠い、添い寝をお願いしてるつもりなんだけど。織理の顔は困惑を浮かべてて、まるでこんなことでいいのかとでも言うかのようだった。
 だから俺は一つ言い残して寝ることにしようと取った。

「……寝てる間は好きにしていいよ、織理が触りたいように触って良い……いや触って欲しいし、嫌になったら起こしてくれて良い。『俺は寝るから』あとはよろしく」

 自分の能力で自分に暗示を掛ければスッと瞼が落ちてくる。あとは織理の自主性に賭けるだけ。何もなくても俺はこれで良いんだけど……

「……おやすみなさい、弦さん」



――


 
 本当に寝てしまった。体を緩く抱きしめる腕に力は入っていない。それに、最後の瞬間にこの人が能力を使ったのも伝わった。狸寝入りを疑えないほどスムーズに。

 触っても良い、そう言い残したのはどんな意図なのだろう。弦さんの顔を何となく見上げる。すぐ近くに唇があるのが何となく変な気分になる、――そういえば、弦さんとは舌の触れ合うキスをしたことがない。在琉としたあの体の芯まで吸われるような気持ちのいいキス、攪真との呼吸を奪うようなくやや苦しいのに満たされるキス……弦さんはどんな感じなんだろう、なんて考えてしまう自分が嫌だ。

「弦さん……」

 でも、少しだけ触ってもいいのなら。そっと指で弦さんの唇に触れる。カサついてない柔らかな唇、そっとそのまま口付けた。今口を付けても舌を絡めてはくれない。けれど軽く舌を差し出して弦さんの舌を撫でる。

「ん、ぐ」

 きっと反射なのだろう、けれど弦さんは舌を舐めた。少しだけ体がぞくぞくする。すごく悪いことをしているような感じだ。唇を離す。出来ることなら起きている時にもっと、して欲しい。これを頼めばきっと彼は答えてくれるのではないか。でも

「弦さんに、欲しがって貰いたい……な」

 言葉にするとなんて強欲なんだろう。あんなに皆を拒んで悩ませて、今更になって欲しがって。
 胸元に手を当てる。……ところで弦さんの体にあるこの黒い線は何なのだろう。どこまで続いてるのか、と線をなぞる。

「ん、っ……」

 擽ったいのか僅かに反応する弦さんに心臓が高鳴るようだった。これが攪真達の言ってた『可愛い』なのかもしれない、何となくもっと突いて見たくなると言うか……なんだか色気がある、気がする。
 何だかよくない気がして手を離す。顔が熱い、自分にこんな感覚があることについていけない。

「……どうしよう、弦さん……早く起きて」

 一番こう言うことがわかるのが彼なのに、その彼が原因なんだからどうしたらいいのかわからない。けれど今はただ弦さんが起きて、そこから話を聞いて欲しくて仕方がない。このよくわからない感情に名前をつけて欲しい。
 胸元に頭を寄せて目を閉じる。眠れる気はしなかった。ただこの香りが好き、今は少しだけこの香りにドキドキしてしまうけれど、擦り寄りたくなるのは本能なのだろうか。

 俺に託して眠ったのはきっと何かを欲しているのではないか、それはわかるのに何が正解かわからない。弦さんみたいに、相手の欲しいものすら俺には見抜けない。どこまでも受け身な自分が嫌だと改めて思わされる。

「好き……弦さん……でも俺は貴方に触って欲しい。好きにされたい、のに」

 やっぱり弦さんの言う様に自分は傲慢だ。与えずに貰おうとする、でもそれすら肯定してもらえると言う確信すらある。これ以上考えると自分のことが本当に許せなくなりそうだった。



――



 夕暮れ時、弦は目を覚ました。久々に自分を暗示して眠ったからか深い眠りにつけて居た様だった。眠った感覚がある。隣を見ればまだ腕の中にいる織理の姿、抜け出されなかったことに安堵する。そしてやはり添い寝くらいの軽さが自分の中で最も幸せに感じられることを再認識する。

 織理が起きるのを待ちつつ、自分の首元のチョーカーを直す。本当は外して眠るつもりがすっかり忘れて居た。
 結局織理に触れられたのか否かは弦にはわからない。狸寝入りをして測る、なんてこともなく本当に眠って居たから。彼としては腕から逃げられなかった事だけが重要なのだ。それだけ安心して貰えている証拠に他ならないから。
 しばらくすると織理もうっすらと目を開けた。そしてハッとした様に弦から僅かに体を離す。

「ご、ごめんなさい。寝てました……」
「いや寝てていいんだけど。何時間も起きてるのは暇でしょ? むしろ嬉しいよ、そばで寝て貰えて」

 蕩けるような目で微笑む弦に織理は焦る。本当に甘い表情、起き抜けの心臓がまた脈を速くする。

「弦、さん……あの……」
「なぁに、織理」

 ――キスしてください。舌を絡めるやつを。俺を求めてください、貴方の好きにされたい。
 全部眠っている間に思った事だったが、すんでのところで織理は口を閉じる。不思議そうに織理の言葉を待つ弦にやるせなさを感じ、何か逸らす事を考えた。そして思いつく

「その、体の線って……なんですか?」
「体の線? これ?」

 弦が首筋から伸びる黒い線を指でなぞる。

「これ普通に生まれつきの模様だよ。実はこのチョーカーの下に横線もあるんだ~」

 なんてことはないかのように普通にチョーカーを外す弦に織理は戸惑う。
 この世界では身体に模様があること自体珍しくはない。そもそも在琉のように黒色(褐色ではない)の肌の人間だって居るし、生まれつき髪の色が真ん中から綺麗に分かれてる奴もいる。だから弦はそこを気にして居なかった。
 チョーカーの下には確かに首を一周する黒い線、なんと言うか

「切り取り線みたいでこっちはちょっと嫌なんだよね~だから隠してる」

 織理も思った。が、流石に頷きはしなかった。弦は気がついているだろうけれど。

「この線のところ、少し皮膚が薄いみたいでね。余計にそれっぽくて首だけは隠してる。でも織理が気になってくれてるちょっと嬉しいな、どんな形であれ俺に興味持ってくれてるんだもんね」

 弦は笑う。そんなに自分は弦に興味を示してこなかっただろうか、と織理は一瞬考えた。多分言葉の文だろう

「ずっと見えては居たんですけど……目の前にあって気になって……」
「そっか、一緒に寝るのは初めてなんだっけ」

 猫化してた時のことは覚えて居ないもんね、言葉に出さずに弦は続けた。触るとしても頭が多いから余計に触れることが無かったのだろう。

「どう? 添い寝辛く無かった? 暇すぎてヤダ、とかそもそも落ち着かないとか。割と寝てる時が一番取り繕えないから織理の指標になるかなって」
「し、指標? なんの……」
「このまま一緒に居られるかどうか。俺ね、やっぱり側にいるだけで良いかなってなっちゃった。何を求めて良いかわからないし、その欲よりも一緒にゴロゴロしたい気持ちが勝つみたい」

 その言葉に織理は無意識に手を握り込んだ。

「……じゃ、あ、キスとか、してくれないんですか……?」

 思わず口に出した言葉に織理は青褪める。そんなこと言って否定されたらどうしよう、求めている居心地が違くて捨てられたら? そもそも弦さんに淫らな子だと思われるのも嫌だった。けれど、ここを逃したら本当に機会はなくなるだろう。弦という人の自制心はこの数ヶ月で痛いほど見てきている。どこまでも一歩下がった保護者のような存在。織理を愛して居ても常に織理を優先して無理に触れてこなかった。

「……あは、織理そういうの興味あるんだ」
「気持ち悪い、ですよね……」
「ううん、織理の人間らしい欲が出てきてて俺は感激してる。織理がして欲しいなら、俺は応えるよ。キスくらいなら」

「……弦さんは俺にキスしたくならないんですか……? 俺を、求めてくれない、の?」

 結局言ってしまった。泣きたくなるほどに無様なお願い、散々拒んできたくせに今更な都合のいい願い。
 自然と落ちる涙に自己嫌悪するほどに自分が嫌だった。それを弦は抱きしめる。

「……ごめんね、泣かせて。ダメだね、俺……結局一歩引いちゃって」

 弦は一度織理に目を合わせる。織理の目元を舌で舐め、そのまま織理に口を合わせた。触れるだけの軽いキス、織理は思い切って舌を差し出した。
 弦は目を見開きつつ、その舌に自分の舌を合わせて軽く吸う。脳に電流が走るような、瞼を開けて居られない感覚に織理は弦に強く縋り付く。

 弦は織理を抱き上げ、織理の足が床から数センチ浮く。

「……このまま委ねていいよ。落とさないから」

 返事を聞く前に再び口が合わさる。舌をなぞりながら喉奥を触れられ、びくんと織理のつま先が伸びる、本当に脳が真っ白になりそうだった。二人とはまた違う、普段の彼とは真逆の織理の判断を奪うような奥に響くキス。酸素の吸い方がわからなくなる、脳が蕩けてそのまま死ぬのではないかと思うほどに。だが呼吸が苦しくなり始めた頃に弦は口を離した。一気に吸えるようになった酸素に織理の肩が上下する。

「は、ぁ……ゆ、づる、さん……」
「苦しかった? ごめんね織理」

 ぽんぽんと頭を撫でる弦に首を振る。

「すご、く……きもちいい、……幸せな感じ、がしました」

 蕩けた目で弦に追い縋る。それを抱きしめながら今度は軽く額にキスをした。

「それなら良かった……俺も気持ちよかったよ、織理。またさせてね」

 それは織理を安心させるための文言でしか無かったが、それでも織理は次があることに安堵した。このまま離したら居なくなってしまいそうで織理は抱き返すように弦に腕を回し頭を胸に押し付ける。

「どこにも行かないで……弦さん……側にいて」
「大丈夫だよ、織理が俺を嫌いにならない限りはここにいるから」

 やっぱりどこまでも自分を優先してくる言葉に織理はさらに腕の力を込める。そのまま暫くただ抱き締め合いながらただただ時間が流れていった。
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