がんばり屋の森本くん

しお子

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森本くんはがんばりました。

第58話 お疲れ様です、森本くん

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「ねーもうこのドリブル飽きたよ~」

「駄目ですよ、菊地先輩。
 すぐドリブル甘くなって取られちゃうんですから」

「っだー!下手くそ!」

「うるっせぇ!おい森本!なんで俺がこいつと組まなきゃなんねーんだよ!」

「二人はチームプレー出来なさすぎだから罰!」

「空汰ちゃん、すごい。
 キャプテンて感じだね」

「………」

「どうしたの?」

「星場先輩は女の子連れてこないでください~!!」

「あは、だって勝手に付いてきちゃうんだもん」

朝の体育館で各々森本の言われたメニューをこなすメンバー。
個性の強すぎる4人が集まればまとめるのも一苦労だ。

小野寺の一件があり森本は少し落ち込んでいたものの、いつも通りの周囲の様子にいつまでも塞ぎ込んでいても仕方ないと、メンバーを集めてバスケの練習へと励んでいた。

「で、バスケ部顧問の話ってどうなったの?」

「それ僕も気になってた」

しれっと森本の横に来た菊地の問いかけに対し星場が便乗してくる。

「………失敗しました」

なんとなく分かってそうな二人に報告するのも癪でぶっきらぼうに答える森本。

「あらら。じゃあ顧問探し直さなきゃじゃん」

「というか、あの子の家大丈夫なの?」

「あ~、確かに大金持ちっぽかったし面倒事起こされたらやだねぇ」

「うぅ…」

二人にいじられるように頭上で会話され森本は問題が解決するどころか増えてる気がして頭を抱えた。

「森本くん、ちょっといいかな?」

そこに松城が現れ森本を呼び出した。

ー涼真くんのお母さんに何か言われたのかな…。

そんな不安を抱えながら肩を落として向かう森本。

「なんですか…」

「空汰、くん」

「………!!」

名前を呼ばれ、顔を上げると小野寺がいた。
驚きで声が出ない。

「な、なんで!なんでいるの!」

ちゃんと制服を着て学校に来ている。

遅れてやってきた嬉しいという感情に小野寺がいることを確かめるよう前腕を掴みながら何度も問いかける。

「…だってあんな顔した空汰くん、もう二度と見たくなかったから。
 今度は僕が、君を本当の笑顔にさせたかったんだ」

病室を出る前に小野寺へ向けた笑顔はあまりにも下手で、
むしろ小野寺を焚きつけることになったようだ。

「涼真くん…」

あんなに人と触れ合うことを怖がり不安がって閉じこもっていた小野寺が、自分のために外へ出てきてくれたという事実に目が潤む。

そんな森本の頬を優しく撫でる小野寺。
まるで泣かないでと言うように。

「………本題話していい?」

そんな二人の様子をじっと傍観していた松城だったが、甘い雰囲気をかもし出し始めたのに我慢出来ず切り出した。

「あはは…」

照れ隠しに笑いながら松城の方へ向き直すと、紙を手渡される。
部活の申請書だ。

しかも顧問の欄に松城の名前が書かれている。

「先生…!」

「おめでとう。よくがんばりました」

まるで子供を褒めるようなセリフだったが、森本は自分の行いが実を結んだ嬉しさに申請書を掲げながら喜んでいた。

「やっっったーーー!!!」

「空汰くん。あ、あのね」

「涼真くんも入ろうよ!!」

「………!」

自分も森本と一緒に部活がしたいと言いかけたところで先に言われてしまい小野寺は困り笑いをしながら小さく呟く。

「空汰くんには勝てないなぁ」





そうして正式に部として認められたバスケ部は次は大会で成績を残すことを目標として練習に励んでいた。



「まっさかなー、本当に作っちゃうなんて」

「えへへ、俺やるでしょ」

「絶対無理だと思ったのにさー」

「ひっど!」

「あははっ!冗談だって。
 まぁ、とりあえずこれで一安心だな」

「うん。
 でもやっぱり大会に出て試合したい。
 そんで勝ちまくってインターハイ行きたい!」

「インターハイってお前…」

また夢みたいなことを言う森本に呆れる水野。

「今はまだ無理かもだけど、いっぱい練習して上手くなればきっと行けるよ!」

「つーか、お前が上手くなってもチームの奴らはまだまだ初心者って感じじゃん?」

「そんなことないよ。
 折戸くんは経験者でやっぱ上手いし、他のみんなも吸収力すごいし可能性あると思うんだ」

「………なんかお前が言うと無理じゃない気がしてくるのが不思議だよな」

「でしょ?」

一般的に考えたらインターハイなど夢のまた夢だ。
だが難しいと言われていた部の設立をやってのけ、そのメンバーが文句を言いながらも楽しそうに練習している姿を見ると森本には無理なことなどないのではと思わされる。

無邪気に笑顔を向けられこちらが照れくさくなると水野は目線を外した。

「空汰くん、この前言ってたやつ教えてほしい…」

そんな話をしているとずっと様子を伺っていた小野寺が二人の元へ来て森本に声をかけた。

最初の方は極度の緊張から人前で話すことが出来なかった小野寺だったが、だんだんと慣れていき森本がいれば話せるようになっていた。

これも前進だ。

「そんじゃ、俺も部活行こうかな!
 空汰もがんばれよ」

「うん、がんばる!」




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感想 5

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みんなの感想(5件)

花雨
2021.08.15 花雨

作品登録しときますね(^^)これからゆっくり読ませてもらいます(^^)

解除
はるる
2020.09.03 はるる

森本くん流されやすすぎて可愛いです♡

小野寺くんの引き金とは!!凄く気になります!
更新色々大変かと思いますが楽しみに待ってます!

2020.09.11 しお子

感想ありがとうございます…!
近日中に更新予定ですのでもう少々お待ちいただけると幸いです。。

解除
うずら
2020.08.12 うずら

続きが気になります!更新楽しみにしてます!

2020.08.17 しお子

コメントありがとうございます。
更新が滞ってしまい申し訳ありません。。
もう少々お待ちください…!

解除

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