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第二章
第二十三話
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水樹は順番に部室やお茶の葉や氷の場所などを教えて貰っていた。
「宇野さん、どうしたんですか?急に黙って。」
「うん・・・。水樹ちゃんの事考えてたんだ。」
「えっ・・・。」
「どうして来てくれたの?マネージャーになってくれるの?どうしたらマネージャーになってくれる?水樹ちゃんさ、あのさ、素直だし良い子だし、聖也君も気に入ったっぽいし、俺ね、なんとしても君を手に入れたいんだ。」
「えっ!?」
「俺ね、水樹ちゃんが作ったお茶飲んで毎日頑張りたいの。だから・・・だからね、明日も・・・来てくれる?」
勇利が伝えた、真剣でストレートな気持ちに心が揺れない女の子はいないだろう。嘘も迷いもない、真っ直ぐな勇利に水樹の心は動かされる。
「そんな風にお願いされたら、断れないですよ・・・。」
「まじで!?ほんとに!?嘘でしょ!?ありがとね、ありがとね!皆で水樹ちゃんの事大事にするって約束するから!」
「とんでもないですっ・・・。」
「ううん。嬉しんだ!どうしよう。嬉しすぎて俺の中のもう一人の俺が踊り出しちゃうって!あーもう意味わかんないよね。ごめんね水樹ちゃん。」
勇利は勝手に一人浮かれて、だから水樹が横でまたカチカチに固まっていても、少しも気付いていなかった。
そしてその後も勇利の熱心なお茶作り指導は続く。
「ここで洗い物してね。」
「はい。わかりました。宇野さんはすっかり主婦ですね。」
「やめてやめて!そっちは全然嬉しくないってば。でもほんとさー、はっきり言って最初から水樹ちゃんしか目に入らなかったんだよー?ナイス俺でしょー。」
「ふふ。ほんとですか?」
良い雰囲気の中で、勇利と水樹は笑い合って過ごした。かわいい後輩が出来そうで勇利の表情も緩みっぱなしだ。何より、最初に声を掛けた自分が誇らしかった。
「お疲れー。」
勇利にとって聞きなれた大好きな声がすると、近付いてきたのは勇利と同じクラスの間宮仁美であった。
「宇野さん、どうしたんですか?急に黙って。」
「うん・・・。水樹ちゃんの事考えてたんだ。」
「えっ・・・。」
「どうして来てくれたの?マネージャーになってくれるの?どうしたらマネージャーになってくれる?水樹ちゃんさ、あのさ、素直だし良い子だし、聖也君も気に入ったっぽいし、俺ね、なんとしても君を手に入れたいんだ。」
「えっ!?」
「俺ね、水樹ちゃんが作ったお茶飲んで毎日頑張りたいの。だから・・・だからね、明日も・・・来てくれる?」
勇利が伝えた、真剣でストレートな気持ちに心が揺れない女の子はいないだろう。嘘も迷いもない、真っ直ぐな勇利に水樹の心は動かされる。
「そんな風にお願いされたら、断れないですよ・・・。」
「まじで!?ほんとに!?嘘でしょ!?ありがとね、ありがとね!皆で水樹ちゃんの事大事にするって約束するから!」
「とんでもないですっ・・・。」
「ううん。嬉しんだ!どうしよう。嬉しすぎて俺の中のもう一人の俺が踊り出しちゃうって!あーもう意味わかんないよね。ごめんね水樹ちゃん。」
勇利は勝手に一人浮かれて、だから水樹が横でまたカチカチに固まっていても、少しも気付いていなかった。
そしてその後も勇利の熱心なお茶作り指導は続く。
「ここで洗い物してね。」
「はい。わかりました。宇野さんはすっかり主婦ですね。」
「やめてやめて!そっちは全然嬉しくないってば。でもほんとさー、はっきり言って最初から水樹ちゃんしか目に入らなかったんだよー?ナイス俺でしょー。」
「ふふ。ほんとですか?」
良い雰囲気の中で、勇利と水樹は笑い合って過ごした。かわいい後輩が出来そうで勇利の表情も緩みっぱなしだ。何より、最初に声を掛けた自分が誇らしかった。
「お疲れー。」
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