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あの時(ルクレ視点)
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僕は今日幸せと不幸を同時に味わった。
楽しみすぎて朝早く起きてしまい侍従のマキトに「浮かれてますね」と軽口を言われてしまうくらい。それはそうだ、今日は大好きなイリスリアと婚約できる日なんだから!
幼い頃から一緒に遊んでいたイリスリア。綿毛のようなふわっとした髪からさらさらになった薄水色の髪に、ちょっと猫目な大きなピンク色の瞳。可愛いから綺麗になってきたイリスリア。そんな大好きなイリスリアは僕の事を同じくらい大好きって言ってくれてる。だから二人でお願いしたんだ。「婚約させてください」って。
だってあんなに可愛いんだ、放っておいたら悪い羽虫が寄ってきちゃうからね。
気分が競って早目に準備が終わってしまったが、それでもイリスリアに完璧な僕を見てもらいたくて時間になるまで姿見の前で何度も確認していたら、鏡越しにマキトの苦笑いが見えたが無視した。
時間になって父上の執務室に行き、そこからお茶会がある庭園に一緒に行く。凄く嫌だけど側妃のティファス様とライノールも今日は一緒だ。家族事だからと参加するらしいけど見た目が派手で品性がなく、場をわきまえない側妃と王子教育を疎かにする第一王子なんてただの金食い虫。この二人に国民の血税が使われていると思うと、国民に申し訳なく思ってしまう。
庭園に着くと既にイリスリアとマーベン公爵夫妻がいた。僕が送った青に金糸の刺繍がされたドレスを着ているイリスリアはとても綺麗だった。互いに目を合わせてにっこり微笑む。
席に着き侍女が紅茶を用意している時にソワソワしているイリスリアを見ると、今日どれだけ楽しみにしていてくれいたのかが分かって嬉しくなる。だからつい僕もニコニコしてしまっていたのが悪かったのだろう、目ざとく見つけたライノールがその時嫌な笑みを浮かべていたのに気づかなかった。
それを見た母上はその時から嫌な予感がしていたという。
雑談の後に本題、僕とイリスリアの婚約の話になるとライノールがいきなり立ち上がり「俺、あいつと婚約したい!」とイリスリアを指差し言いやがった。
周りはポカン。みんな突然の事で動けなかった。
「あらあいいわね、ライノール気に入ったの?じゃあイリスリアちゃんはライノールのお嫁さんね。ギュスターヴ様いいわよね?」
「えっ、いや、イリスリアはルクレの」
「ねぇ~いいわよね~。おねがぁい♡」
「う・・・・・・」
「ね、お♡ね♡が♡い♡」
「うん、そうしよっか」
「きゃあ♡ギュスターヴ様優しい♡」
はぁ゙⁉何いってるんだクソ親父!イリスリアは僕の婚約者だ!デカパイ押し付けられて胸にのの字書かれて鼻の下伸ばして頷いてんじゃねーよ!ほら母上と公爵が射殺せるくらい睨んでんだろうが!・・・・・・ってデレデレして気づいてねー!!
「イ・・・・・・イリスリア・・・・・・」
「ルクレ様・・・・・・」
困惑して名前を呼ぶと茫然としたイリスリアの瞳からぽろぽろと涙が頬を伝っていく。マジ殺すぞクソ親父。
チラッとライノールを見ると勝ち誇った顔をしている。お前もマジ殺す。
テーブルを囲んではしゃぐ側妃にデレデレな父上とドヤ顔のライノール以外は殺伐と悲しみに暮れてカオスな状態になってしまい、強制的にお開きになってしまった。
その日から3日間イリスリアは熱を出し寝込んでしまったらしい。ホントマジ殺す。
結局、国王として一度発した言葉だからと覆らず、イリスリアは僕ではなくライノールとの婚約が決まった最悪の日になってしまったのだ。
ーーーーーーーーーー
意外と心の中の声が口悪いルクレ。
※2日ばかり投稿をお休みします。
楽しみすぎて朝早く起きてしまい侍従のマキトに「浮かれてますね」と軽口を言われてしまうくらい。それはそうだ、今日は大好きなイリスリアと婚約できる日なんだから!
幼い頃から一緒に遊んでいたイリスリア。綿毛のようなふわっとした髪からさらさらになった薄水色の髪に、ちょっと猫目な大きなピンク色の瞳。可愛いから綺麗になってきたイリスリア。そんな大好きなイリスリアは僕の事を同じくらい大好きって言ってくれてる。だから二人でお願いしたんだ。「婚約させてください」って。
だってあんなに可愛いんだ、放っておいたら悪い羽虫が寄ってきちゃうからね。
気分が競って早目に準備が終わってしまったが、それでもイリスリアに完璧な僕を見てもらいたくて時間になるまで姿見の前で何度も確認していたら、鏡越しにマキトの苦笑いが見えたが無視した。
時間になって父上の執務室に行き、そこからお茶会がある庭園に一緒に行く。凄く嫌だけど側妃のティファス様とライノールも今日は一緒だ。家族事だからと参加するらしいけど見た目が派手で品性がなく、場をわきまえない側妃と王子教育を疎かにする第一王子なんてただの金食い虫。この二人に国民の血税が使われていると思うと、国民に申し訳なく思ってしまう。
庭園に着くと既にイリスリアとマーベン公爵夫妻がいた。僕が送った青に金糸の刺繍がされたドレスを着ているイリスリアはとても綺麗だった。互いに目を合わせてにっこり微笑む。
席に着き侍女が紅茶を用意している時にソワソワしているイリスリアを見ると、今日どれだけ楽しみにしていてくれいたのかが分かって嬉しくなる。だからつい僕もニコニコしてしまっていたのが悪かったのだろう、目ざとく見つけたライノールがその時嫌な笑みを浮かべていたのに気づかなかった。
それを見た母上はその時から嫌な予感がしていたという。
雑談の後に本題、僕とイリスリアの婚約の話になるとライノールがいきなり立ち上がり「俺、あいつと婚約したい!」とイリスリアを指差し言いやがった。
周りはポカン。みんな突然の事で動けなかった。
「あらあいいわね、ライノール気に入ったの?じゃあイリスリアちゃんはライノールのお嫁さんね。ギュスターヴ様いいわよね?」
「えっ、いや、イリスリアはルクレの」
「ねぇ~いいわよね~。おねがぁい♡」
「う・・・・・・」
「ね、お♡ね♡が♡い♡」
「うん、そうしよっか」
「きゃあ♡ギュスターヴ様優しい♡」
はぁ゙⁉何いってるんだクソ親父!イリスリアは僕の婚約者だ!デカパイ押し付けられて胸にのの字書かれて鼻の下伸ばして頷いてんじゃねーよ!ほら母上と公爵が射殺せるくらい睨んでんだろうが!・・・・・・ってデレデレして気づいてねー!!
「イ・・・・・・イリスリア・・・・・・」
「ルクレ様・・・・・・」
困惑して名前を呼ぶと茫然としたイリスリアの瞳からぽろぽろと涙が頬を伝っていく。マジ殺すぞクソ親父。
チラッとライノールを見ると勝ち誇った顔をしている。お前もマジ殺す。
テーブルを囲んではしゃぐ側妃にデレデレな父上とドヤ顔のライノール以外は殺伐と悲しみに暮れてカオスな状態になってしまい、強制的にお開きになってしまった。
その日から3日間イリスリアは熱を出し寝込んでしまったらしい。ホントマジ殺す。
結局、国王として一度発した言葉だからと覆らず、イリスリアは僕ではなくライノールとの婚約が決まった最悪の日になってしまったのだ。
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意外と心の中の声が口悪いルクレ。
※2日ばかり投稿をお休みします。
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