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本編
会長と風紀委員長にしっかり顔バレしました
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「さあ、俺たちに話してもらおうか」
テーブルを挟んで向かい側に長い腕と足を組み横柄な態度で座っている人物、風紀委員長の如月緋色と生徒会長の黒主青藍が俺を含め4人を見つめる。
寮の1階にある共用スペースで唯一鍵がかかる会議部屋に連れて来られたのは他からの邪魔が入らないためだろう。それに夕方前とはいえここに来るまで誰にも会わなかったのは、外で遭遇した時に俺たちのために電話をして人払いをしてくれたのだと思う。とてもありがたかったが、念のため俺はフードを目深に被って歩いた。
「その前にお前たちの事を教えなさい。それからこちらの事情を話すか決めるわ」
こちらも姉さんがスラリとしたおみ足を組み、シャープな顎をくいっとし話せと促す。
これまた母親譲りの話し方と普段のきゃぴりんとした雰囲気を消した女王様のような装いだ。こうなった姉さんには俺と智也は敵わないので大人しくしているに限る。
女王様な姉さんと何を考えているか分からないアルカイック·スマイルの兄さんを見やり如月はため息を一つ吐き出す。
「……俺は風紀委員長の如月だ。こっちは生徒会長の黒主。言うなればこの学園でのトップの2人だ。ここの学園の風習を知って隠しているのか事情があってなのか……理由がどうあれ分かればこちらも対処してやろう」
「ふうん……ねえお前、何で志摩の素顔を知ってるの?」
姉さんが鋭く会長を見つめ駐車場で俺の素顔を見て名前を呼んでいたことに言及する。
「そっ、それはたまたま見る機会があって……でもちらっとしか見ていない」
「志摩?」
「アレハフカコウリョクデスオネエサマ」
急に話を振られて驚きながらも話した会長にオネエサマの絶対零度の瞳が俺を貫く。ああ、怖くて言葉がカタコトになってしまう。
「で、それを誰かに話した?」
「いや、事情があるのかと誰にも話してない」
「……頭は悪くないようね」
不敵な笑みを湛え姉さんと兄さんがこそこそと話し合っている。
「……そうねお前たち、今から言うことは他言無用よ」
「もしそれが守れないなら黒主だろうが如月だろうが社会的に抹殺するからそのつもりで」
「ふっ……お前らに俺たちの家が潰せるとは思えないがな」
こういう事を言う時の2人は本気だ。しかも風紀委員長も負けてない。あまりの怖さに俺の喉がひゅっと鳴る。
「志摩、顔を出しなさい」
姉さんに言われ目深に被っていたフードを恐る恐る外しメガネを取る。
「………!!」
「その顔……桜宮真尋か⁉」
会長と風紀委員長が目を見開き、息を呑み驚いている。
白磁の肌に形の良い眉、左目の下にあるホクロが特徴の大きめの切れ長の目、通った鼻筋に小ぶりの唇。男と分かるのに母親である桜宮真尋瓜二つの顔。それが俺の顔だ。
「この子の本名は桜宮志摩、女優の桜宮真尋の息子で一目見たら分かってしまうくらいそっくりすぎるのよ。こんな綺麗な顔だもの小さい頃から周りが騒がしくてね。特に小学校高学年から女子の追っかけやら奪い合いや私物を盗まれたり大変だったのよ。それに男子からの妬み嫉みが酷くて……」
「他にもあるけど……だから地元の子が行かない山奥の男子校を選んで顔を隠すような髪型とメガネにしてるんだよ。あと智也が守ってくれてる」
そうこの顔、希代の美貌と演技力を持つ女優であり母親である桜宮真尋に似た顔のせいで事件は起きるし家に押しかけられたりして精神的に疲れた俺は智也と調べ遠くの高校を選んだ。その時も先生に受験先を秘密にしてもらい、卒業式も混乱を招くからと欠席したんだ。
「……だから顔バレはしたくない、と。そして俺たちにそれを協力しろということか」
「もし素顔がバレた場合はどうするんだ?」
「守りなさい。それが出来ないなら海外にでも転校させるわ」
「えっ⁉」
驚いて姉さんを見ると本気の目をしていた。その時は本当に転校させる気だ!
「……分かった、残念ながら生徒会は親衛隊を黙らせることしか出来ない。他は緋色、風紀で荒木を守ってくれ」
「ああ、風紀で責任を持って対処しよう」
学園のトップである2人の言葉に姉さんが満足そうに頷く。
会長の言う親衛隊とは人気のある生徒のファンクラブみたいなもので、生徒を守る為の組織らしいが、過激なところだと性的なことを含む制裁をしたりするらしい。そんなところに目を付けられたらお先真っ暗である。
「……ところで荒木と大膳が付き合っていると耳にしたんだが……」
「「ないないないない」」
会長が言いづらそうに聞いてくるのに間髪入れず智也と否定する。
「俺オカン属性と付き合う趣味ないし。そもそも智也はどノーマルだからな」
「ホントそんなウワサマジ勘弁だな」
顔を見合わせ爆笑すれば何故か会長がほっとした表情を見せる。よく分からなくてこてりと頭を傾げると、口に手を当て横を向く。その耳は赤くなっている。
「ところで姉さんと兄さんは時間大丈夫?」
「あ~、明日も仕事があるから早く帰って寝ないとぉ。睡眠不足はお肌に大敵よぉ」
「そうだね、名残惜しいけどまた来るよ」
棘々しい雰囲気をがらりと変えいつものきゃぴりんとした姉さんと柔らかい笑顔の兄さんにぎゅうぎゅうと抱きしめられ、蛙のようなうめき声が出てしまう。
そんな姿を微笑ましそうに見ているオカン智也。見てないで助けろよ!
話もまとまり、部屋を全員で出ると目立つからと俺と智也だけ先に部屋を出ることにする。姉さんと兄さんは会長と委員長が校門まで送ってくれるらしい。
「荒木」
部屋を出ようとする俺を会長が呼び止め何かあったら俺か緋色に連絡しろとラインの交換を智也と一緒にする。
その時の間近で見た会長はエロオーラと付けている香水の匂いとでくらくらしてしまうくらい格好良かった。それに委員長の声が腰にクるくらいエロくてヤバかった。
こりゃモテるわ2人とも。
テーブルを挟んで向かい側に長い腕と足を組み横柄な態度で座っている人物、風紀委員長の如月緋色と生徒会長の黒主青藍が俺を含め4人を見つめる。
寮の1階にある共用スペースで唯一鍵がかかる会議部屋に連れて来られたのは他からの邪魔が入らないためだろう。それに夕方前とはいえここに来るまで誰にも会わなかったのは、外で遭遇した時に俺たちのために電話をして人払いをしてくれたのだと思う。とてもありがたかったが、念のため俺はフードを目深に被って歩いた。
「その前にお前たちの事を教えなさい。それからこちらの事情を話すか決めるわ」
こちらも姉さんがスラリとしたおみ足を組み、シャープな顎をくいっとし話せと促す。
これまた母親譲りの話し方と普段のきゃぴりんとした雰囲気を消した女王様のような装いだ。こうなった姉さんには俺と智也は敵わないので大人しくしているに限る。
女王様な姉さんと何を考えているか分からないアルカイック·スマイルの兄さんを見やり如月はため息を一つ吐き出す。
「……俺は風紀委員長の如月だ。こっちは生徒会長の黒主。言うなればこの学園でのトップの2人だ。ここの学園の風習を知って隠しているのか事情があってなのか……理由がどうあれ分かればこちらも対処してやろう」
「ふうん……ねえお前、何で志摩の素顔を知ってるの?」
姉さんが鋭く会長を見つめ駐車場で俺の素顔を見て名前を呼んでいたことに言及する。
「そっ、それはたまたま見る機会があって……でもちらっとしか見ていない」
「志摩?」
「アレハフカコウリョクデスオネエサマ」
急に話を振られて驚きながらも話した会長にオネエサマの絶対零度の瞳が俺を貫く。ああ、怖くて言葉がカタコトになってしまう。
「で、それを誰かに話した?」
「いや、事情があるのかと誰にも話してない」
「……頭は悪くないようね」
不敵な笑みを湛え姉さんと兄さんがこそこそと話し合っている。
「……そうねお前たち、今から言うことは他言無用よ」
「もしそれが守れないなら黒主だろうが如月だろうが社会的に抹殺するからそのつもりで」
「ふっ……お前らに俺たちの家が潰せるとは思えないがな」
こういう事を言う時の2人は本気だ。しかも風紀委員長も負けてない。あまりの怖さに俺の喉がひゅっと鳴る。
「志摩、顔を出しなさい」
姉さんに言われ目深に被っていたフードを恐る恐る外しメガネを取る。
「………!!」
「その顔……桜宮真尋か⁉」
会長と風紀委員長が目を見開き、息を呑み驚いている。
白磁の肌に形の良い眉、左目の下にあるホクロが特徴の大きめの切れ長の目、通った鼻筋に小ぶりの唇。男と分かるのに母親である桜宮真尋瓜二つの顔。それが俺の顔だ。
「この子の本名は桜宮志摩、女優の桜宮真尋の息子で一目見たら分かってしまうくらいそっくりすぎるのよ。こんな綺麗な顔だもの小さい頃から周りが騒がしくてね。特に小学校高学年から女子の追っかけやら奪い合いや私物を盗まれたり大変だったのよ。それに男子からの妬み嫉みが酷くて……」
「他にもあるけど……だから地元の子が行かない山奥の男子校を選んで顔を隠すような髪型とメガネにしてるんだよ。あと智也が守ってくれてる」
そうこの顔、希代の美貌と演技力を持つ女優であり母親である桜宮真尋に似た顔のせいで事件は起きるし家に押しかけられたりして精神的に疲れた俺は智也と調べ遠くの高校を選んだ。その時も先生に受験先を秘密にしてもらい、卒業式も混乱を招くからと欠席したんだ。
「……だから顔バレはしたくない、と。そして俺たちにそれを協力しろということか」
「もし素顔がバレた場合はどうするんだ?」
「守りなさい。それが出来ないなら海外にでも転校させるわ」
「えっ⁉」
驚いて姉さんを見ると本気の目をしていた。その時は本当に転校させる気だ!
「……分かった、残念ながら生徒会は親衛隊を黙らせることしか出来ない。他は緋色、風紀で荒木を守ってくれ」
「ああ、風紀で責任を持って対処しよう」
学園のトップである2人の言葉に姉さんが満足そうに頷く。
会長の言う親衛隊とは人気のある生徒のファンクラブみたいなもので、生徒を守る為の組織らしいが、過激なところだと性的なことを含む制裁をしたりするらしい。そんなところに目を付けられたらお先真っ暗である。
「……ところで荒木と大膳が付き合っていると耳にしたんだが……」
「「ないないないない」」
会長が言いづらそうに聞いてくるのに間髪入れず智也と否定する。
「俺オカン属性と付き合う趣味ないし。そもそも智也はどノーマルだからな」
「ホントそんなウワサマジ勘弁だな」
顔を見合わせ爆笑すれば何故か会長がほっとした表情を見せる。よく分からなくてこてりと頭を傾げると、口に手を当て横を向く。その耳は赤くなっている。
「ところで姉さんと兄さんは時間大丈夫?」
「あ~、明日も仕事があるから早く帰って寝ないとぉ。睡眠不足はお肌に大敵よぉ」
「そうだね、名残惜しいけどまた来るよ」
棘々しい雰囲気をがらりと変えいつものきゃぴりんとした姉さんと柔らかい笑顔の兄さんにぎゅうぎゅうと抱きしめられ、蛙のようなうめき声が出てしまう。
そんな姿を微笑ましそうに見ているオカン智也。見てないで助けろよ!
話もまとまり、部屋を全員で出ると目立つからと俺と智也だけ先に部屋を出ることにする。姉さんと兄さんは会長と委員長が校門まで送ってくれるらしい。
「荒木」
部屋を出ようとする俺を会長が呼び止め何かあったら俺か緋色に連絡しろとラインの交換を智也と一緒にする。
その時の間近で見た会長はエロオーラと付けている香水の匂いとでくらくらしてしまうくらい格好良かった。それに委員長の声が腰にクるくらいエロくてヤバかった。
こりゃモテるわ2人とも。
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