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友達できちゃった編
失敗の原因は多分マカロン
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「国王陛下、王妃陛下、第一王子ジークフリート様、女神アマンベール様の愛し子タマモ様御成りでございます」
侍従のロイズが庭園で待つ貴族に声をかけるとざわめきが収まり一様に男性は右腕を胸に宛て礼を、女性はカーテシーをする。子供達と大人と同じようにするが、そこはまだ子供、よろめいている子達もいる。
「皆顔を上げてくれ。今日は王子であるジークフリートの初めての茶会だが子供達も慣れていないだろう。あまり作法を気にせず過ごしてほしい」
「皆茶会によく来てくれて嬉しく思う。楽しいひと時を過ごしてくれ」
王の次に挨拶をしたジークフリートは笑みを貼り付け会場を見やる。出回っている絵姿より麗しい顔に至る所からため息が漏れ、子息子女からはキラキラした目と同じくらいギラギラした目を向けられる。
(うへぁ)
そんな目線に嫌気がさすが笑みは崩さない。王子教育を受けてなかったら顔に出てたなとジークフリートは心の中で王子教育バンザイを連呼する。
「あっ、マカロンがあるー」
玉藻がテーブルに並べられているお菓子の中から積み上げられているマカロンを見つけ満面の笑みで言うと、辺りが静かだった為に声が響いてしまう。
「・・・あっ・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
それに気づき片手で口を押さえ耳と尻尾をしょんぼりさせ謝る姿に色んな所から「ぐぅっ・・・・・・」や「はうっ!」という唸り声が聞こえる。
「うぐっ、タマモ気にしなくていい。さあ、始めよう」
王が変な声を漏らしつつ手を上げるとゆったりとした音楽が流れそれぞれ動き始める。
「タマモ、マカロン食べようか」
早速ジークフリートに話しかけようとする子息子女を無視し玉藻の手を引きテーブルに行く。そこには色とりどりのマカロンが積み重ねられ鎮座している。よく見るとバニラ・ストロベリー・ブルーベリーのマカロンだけがやけに多く、パティシエが玉藻の為に多めに作ったようだ。
「はい、あーん」
バニラのマカロンをつまみ口へ持っていくとぱかっと小さな口を開けパクリと一口で食べる。
「おぃひぃ~」
「ふふっ、ゆっくり食べていいんだよ」
頬を両手で押さえムグムグと幸せそうに食べる玉藻にニコニコしながら次々とマカロンを与えていく。
我先にとジークフリートに話しかけようとしていた子供達は、2人だけの世界に入ろうとする勇気を持てず少し距離を開けてマゴマゴしている。
「おや、王子のアレはαの給餌行為ではないのか?」
「あら本当。やはり王子はαなのかしら」
そんな声が聞こえてきた王と王妃は確かに!いつも通りすぎて給餌という意識がなかった!と脳内で頭を抱える。今ジークフリートがαと分かってしまうと水面下で動く貴族がいるので面倒くさすぎると遠い目になる。
いくらバース性が決まる時期まで婚約者を作らないと話していてもグイグイ来る輩はいるのだ。
お察しの通り王と王妃は面倒くさいのが好きではない。
公務をさっさと終わらせてもふもふしたいだけの夫婦である。
「ジークもはい、あーん」
「うん美味しい。タマモが食べさせてくれたから余計に美味しいのかも」
「ホント?」
周りが昇天しそうなほどの笑顔をして食べるジークフリートにそうか、僕が食べさせると美味しいのがもっと美味しくなるのかと納得する玉藻。ふと周りを見るとじっと見られている事に気づく。
(あれ?みんなもマカロン食べたいのかな?)
こてりと首を傾げ考えて導き出した答えは「僕が食べさせてあげよう!」だった。
「はい、あーん」
「うえっ⁉」
「タマモ⁉」
テーブルからマカロンが乗っている皿を持ち、近くにいた子から次々とマカロンを食べさせていく。子供達も口元に持ってこられた美味しそうなお菓子ときゅるんとした目の玉藻に戸惑いながらもパクリと食べ、「美味しい?」と聞かれコクコクと頷いている。
ジークフリートは玉藻に食べさせられやがってと嫉妬しながらも笑みを崩すこと無く玉藻を見守る。
「みんなに食べさせて可愛いわ」
「なんだ、さっきのは給餌ではなかったのか」
途中から玉藻に食べさせてもらう為に列になって待つ子供達を見て、ジークフリートの給餌行為を誤魔化せたグッジョブ玉藻!と心の中でサムズアップをするが、お茶会としては失敗だと悟った王と王妃だった。
ちなみにジークフリートは拗ねてしまい、お茶会が終わって寝るまで玉藻を膝の上に乗せ抱きしめ「今度から僕だけにあーんするんだよ」と言い聞かせていたという。
侍従のロイズが庭園で待つ貴族に声をかけるとざわめきが収まり一様に男性は右腕を胸に宛て礼を、女性はカーテシーをする。子供達と大人と同じようにするが、そこはまだ子供、よろめいている子達もいる。
「皆顔を上げてくれ。今日は王子であるジークフリートの初めての茶会だが子供達も慣れていないだろう。あまり作法を気にせず過ごしてほしい」
「皆茶会によく来てくれて嬉しく思う。楽しいひと時を過ごしてくれ」
王の次に挨拶をしたジークフリートは笑みを貼り付け会場を見やる。出回っている絵姿より麗しい顔に至る所からため息が漏れ、子息子女からはキラキラした目と同じくらいギラギラした目を向けられる。
(うへぁ)
そんな目線に嫌気がさすが笑みは崩さない。王子教育を受けてなかったら顔に出てたなとジークフリートは心の中で王子教育バンザイを連呼する。
「あっ、マカロンがあるー」
玉藻がテーブルに並べられているお菓子の中から積み上げられているマカロンを見つけ満面の笑みで言うと、辺りが静かだった為に声が響いてしまう。
「・・・あっ・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
それに気づき片手で口を押さえ耳と尻尾をしょんぼりさせ謝る姿に色んな所から「ぐぅっ・・・・・・」や「はうっ!」という唸り声が聞こえる。
「うぐっ、タマモ気にしなくていい。さあ、始めよう」
王が変な声を漏らしつつ手を上げるとゆったりとした音楽が流れそれぞれ動き始める。
「タマモ、マカロン食べようか」
早速ジークフリートに話しかけようとする子息子女を無視し玉藻の手を引きテーブルに行く。そこには色とりどりのマカロンが積み重ねられ鎮座している。よく見るとバニラ・ストロベリー・ブルーベリーのマカロンだけがやけに多く、パティシエが玉藻の為に多めに作ったようだ。
「はい、あーん」
バニラのマカロンをつまみ口へ持っていくとぱかっと小さな口を開けパクリと一口で食べる。
「おぃひぃ~」
「ふふっ、ゆっくり食べていいんだよ」
頬を両手で押さえムグムグと幸せそうに食べる玉藻にニコニコしながら次々とマカロンを与えていく。
我先にとジークフリートに話しかけようとしていた子供達は、2人だけの世界に入ろうとする勇気を持てず少し距離を開けてマゴマゴしている。
「おや、王子のアレはαの給餌行為ではないのか?」
「あら本当。やはり王子はαなのかしら」
そんな声が聞こえてきた王と王妃は確かに!いつも通りすぎて給餌という意識がなかった!と脳内で頭を抱える。今ジークフリートがαと分かってしまうと水面下で動く貴族がいるので面倒くさすぎると遠い目になる。
いくらバース性が決まる時期まで婚約者を作らないと話していてもグイグイ来る輩はいるのだ。
お察しの通り王と王妃は面倒くさいのが好きではない。
公務をさっさと終わらせてもふもふしたいだけの夫婦である。
「ジークもはい、あーん」
「うん美味しい。タマモが食べさせてくれたから余計に美味しいのかも」
「ホント?」
周りが昇天しそうなほどの笑顔をして食べるジークフリートにそうか、僕が食べさせると美味しいのがもっと美味しくなるのかと納得する玉藻。ふと周りを見るとじっと見られている事に気づく。
(あれ?みんなもマカロン食べたいのかな?)
こてりと首を傾げ考えて導き出した答えは「僕が食べさせてあげよう!」だった。
「はい、あーん」
「うえっ⁉」
「タマモ⁉」
テーブルからマカロンが乗っている皿を持ち、近くにいた子から次々とマカロンを食べさせていく。子供達も口元に持ってこられた美味しそうなお菓子ときゅるんとした目の玉藻に戸惑いながらもパクリと食べ、「美味しい?」と聞かれコクコクと頷いている。
ジークフリートは玉藻に食べさせられやがってと嫉妬しながらも笑みを崩すこと無く玉藻を見守る。
「みんなに食べさせて可愛いわ」
「なんだ、さっきのは給餌ではなかったのか」
途中から玉藻に食べさせてもらう為に列になって待つ子供達を見て、ジークフリートの給餌行為を誤魔化せたグッジョブ玉藻!と心の中でサムズアップをするが、お茶会としては失敗だと悟った王と王妃だった。
ちなみにジークフリートは拗ねてしまい、お茶会が終わって寝るまで玉藻を膝の上に乗せ抱きしめ「今度から僕だけにあーんするんだよ」と言い聞かせていたという。
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