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生徒会編
立花対菅原 そして漏れる心の声
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今回も少し短めです。
あの後転入生の菅原を食堂と体育館を案内し、生徒会の仕事があるからと玄関口で別れ生徒会室へ戻る。
◇◇◇◇◇
「また転入生で理事長の甥でかいちょーご指名ってロックオンされてる?」
へらへらと会計の相沢が不吉な事を言う。
「現実になりそうだから言うな」
言霊って本当にあるんだぞ貴様。
「それを言ったらお前達もターゲットかもな」
「「やだー!!」」
抱き合いながらユニゾンする双子に遠い目をする相沢にそっぽを向く一ノ蔵。おいおい現実逃避するな。
第二の転入生が来たって事は立花がブラフで菅原が本命だろう。酷く掻き回す奴の次に来たのが平凡かつ謙虚なら良さが爆上がりだろうからな。
「多分これから接触を図って来るだろうから気をつけろよ」
「「「「はーい」」」」
◇◇◇◇◇
と言っていた自分が昨日いたんだがな。
まさか俺に接触してくるとは………というか生徒会役員で会った事があるの俺しかいなかった。
「あの……これ昨日校内を案内してもらったお礼です」
しかもわざわざ2年の階まで来て皆んなの前で顔を赤らめ菓子を差し出されるとは思ってもいなかった。
後ろに控えている南條が睨んでいてバリバリ悪役っぽい。お前また周りの好感度が下がるぞ。
「悪いな、品物は誰からも受け取らないと決めているんだ」
「そう……ですか」
菓子をぎゅっと抱きしめ悲しそうな顔をして俯く菅原に同情の目を向ける生徒がちらほら……
俺はいつもなので何も思われないだろうが、新しい転入生は前の奴と違うぞという印象はバッチリ周知されるだろうな。
「ふぅ……稲瀬、彼を送れ。南條はここにいろ」
「はい」
稲瀬に連れられていく菅原の視線が背中に感じるが無視し、教室に戻る。
これはまた突撃してくるかもしれない。当分1人で歩かないようにしないといけないな。
早速南條が鬼の形相でLINEしている。
「南條、変な事考えるなよ」
「大丈夫です、各親衛隊持ち回りでやっている東棟3階入口の警備の強化を通達しただけですから」
そういえば今αの生徒を除いた風紀で活動してるから人が足りなくて親衛隊が持ち回りで当たってたな。マナのところの八重樫も風紀の手伝いをしていたな。
これからまた問題が出て来るんだろうと思っていたら昼にそれは起こった。
いや、起こるべくして起こったというべきか。
「かいちょーあそこ」
「はぁ……稲瀬、風紀に連絡を」
昼食の為に食堂へ行くと既に騒がしく、入口に人だかりができていた。生徒会役員が来ると道が開けて通るといつも臭い匂いをまき散らしながら寄ってくる立花と菅原が向かい合って言い合いをしているようだった。
いや、言い合いというより立花が一方的に菅原を責めているようだ。
「あのさ、惟親は俺の運命なんだよ!勝手にプレゼントとかやめろよな!」
「す……すみません……でも昨日案内してもらったお礼にと思って…」
「はあ⁉何案内してもらってるんだよ!これ以上惟親に近づくな!」
「でも……」
まだ運命言うかあいつ!本当どこかの腕利きスナイパーが狙撃してくれないかな。面倒くせぇ。
「「会長心の声が漏れてるー」」
おっと、ヤバいヤバい。ついポロリしてしまった。結構頭の中で凄い事考えてるから口に出さないように気をつけないと。
「お前ら場所を考えろ。邪魔しないように他所でやれ」
「惟親!」
「会長さん」
嬉しそうに寄ってくる立花と違い縋るように見てくる菅原。対照的だな。
「立花、俺はお前の『運命』ではないし、名前を呼ぶ許可をしていないと何度言えば分かるんだ?」
「照れるなって!一流の俺に惚れられて嬉しいくせに!」
どこに惚れる要素があるんだ?マジうぜぇ。
「「ブフォ!!会長小声だけど心の声がだだ漏れだよー」」
「はぁ……満也、この三流に首輪着けて手綱をきちんと引いとけ不愉快だ」
満也を見ながら言うと悔しそうに唇を噛んでいるがお前生徒会にも顔を出さないで立花を放置とか罷免すんぞゴラァ。
「あっ、あのっ!俺菅原のクラスの委員長をやってる久喜です。助けてくださってありがとうございます!こいつ気弱で言い返せなくて……でも良い奴なんです!」
『可愛そう』
『今度の転入生は良い奴なんだ?』
『あんな気弱そうなのに難癖つけてあいつ何様?』
「なっ⁉」
1-Aの委員長がやたら肩をもっているが、そいつの全てを知ってますみたいな感じで大丈夫かこいつ。ものの数時間で分かるわけないだろ。それに立花も馬鹿だな、大勢の前でこんな事したら自分の立場が悪くなるの分かるだろうに。あ、馬鹿だから分からなかったか。
おいおい、委員長の後ろで俯きながら微妙に口角上がってる奴いるぞ。
「いや、助けたわけじゃない。俺は「ここでは迷惑だから他でやれ」と言っただけだ」
「えっ?」
2人でキョトンとしているが分かってないのか。まあ立花のインパクトが強くて助けてるように見えたんだろうな。
説明するのも面倒なのでそのまま中2階にあるフロアに行き昼食を取る。
多分これで放課後までには話が広まって立花の株が下がり菅原の株が上がるんだろう。
立花の性格だ、屈辱ととっていちいち菅原に突っかかっるんだろうな。
おっと、これは簡単にかませ犬の出来上がりか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
☆とある撮影現場にて☆
愛加「やあ、この前スタッフの差し入れに杏仁豆腐100個ケータリングのデザートの脇に置いていたら皆んな青い顔して食べてたよ。解せぬ」
宏太「毎日その量を差し入れするからだよ」
愛加「えー、食べたくないなら食べなきゃいいのに・・・」
宏太「いや、「食べないの?」って潤んだ目で見るからだと思うけど」
愛加「てへ☆やりすぎだってあげは姉ぇに怒られちった♡だから今度は高野豆腐にしてみた☆」
宏太「豆腐繋がり!えっ?デザートなの⁉」
愛加「(ニヤリ)」
あの後転入生の菅原を食堂と体育館を案内し、生徒会の仕事があるからと玄関口で別れ生徒会室へ戻る。
◇◇◇◇◇
「また転入生で理事長の甥でかいちょーご指名ってロックオンされてる?」
へらへらと会計の相沢が不吉な事を言う。
「現実になりそうだから言うな」
言霊って本当にあるんだぞ貴様。
「それを言ったらお前達もターゲットかもな」
「「やだー!!」」
抱き合いながらユニゾンする双子に遠い目をする相沢にそっぽを向く一ノ蔵。おいおい現実逃避するな。
第二の転入生が来たって事は立花がブラフで菅原が本命だろう。酷く掻き回す奴の次に来たのが平凡かつ謙虚なら良さが爆上がりだろうからな。
「多分これから接触を図って来るだろうから気をつけろよ」
「「「「はーい」」」」
◇◇◇◇◇
と言っていた自分が昨日いたんだがな。
まさか俺に接触してくるとは………というか生徒会役員で会った事があるの俺しかいなかった。
「あの……これ昨日校内を案内してもらったお礼です」
しかもわざわざ2年の階まで来て皆んなの前で顔を赤らめ菓子を差し出されるとは思ってもいなかった。
後ろに控えている南條が睨んでいてバリバリ悪役っぽい。お前また周りの好感度が下がるぞ。
「悪いな、品物は誰からも受け取らないと決めているんだ」
「そう……ですか」
菓子をぎゅっと抱きしめ悲しそうな顔をして俯く菅原に同情の目を向ける生徒がちらほら……
俺はいつもなので何も思われないだろうが、新しい転入生は前の奴と違うぞという印象はバッチリ周知されるだろうな。
「ふぅ……稲瀬、彼を送れ。南條はここにいろ」
「はい」
稲瀬に連れられていく菅原の視線が背中に感じるが無視し、教室に戻る。
これはまた突撃してくるかもしれない。当分1人で歩かないようにしないといけないな。
早速南條が鬼の形相でLINEしている。
「南條、変な事考えるなよ」
「大丈夫です、各親衛隊持ち回りでやっている東棟3階入口の警備の強化を通達しただけですから」
そういえば今αの生徒を除いた風紀で活動してるから人が足りなくて親衛隊が持ち回りで当たってたな。マナのところの八重樫も風紀の手伝いをしていたな。
これからまた問題が出て来るんだろうと思っていたら昼にそれは起こった。
いや、起こるべくして起こったというべきか。
「かいちょーあそこ」
「はぁ……稲瀬、風紀に連絡を」
昼食の為に食堂へ行くと既に騒がしく、入口に人だかりができていた。生徒会役員が来ると道が開けて通るといつも臭い匂いをまき散らしながら寄ってくる立花と菅原が向かい合って言い合いをしているようだった。
いや、言い合いというより立花が一方的に菅原を責めているようだ。
「あのさ、惟親は俺の運命なんだよ!勝手にプレゼントとかやめろよな!」
「す……すみません……でも昨日案内してもらったお礼にと思って…」
「はあ⁉何案内してもらってるんだよ!これ以上惟親に近づくな!」
「でも……」
まだ運命言うかあいつ!本当どこかの腕利きスナイパーが狙撃してくれないかな。面倒くせぇ。
「「会長心の声が漏れてるー」」
おっと、ヤバいヤバい。ついポロリしてしまった。結構頭の中で凄い事考えてるから口に出さないように気をつけないと。
「お前ら場所を考えろ。邪魔しないように他所でやれ」
「惟親!」
「会長さん」
嬉しそうに寄ってくる立花と違い縋るように見てくる菅原。対照的だな。
「立花、俺はお前の『運命』ではないし、名前を呼ぶ許可をしていないと何度言えば分かるんだ?」
「照れるなって!一流の俺に惚れられて嬉しいくせに!」
どこに惚れる要素があるんだ?マジうぜぇ。
「「ブフォ!!会長小声だけど心の声がだだ漏れだよー」」
「はぁ……満也、この三流に首輪着けて手綱をきちんと引いとけ不愉快だ」
満也を見ながら言うと悔しそうに唇を噛んでいるがお前生徒会にも顔を出さないで立花を放置とか罷免すんぞゴラァ。
「あっ、あのっ!俺菅原のクラスの委員長をやってる久喜です。助けてくださってありがとうございます!こいつ気弱で言い返せなくて……でも良い奴なんです!」
『可愛そう』
『今度の転入生は良い奴なんだ?』
『あんな気弱そうなのに難癖つけてあいつ何様?』
「なっ⁉」
1-Aの委員長がやたら肩をもっているが、そいつの全てを知ってますみたいな感じで大丈夫かこいつ。ものの数時間で分かるわけないだろ。それに立花も馬鹿だな、大勢の前でこんな事したら自分の立場が悪くなるの分かるだろうに。あ、馬鹿だから分からなかったか。
おいおい、委員長の後ろで俯きながら微妙に口角上がってる奴いるぞ。
「いや、助けたわけじゃない。俺は「ここでは迷惑だから他でやれ」と言っただけだ」
「えっ?」
2人でキョトンとしているが分かってないのか。まあ立花のインパクトが強くて助けてるように見えたんだろうな。
説明するのも面倒なのでそのまま中2階にあるフロアに行き昼食を取る。
多分これで放課後までには話が広まって立花の株が下がり菅原の株が上がるんだろう。
立花の性格だ、屈辱ととっていちいち菅原に突っかかっるんだろうな。
おっと、これは簡単にかませ犬の出来上がりか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
☆とある撮影現場にて☆
愛加「やあ、この前スタッフの差し入れに杏仁豆腐100個ケータリングのデザートの脇に置いていたら皆んな青い顔して食べてたよ。解せぬ」
宏太「毎日その量を差し入れするからだよ」
愛加「えー、食べたくないなら食べなきゃいいのに・・・」
宏太「いや、「食べないの?」って潤んだ目で見るからだと思うけど」
愛加「てへ☆やりすぎだってあげは姉ぇに怒られちった♡だから今度は高野豆腐にしてみた☆」
宏太「豆腐繋がり!えっ?デザートなの⁉」
愛加「(ニヤリ)」
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