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学園祭編
バレちゃった
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最初は愛加視点、途中から三人称視点になります。
学園祭も週末に迫った今週は相当忙しい。
大体は実行委員会が対応するけど予算関係や許可取りは生徒会に回って来る。こんなギリギリで⁉と思っていたら毎年何かとあるコトらしい。それに加え理事達に気づかれないようにインペリアルのスタッフを招いて最終調整をしたりと、日曜が完全休みで気力体力を回復できて良かったと思うくらいだった。提案してくれた一ノ蔵さんグッジョブ!
そんな中チカと菅原のメールでの親交は続きそれと共に「会長と菅原が密かに付き合っている」という噂が流れてくるようになった。100%菅原が流しているんだろう。違うと分かっていても気分は良くない。
(チカはオレのなのに!)
鬱々悶々としていたオレは無意識にしていた行動で生徒会のメンバーにチカとの関係がバレてしまったのだ。
後に番のいるΩのストレスが出たのだろうと言われたよ。それについてはチカから物凄く謝られたけど。
◇◇◇◇◇
《生徒会室にて》
(うーん……あれはどういう事だろう)
(ねえ登喜、あれどういう事?)
(どうしたんだろうねぇ?)
生徒会のメンバーは混乱している!
原因は愛加がずっと惟親の傍を離れないからだ。宏太が慌てて席に着かせても気づいたら惟親にぴったりとくっついているのである。
しかも無意識なのか惟親も愛加の腰に腕を回し、当たり前のように作業をしている。
「集合!(こそっ)」
「ちょっと北大路、アレ何?」
惟親と愛加を除いたメンバーで集まり相沢が宏太を問い詰めるが、宏太は困った顔をするだけで何も言わない。
「あんなぴったりくっついてかわいーんだけどさ、アレ北大路的にいいの?姫川と『運命』なんだろ?」
「そーだよ、運命ならヤキモチ焼かないの?」
「そーだよ、運命ならあんな事されたら威圧しちゃうでしょ⁉」
「…………」
それでも何も言わない宏太に皆んな困惑する。
「北大路くん、実は姫川くんと運命じゃないの?」
「……運命だよ」
「だったら余計おかしいですよ。普通あの状況になったら私なら我慢出来ません」
「僕もだよー」
「私もー相手をボコっちゃうよ」
そう話しているうちに愛加は惟親の膝の上に座り、首に顔を埋め腕を回していて惟親は頭を撫でながらやはり作業をしている。
「いやいやいやいや、アレはさすがにおかしいでしょ⁉」
「2人共どうしちゃったの⁉」
「アレ完全にアウトだよ⁉」
その光景に驚き声が大きくなるメンバーに、宏太はため息一つ吐き2人に近づき愛加の頭にキスをする。
「愛加どうしたの?」
「…………」
作業に集中していた惟親がハッと気付き慌てるが、愛加はぎゅっとしたまま離れない。
「マナ?」
「……やだ」
ぐりぐりと首に頭を擦りつけ抱きつく力が強くなる。
「チカはオレのなのに他のΩとメールしたり噂が流れたり……チカはオレのだもん!」
「当たり前だ!俺はマナのものだしマナも俺のものだ!」
「うんうん、惟親さんは愛加のだよ。……でもここではマズかったかな」
「…………あ」
我に返ってここが生徒会室だというのに気づいた愛加の顔が青ざめる。苦笑する宏太に惟親が手で制し「俺から話す」とメンバーを席に座らせる。全員が座ったのを確認し咳を一つする。
「……コホン。実はな、俺と姫川、北大路は『運命』なんだ」
そう言って切り出すと愛加と宏太は中等部に入る前から『運命』だと気づいていた事、中等部に入りすぐ愛加と惟親も『運命』だと気づいた事、気に食わないがα同士嫌悪感が無かった事、検査した結果3人は『運命の番』だった事、三家族で話し合った結果高等部を卒業するまでは周りに3人が運命だという事を秘密にする事、バレると騒がしくなる為愛加と宏太だけを『運命の番』を周知させる事、4月の事があり5月に前倒しで番になった事を話した。
「会長僕達と一緒だねー有喜」
「そうだね登喜」
「ちょっと爆弾がこっちからも飛んで来たんだけど⁉2人も⁉」
「そうだよ。僕達はハトコの女の子だけどね」
「うんうん、前も後ろも同時に出来ちゃうの(うっとり)」
「連続で爆弾が飛んで来るんだけど⁉」
「やっぱそこだよねー」
「そうそう、つい抱き潰しちゃうよねー」
「中学生にえげつないな」
「さらに爆弾が飛んで来た!!」
突っ込みマシーンと化した相沢が吠える。双子は「仲間がいるー」ときゃっきゃしているがその雰囲気とはかけ離れた内容に「親衛隊は全員せフレ」と言って憚らない相沢もドン引きだ。
「そうなんですね納得しました」
ふんふんと1人冷静な一ノ蔵が頷く。
「今姫川くんがそうなっているのはストレスですね。番持ちのΩは自分のαの行動で不安になって体調を崩したりするんですよ。私のΩも寝込んだ事があります。会長はそういう心当たりがありますか?」
「……ある」
一ノ蔵の言葉にバツが悪そうに惟親が答えるとため息を吐かれる。
「一番はその原因を取り除くのがいいのですが……後は不安がなくなるくらい甘やかすかですね」
「マナごめん。メール嫌だったよな。どうしても許せなくて探りたかったんだ。それに俺が相手してればマナに被害が行かないと思って……本当ごめん」
抱きついている愛加を強く抱き締め返し許しを請う。
「ううん、オレもバラすような事してごめん。……でも嫌だった。オレのチカなのに」
ふるふると頭を振り愛加も謝る。そんな愛加を宏太が優しく撫でる。
「大丈夫だよ。どうせ前日には話すつもりだったんたから」
「宏太……」
「まあそういう訳です。これに関しては学園祭でやるファッションショーで公表する予定だったのでそれまでは他言無用でお願いします」
「もちろんです」
「僕達の番の共有もナイショだよ」
「言ったらボコるからね」
「そっちは聞きたくなかったよ!」
学園祭も週末に迫った今週は相当忙しい。
大体は実行委員会が対応するけど予算関係や許可取りは生徒会に回って来る。こんなギリギリで⁉と思っていたら毎年何かとあるコトらしい。それに加え理事達に気づかれないようにインペリアルのスタッフを招いて最終調整をしたりと、日曜が完全休みで気力体力を回復できて良かったと思うくらいだった。提案してくれた一ノ蔵さんグッジョブ!
そんな中チカと菅原のメールでの親交は続きそれと共に「会長と菅原が密かに付き合っている」という噂が流れてくるようになった。100%菅原が流しているんだろう。違うと分かっていても気分は良くない。
(チカはオレのなのに!)
鬱々悶々としていたオレは無意識にしていた行動で生徒会のメンバーにチカとの関係がバレてしまったのだ。
後に番のいるΩのストレスが出たのだろうと言われたよ。それについてはチカから物凄く謝られたけど。
◇◇◇◇◇
《生徒会室にて》
(うーん……あれはどういう事だろう)
(ねえ登喜、あれどういう事?)
(どうしたんだろうねぇ?)
生徒会のメンバーは混乱している!
原因は愛加がずっと惟親の傍を離れないからだ。宏太が慌てて席に着かせても気づいたら惟親にぴったりとくっついているのである。
しかも無意識なのか惟親も愛加の腰に腕を回し、当たり前のように作業をしている。
「集合!(こそっ)」
「ちょっと北大路、アレ何?」
惟親と愛加を除いたメンバーで集まり相沢が宏太を問い詰めるが、宏太は困った顔をするだけで何も言わない。
「あんなぴったりくっついてかわいーんだけどさ、アレ北大路的にいいの?姫川と『運命』なんだろ?」
「そーだよ、運命ならヤキモチ焼かないの?」
「そーだよ、運命ならあんな事されたら威圧しちゃうでしょ⁉」
「…………」
それでも何も言わない宏太に皆んな困惑する。
「北大路くん、実は姫川くんと運命じゃないの?」
「……運命だよ」
「だったら余計おかしいですよ。普通あの状況になったら私なら我慢出来ません」
「僕もだよー」
「私もー相手をボコっちゃうよ」
そう話しているうちに愛加は惟親の膝の上に座り、首に顔を埋め腕を回していて惟親は頭を撫でながらやはり作業をしている。
「いやいやいやいや、アレはさすがにおかしいでしょ⁉」
「2人共どうしちゃったの⁉」
「アレ完全にアウトだよ⁉」
その光景に驚き声が大きくなるメンバーに、宏太はため息一つ吐き2人に近づき愛加の頭にキスをする。
「愛加どうしたの?」
「…………」
作業に集中していた惟親がハッと気付き慌てるが、愛加はぎゅっとしたまま離れない。
「マナ?」
「……やだ」
ぐりぐりと首に頭を擦りつけ抱きつく力が強くなる。
「チカはオレのなのに他のΩとメールしたり噂が流れたり……チカはオレのだもん!」
「当たり前だ!俺はマナのものだしマナも俺のものだ!」
「うんうん、惟親さんは愛加のだよ。……でもここではマズかったかな」
「…………あ」
我に返ってここが生徒会室だというのに気づいた愛加の顔が青ざめる。苦笑する宏太に惟親が手で制し「俺から話す」とメンバーを席に座らせる。全員が座ったのを確認し咳を一つする。
「……コホン。実はな、俺と姫川、北大路は『運命』なんだ」
そう言って切り出すと愛加と宏太は中等部に入る前から『運命』だと気づいていた事、中等部に入りすぐ愛加と惟親も『運命』だと気づいた事、気に食わないがα同士嫌悪感が無かった事、検査した結果3人は『運命の番』だった事、三家族で話し合った結果高等部を卒業するまでは周りに3人が運命だという事を秘密にする事、バレると騒がしくなる為愛加と宏太だけを『運命の番』を周知させる事、4月の事があり5月に前倒しで番になった事を話した。
「会長僕達と一緒だねー有喜」
「そうだね登喜」
「ちょっと爆弾がこっちからも飛んで来たんだけど⁉2人も⁉」
「そうだよ。僕達はハトコの女の子だけどね」
「うんうん、前も後ろも同時に出来ちゃうの(うっとり)」
「連続で爆弾が飛んで来るんだけど⁉」
「やっぱそこだよねー」
「そうそう、つい抱き潰しちゃうよねー」
「中学生にえげつないな」
「さらに爆弾が飛んで来た!!」
突っ込みマシーンと化した相沢が吠える。双子は「仲間がいるー」ときゃっきゃしているがその雰囲気とはかけ離れた内容に「親衛隊は全員せフレ」と言って憚らない相沢もドン引きだ。
「そうなんですね納得しました」
ふんふんと1人冷静な一ノ蔵が頷く。
「今姫川くんがそうなっているのはストレスですね。番持ちのΩは自分のαの行動で不安になって体調を崩したりするんですよ。私のΩも寝込んだ事があります。会長はそういう心当たりがありますか?」
「……ある」
一ノ蔵の言葉にバツが悪そうに惟親が答えるとため息を吐かれる。
「一番はその原因を取り除くのがいいのですが……後は不安がなくなるくらい甘やかすかですね」
「マナごめん。メール嫌だったよな。どうしても許せなくて探りたかったんだ。それに俺が相手してればマナに被害が行かないと思って……本当ごめん」
抱きついている愛加を強く抱き締め返し許しを請う。
「ううん、オレもバラすような事してごめん。……でも嫌だった。オレのチカなのに」
ふるふると頭を振り愛加も謝る。そんな愛加を宏太が優しく撫でる。
「大丈夫だよ。どうせ前日には話すつもりだったんたから」
「宏太……」
「まあそういう訳です。これに関しては学園祭でやるファッションショーで公表する予定だったのでそれまでは他言無用でお願いします」
「もちろんです」
「僕達の番の共有もナイショだよ」
「言ったらボコるからね」
「そっちは聞きたくなかったよ!」
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