48 / 79
学園祭編
学園祭1日目①
しおりを挟む
「ひぃぃぃマナたんの制服姿かわっ」
「竜司さんどうどう」
学園祭の佳境に入ったというのにストレスで起こした行動で番がバレたオレはその後チカの甘やかしのおかげで復活、無事準備をやり切った。番がバレたのはあげは姉ぇにしこたま怒られたけど。
そして学園祭当日を迎えたこの日、2時間だけ宏太とクラスの手伝いをしている。うちのクラスは「制服カフェ」。メイドや執事はありきたりすぎるとそうなったらいしけど、何故制服の方向へ行ったかは話し合いに参加してないなら謎のままだ。
制服自体は本当にある学校の制服を集めたらしく、ホール担当は全員被る事無く色んな制服を着ているが、制服を集めたクラスメイトの執念に少し恐れを抱いたのは秘密だ。
で、カフェオープンと同時に来た竜司さんがほにゃほにゃになったのを宥めるオレ。前に抑制剤の横流しをしてもらったお礼にとカフェにいる時間を教えたんだよね。まさかオープンと同時に来るとは思ってなかったけど。
「マナこっち来い」
「「マナっちーオススメはー?」」
「マナちん俺ケーキセットで」
「マナさん私もそれで」
いや何で生徒会のメンバーまで来てるかなぁ⁉しかもオレの呼び方変わってるし⁉ホール担当のクラスメイトや来たお客さんが濃すぎてびびってんだけど⁉っていうか女子の制服着てるのはスルーされてる⁉
「ちょっと皆んなで来て大丈夫なのか⁉」
ここに全員がいるって事は生徒会室に誰も居ない。学園祭まで色々と警戒してるのに大丈夫なん?
「大丈夫だ。椿がいる」
「何その最強防衛兵器⁉」
風紀最強を留守番に使ってここに来る理由とは⁉
「ケーキ5個で話がついてる。持ち帰りで頼む」
そう言えば椿さんってケーキ大好き人間だった!あの人普段表情筋動かないのにケーキ食べる時だけ至福の顔するんだよな。でも食べ過ぎじゃね?
とりあえず竜司さんや生徒会メンバーの注文を聞きサーブしていく。
学園祭が始まったばかりなのでまだお客さんの入りは少ないなーと思っていたら、入って来たと同時に濃い人達ばかり客としているのを見てギョッとしたり、入口で固まったり黄色い声を出す人が続出。それに気付いてどんどんとお客さんが来てついに廊下で待ちが出るようになってしまった。
「うーん客寄せパンダになってる」
人気者がいる事によってまさかのオープンから怒涛の忙しさになってしまい、調理担当が慌ただしく動いている。持ち帰りも受け付けているので忙しさに拍車がかかっているようだ。
「マナたん混んで来たからもう行くよ」
友人2人を伴って来た竜司さんに声をかけられ入口まで見送る。
「そうだ、竜司さん携帯出して」
「はいっ!」
「カメラにして友達に渡して」
「はいっ!」
「はいチーズ」
「えっ?」
パシャリと写真を撮ってもらい「サービスだよ」ニコリと微笑むと何故か膝から崩れ落ちてしまった。
「ちょっ、竜司さん⁉」
慌ててしゃがむと友人2人が腕を掴み立たせる。
「竜司さん?」
「あー大丈夫、予想外の出来事にちょっと頭がショートしてるだけだから」
「はあ……」
オレの心配をよそに友人に引っ張られ行ってしまった。大丈夫かアレ。
引きずられていく姿を見ていたら両肩にポンと手を置かれ、振り返るとメッチャ良い笑顔のチカと宏太がいました。
「ひぇ……」
笑ってるけど目が笑ってない……オレ夜無事に済まないかも。
「おーい、マナちん俺達とも撮ってよー」
「「マナっち撮ろー」」
不穏な気配を察したのか相沢さんや双子が携帯をフリフリしている。「バレますよ」という一ノ蔵さんのひと声でチカと宏太が手を離してくれたけど、小さな声で「夜……分かってるよな?」とボソリ。夜ハードなの確定ですやん。
冷や汗をかきつつ存分に写メを撮られ満足した生徒会メンバーは椿さんのケーキを持って生徒会室に帰って行った。
「やっと帰った……」
「姫ー4番テーブル、王子3番テーブル注文取ってー」
「「はーい」」
どっと疲れ既に休憩したくなったけど忙しさがそれを許してくれずぱたぱたと動きまわる。ちらりと会計係を見ると短時間で売り上げが良かったのか満面の笑みだ。
「お待たせしましたケーキセットです」
「君可愛いね~」
「あはは~ありがとうございますぅ」
さらりとかわし次々とサーブをさばいていくが、見目が良い生徒をホール担当にしているせいかいたる所で客に捕まっている。宏太もいつものキラキラ王子様ではなく黒髪の学ラン姿はストイックな雰囲気を醸し出しているからか女生徒の目がギラついていてがっちり捕まえて離そうとしていない。あれは逃げるのに相当苦労しそうだ。とりあえず注文だけしてくれ。
今のところはケーキセットが人気のようだがクレープも思ったより注文が入っている。多分寮生活していると口にしないからだと思われる。
今回量を用意しないといけないのでケーキはチョコケーキとチーズケーキに絞っている。他にはパンケーキとクッキーとクレープを用意しており、パンケーキ以外は持ち帰りOKになっている。飲み物はコーヒーと紅茶、オレンジジュースにりんごジュースと良いラインナップだ。
忙しく動き回っていたら2時間などあっという間に過ぎ、そろそろ切り上げようとしたら入口から「おはようございます!!」という大きな声が聞こえてきて皆んな一斉にそちらを見る。
そこにいたのはまだ少し幼さが残る170cmほどの制服を来た男子生徒が敬礼をして立っていた。
「末姫様八重樫裕司、兄の恭司の代わりに護衛に参りました!」
「竜司さんどうどう」
学園祭の佳境に入ったというのにストレスで起こした行動で番がバレたオレはその後チカの甘やかしのおかげで復活、無事準備をやり切った。番がバレたのはあげは姉ぇにしこたま怒られたけど。
そして学園祭当日を迎えたこの日、2時間だけ宏太とクラスの手伝いをしている。うちのクラスは「制服カフェ」。メイドや執事はありきたりすぎるとそうなったらいしけど、何故制服の方向へ行ったかは話し合いに参加してないなら謎のままだ。
制服自体は本当にある学校の制服を集めたらしく、ホール担当は全員被る事無く色んな制服を着ているが、制服を集めたクラスメイトの執念に少し恐れを抱いたのは秘密だ。
で、カフェオープンと同時に来た竜司さんがほにゃほにゃになったのを宥めるオレ。前に抑制剤の横流しをしてもらったお礼にとカフェにいる時間を教えたんだよね。まさかオープンと同時に来るとは思ってなかったけど。
「マナこっち来い」
「「マナっちーオススメはー?」」
「マナちん俺ケーキセットで」
「マナさん私もそれで」
いや何で生徒会のメンバーまで来てるかなぁ⁉しかもオレの呼び方変わってるし⁉ホール担当のクラスメイトや来たお客さんが濃すぎてびびってんだけど⁉っていうか女子の制服着てるのはスルーされてる⁉
「ちょっと皆んなで来て大丈夫なのか⁉」
ここに全員がいるって事は生徒会室に誰も居ない。学園祭まで色々と警戒してるのに大丈夫なん?
「大丈夫だ。椿がいる」
「何その最強防衛兵器⁉」
風紀最強を留守番に使ってここに来る理由とは⁉
「ケーキ5個で話がついてる。持ち帰りで頼む」
そう言えば椿さんってケーキ大好き人間だった!あの人普段表情筋動かないのにケーキ食べる時だけ至福の顔するんだよな。でも食べ過ぎじゃね?
とりあえず竜司さんや生徒会メンバーの注文を聞きサーブしていく。
学園祭が始まったばかりなのでまだお客さんの入りは少ないなーと思っていたら、入って来たと同時に濃い人達ばかり客としているのを見てギョッとしたり、入口で固まったり黄色い声を出す人が続出。それに気付いてどんどんとお客さんが来てついに廊下で待ちが出るようになってしまった。
「うーん客寄せパンダになってる」
人気者がいる事によってまさかのオープンから怒涛の忙しさになってしまい、調理担当が慌ただしく動いている。持ち帰りも受け付けているので忙しさに拍車がかかっているようだ。
「マナたん混んで来たからもう行くよ」
友人2人を伴って来た竜司さんに声をかけられ入口まで見送る。
「そうだ、竜司さん携帯出して」
「はいっ!」
「カメラにして友達に渡して」
「はいっ!」
「はいチーズ」
「えっ?」
パシャリと写真を撮ってもらい「サービスだよ」ニコリと微笑むと何故か膝から崩れ落ちてしまった。
「ちょっ、竜司さん⁉」
慌ててしゃがむと友人2人が腕を掴み立たせる。
「竜司さん?」
「あー大丈夫、予想外の出来事にちょっと頭がショートしてるだけだから」
「はあ……」
オレの心配をよそに友人に引っ張られ行ってしまった。大丈夫かアレ。
引きずられていく姿を見ていたら両肩にポンと手を置かれ、振り返るとメッチャ良い笑顔のチカと宏太がいました。
「ひぇ……」
笑ってるけど目が笑ってない……オレ夜無事に済まないかも。
「おーい、マナちん俺達とも撮ってよー」
「「マナっち撮ろー」」
不穏な気配を察したのか相沢さんや双子が携帯をフリフリしている。「バレますよ」という一ノ蔵さんのひと声でチカと宏太が手を離してくれたけど、小さな声で「夜……分かってるよな?」とボソリ。夜ハードなの確定ですやん。
冷や汗をかきつつ存分に写メを撮られ満足した生徒会メンバーは椿さんのケーキを持って生徒会室に帰って行った。
「やっと帰った……」
「姫ー4番テーブル、王子3番テーブル注文取ってー」
「「はーい」」
どっと疲れ既に休憩したくなったけど忙しさがそれを許してくれずぱたぱたと動きまわる。ちらりと会計係を見ると短時間で売り上げが良かったのか満面の笑みだ。
「お待たせしましたケーキセットです」
「君可愛いね~」
「あはは~ありがとうございますぅ」
さらりとかわし次々とサーブをさばいていくが、見目が良い生徒をホール担当にしているせいかいたる所で客に捕まっている。宏太もいつものキラキラ王子様ではなく黒髪の学ラン姿はストイックな雰囲気を醸し出しているからか女生徒の目がギラついていてがっちり捕まえて離そうとしていない。あれは逃げるのに相当苦労しそうだ。とりあえず注文だけしてくれ。
今のところはケーキセットが人気のようだがクレープも思ったより注文が入っている。多分寮生活していると口にしないからだと思われる。
今回量を用意しないといけないのでケーキはチョコケーキとチーズケーキに絞っている。他にはパンケーキとクッキーとクレープを用意しており、パンケーキ以外は持ち帰りOKになっている。飲み物はコーヒーと紅茶、オレンジジュースにりんごジュースと良いラインナップだ。
忙しく動き回っていたら2時間などあっという間に過ぎ、そろそろ切り上げようとしたら入口から「おはようございます!!」という大きな声が聞こえてきて皆んな一斉にそちらを見る。
そこにいたのはまだ少し幼さが残る170cmほどの制服を来た男子生徒が敬礼をして立っていた。
「末姫様八重樫裕司、兄の恭司の代わりに護衛に参りました!」
83
あなたにおすすめの小説
ヤンキーΩに愛の巣を用意した結果
SF
BL
アルファの高校生・雪政にはかわいいかわいい幼馴染がいる。オメガにして学校一のヤンキー・春太郎だ。雪政は猛アタックするもそっけなく対応される。
そこで雪政がひらめいたのは
「めちゃくちゃ居心地のいい巣を作れば俺のとこに居てくれるんじゃない?!」
アルファである雪政が巣作りの為に奮闘するが果たして……⁈
ちゃらんぽらん風紀委員長アルファ×パワー系ヤンキーオメガのハッピーなラブコメ!
※猫宮乾様主催 ●●バースアンソロジー寄稿作品です。
αが離してくれない
雪兎
BL
運命の番じゃないのに、αの彼は僕を離さない――。
Ωとして生まれた僕は、発情期を抑える薬を使いながら、普通の生活を目指していた。
でもある日、隣の席の無口なαが、僕の香りに気づいてしまって……。
これは、番じゃないふたりの、近すぎる距離で始まる、運命から少しはずれた恋の話。
お世話したいαしか勝たん!
沙耶
BL
神崎斗真はオメガである。総合病院でオメガ科の医師として働くうちに、ヒートが悪化。次のヒートは抑制剤無しで迎えなさいと言われてしまった。
悩んでいるときに相談に乗ってくれたα、立花優翔が、「俺と一緒にヒートを過ごさない?」と言ってくれた…?
優しい彼に乗せられて一緒に過ごすことになったけど、彼はΩをお世話したい系αだった?!
※完結設定にしていますが、番外編を突如として投稿することがございます。ご了承ください。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
オメガ大学生、溺愛アルファ社長に囲い込まれました
こたま
BL
あっ!脇道から出てきたハイヤーが僕の自転車の前輪にぶつかり、転倒してしまった。ハイヤーの後部座席に乗っていたのは若いアルファの社長である東条秀之だった。大学生の木村千尋は病院の特別室に入院し怪我の治療を受けた。退院の時期になったらなぜか自宅ではなく社長宅でお世話になることに。溺愛アルファ×可愛いオメガのハッピーエンドBLです。読んで頂きありがとうございます。今後随時追加更新するかもしれません。
隣の番は、俺だけを見ている
雪兎
BL
Ωである高校生の湊(みなと)は、幼いころから体が弱く、友人も少ない。そんな湊の隣に住んでいるのは、幼馴染で幼少期から湊に執着してきたαの律(りつ)。律は湊の護衛のように常にそばにいて、彼に近づく人間を片っ端から遠ざけてしまう。
ある日、湊は学校で軽い発情期の前触れに襲われ、助けてくれたのもやはり律だった。逃れられない幼馴染との関係に戸惑う湊だが、律は静かに囁く。「もう、俺からは逃げられない」――。
執着愛が静かに絡みつく、オメガバース・あまあま系BL。
【キャラクター設定】
■主人公(受け)
名前:湊(みなと)
属性:Ω(オメガ)
年齢:17歳
性格:引っ込み思案でおとなしいが、内面は芯が強い。幼少期から体が弱く、他人に頼ることが多かったため、律に守られるのが当たり前になっている。
特徴:小柄で華奢。淡い茶髪で色白。表情はおだやかだが、感情が表に出やすい。
■相手(攻め)
名前:律(りつ)
属性:α(アルファ)
年齢:18歳
性格:独占欲が非常に強く、湊に対してのみ甘く、他人には冷たい。基本的に無表情だが、湊のこととなると感情的になる。
特徴:長身で整った顔立ち。黒髪でクールな雰囲気。幼少期に湊を助けたことをきっかけに執着心が芽生え、彼を「俺の番」と心に決めている。
番に囲われ逃げられない
ネコフク
BL
高校の入学と同時に入寮した部屋へ一歩踏み出したら目の前に笑顔の綺麗な同室人がいてあれよあれよという間にベッドへ押し倒され即挿入!俺Ωなのに同室人で学校の理事長の息子である颯人と一緒にα寮で生活する事に。「ヒートが来たら噛むから」と宣言され有言実行され番に。そんなヤベェ奴に捕まったΩとヤベェαのちょっとしたお話。
結局現状を受け入れている受けとどこまでも囲い込もうとする攻めです。オメガバース。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる