告白してきたヤツを寝取られたらイケメンαが本気で囲ってきて逃げられない

ネコフク

文字の大きさ
17 / 70

もはや駄菓子屋ではない

しおりを挟む
 こんにちは、食堂で飯坂と根本に突撃を受けた日に「帰ったらチュー」を何とか逃げおおせた三波瀬名です。

 あれから1週間、何事も無く過ごしていました。
 まあ、事件なんてそうそう起きるわけではないからね。

 だ・が!

 事件じゃないけどマンションのエントランスから2階を見上げるとあら不思議、なーんか実家の近くにあった見覚えのあるお店が増えているではありませんか。(ババーン!!)

 初めてマンションに足を踏み入れた時に何で一区角空いてるんだろうなー、とは思ってたけど業者が作業をし始めて日が経つにつれ、見覚えがある感じになってきて嫌な予感が確信に変わった時、

 開店しました!







 駄菓子屋が!

 こんな高級マンションに駄菓子屋なんて正気か?

 絶対採算度外視だろ。てか、実家の近くから移転したの?

 よく分からない人に説明しよう。
 俺の実家の病院の近くに駄菓子屋がある。そこは駄菓子も売っているが、スーパーやコンビニで売っているお菓子までも置いている充実っぷり。
 不思議だなーと思っていたら、ついこの前伊月さんから母方の家が俺に会う為に作った店だと判明。どうりでお菓子を買う時はスーパーじゃなくてそこに連れて行かれたワケだ。あとなんていうか、うん。ちょっとおかしいなとは思ってたんだけど納得。

 なので伊月さんに渡りをつけてもらって開店前の駄菓子屋に今から突撃しまっす!もちろんこのマンションのオーナーである伊月さんも一緒さ。

「こんにちは~じいちゃん正気か~?」

「久しぶりなのに第一声が酷い!!」

 店の扉を開けると既にじいちゃんが数人と待ち構えていた。小さい頃から変わらず背筋をピンとさせ、白い顎髭を蓄えた優しそうな面立ち。まさかこの人がひいじいちゃんだったとは。

「酷いよ瀬名たーん!じいちゃんはそんな子に育てた覚えはありません!」

「育ててもらってねぇし」

「あーん、瀬名たんが冷たい!反抗期⁉反抗期なの⁉」

 この会話でお分かり頂けるだろう。じいちゃん、客の俺に毎回こんな態度だったんだぜ。当時誰も何も言わないから当たり前だと思ってたけど、今考えるとおかしいよな。

「それで今日はどうしたのかな?じいちゃん瀬名たんの質問に答えちゃうぞ~」

 えいえいおーのポーズでにこやかに言ってるこの人、本当に鷹司家の前当主なんだよな?マジで?

「何でここに駄菓子屋が」

「もちろん瀬名たんの為にオープンしたんだよ!ほら、瀬名たんの好きなお菓子もあるよー」

 食い気味!しかも当たり前でしょ的な顔してるよ。後ろに控えてる人達も頷かないで。

 店内を見渡すと、子供が手に取れる範囲の下の段には駄菓子が置いてあり、中段にはスーパーやコンビニに置いてある定番のお菓子、上段にはマンションの住人を意識してかやや値が張るお菓子が置いてある。

「ほら、ここは瀬名たんの好きなお菓子を纏めてあるよ~」

 うん、気づいてた。レジ脇にデカデカと「オススメ」と書かれたコーナーに俺の好きなざくざくパンダやガレット、きなっこ餅が鎮座しているからな。でもケーキが置いてあるショーケースの上に置かなくてもいいんじゃないか?お客さん戸惑っちゃうよ?

 そしてケーキ!何故ここに俺の好きな店のケーキが置いてある⁉

「何でここにカズマアサミのケーキがあんの?」

「それは伊月くんがオーナーだからでっす!」

「ええっ!?」

 なんと俺が足繁く通うケーキ屋パティスリーカズマアサミはオーナーシェフの浅見和馬さんと伊月さんの共同経営の店らしい。伊月さん曰く「浅見氏は経営が壊滅的に下手くそ」なんだと。そういえば店が有名になったのはここ5年かもしれない。その頃から伊月さんが手腕を奮っていたとしたらかなりのやり手だ。

「ケーキ置いてるとか……もはや駄菓子屋じゃねぇ」

「それは瀬名たんの好きなお菓子を置いたらそうなっちゃったんだよ~」

 あん?何か?俺のせいなのか?俺が好きなら何でも置くのか?じゃあ激辛のお菓子ばかり好きになってやろうか⁉

「そもそも実家あっちの駄菓子屋はどうしたんだよ」

「あっちは息子にやらせてるから大丈夫」

 息子って当主に何やらせてんの⁉( ー`дー´)キリッとサムズアップしたっておかしいからな⁉

「あいつ美夜たんに会えるって喜んでたから大丈夫」

 だから( ー`дー´)キリッはいいから。

「鷹司家の前当主と現当主が何やってんの……」

「おっ、伊月くんから聞いたかね?そうだよ~じいちゃんが瀬名たんのひいじいちゃんだよ~」

 いや、今更キリリッとしたって声が間延びしてるから迫力無いからな。

「……おかしい。母さんはクールなのにじいちゃん達がこんなんだ」

「んー……多分瀬名と美夜さんにだけだと思うよ。いつも厳しいのにデレデレしてるから僕困惑してる」

 隣にいる伊月さんを見ると苦笑している。店に入ってから口数が少ないと思ったらそういう事か。なるほどと思っていたら入り口の扉が勢いよく開く。

「爺さん瀬名たんが来てるって⁉」

 見ると髪を少し乱しスリーピースのスーツを着た壮年の男性がいた。

「あっ、オジさん」

「はいっ!瀬名たんの伯父さんでっす!」

 ジ◯ジョばりの立ちポーズを決めているオジさんは実家の近くにある駄菓子屋でたまに店番をしていた人。俺の伯父だったかー。

 鷹司家ってこんなのしかいないのかなとちょっと遠い目になる俺。

「瀬名たんが番う人を連れて来るって聞いたから来ちゃったよ」

「え゙」

 驚いて伊月さんを見るとにっこりされた。いやにっこりはいいから。

「いやー瀬名たんの番が花ノ宮の嫡男なら安心じゃわい」

 え、じいちゃん急にお爺さん言葉使い始めてどうした⁉

「ええ、伊月くんは相当やり手ですし7年間瀬名たん一筋ですからね」

 真面目な顔して瀬名たん言うのやめい。

「だから鷹司本家は伊月くんと番うの全プッシュで応援するよ☆」

 バチコーンとウインクしながらサムズアップはやめてくれ。




 ダメだ、こっちの堀も埋まってやがる。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

一軍男子と兄弟になりました

しょうがやき
BL
親の再婚で一軍男子と兄弟になった、平凡男子の話。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

最強βの俺が偽装Ωになったら、フェロモン無効なのに狂犬王子に求愛されました~前世武道家なので物理で分からせます~

水凪しおん
BL
前世は日本の武道家、今世は平民β(ベータ)のルッツ。 「Ωだって強い」ことを証明するため、性別を偽り「Ω」として騎士団へ入団した彼は、その卓越した身体能力と前世の武術で周囲を圧倒する。 しかし、その強さと堂々とした態度が仇となり、最強のα(アルファ)である第一王子・イグニスの目に止まってしまった! 「お前こそ俺の運命の番だ」 βだからフェロモンなんて効かないのに、なぜかイグニスの熱烈な求愛(物理)攻撃を受ける日々に突入!? 勘違いから始まる、武闘派β×最強王子のドタバタ王宮BLファンタジー!

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!

華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

処理中です...