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番外編 鷹司家の人々③
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分かり易い語尾の美也突っ込む百夢。既にダルそうに胡座をかいているが着物なんだからやめなさい。
「おいそこの女」
「なによ」
「お前さっきおにぃを睨んでたよな」
気だるそうに髪をかき揚げ話す百夢に3人が頬を赤らめる。ブラコンだけど、見た目はちょっと危険な雰囲気の色香を出すワイルドイケメンだからな。ブラコンだけど。
「べ……別に睨んでないわよ」
「いーや、睨んでたね。俺がおにぃの事間違えるワケないからな」
はい、ブラコン発言。そして抱きついてくそーα臭えとか言うな。ほらすぐ伊月さんに剥がされるんだから。伊月さんは伊月さんでちょっと拗ねながら肩を抱いてすりすりするし。百夢、威嚇するんじゃありません!
「ハハハッ、ほら見たことか。αの溺愛舐めんじゃねぇって言ったろ」
「なっ……!」
可笑しそうに美也が美優に言うと、顔を真っ赤にして左手を握り膝立ちになる。ほうほう、その反応からいってどこかで伊月さんを見て惚れたと。そして婚約者の俺が憎いと。……察し。
「違うわよ!」
「違わないだろ。あんだけ浮かれてたのにー」
「ホントガサツ女がしおらしくしててキモッ」
「翼!あんたねぇ!」
初めて口を開いたと思ったら辛辣なのね翼クン。美優ちゃん涙目になってるぞ。
「もう婚約者もいるんだし諦めなー。そもそも鷹司は親戚同士の結婚認めてないんだからさー」
「は?」「うん?」「やっぱり」
同時に声が出たけど順番は百夢、俺、伊月さんね。聞き間違いかな?今「親戚同士」って聞こえたんだけど。
「あれ?ポカンとしてるけど……もしかして美優の好きな人、伊月さんと勘違いしてた?」
「美優ねぇの好きな人瀬名さんだよ」
「%@$∞✽#%=!!」
パタリ
「美優ちゃん⁉ぐぇっ!」
え?え?伊月さんじゃなくてまさかの俺⁉歩いていれば誰もが頬を染め振り返る頭からつま先までキラキライケメンオーラを纏う伊月さんではなく?
強く抱く腕の中から見ると、美優ちゃんが限界がきたのか畳に突っ伏してぷるぷるしている。アップにしている髪から出ている耳や首が真っ赤だ。え?本当に俺?でもさ、
「俺、従兄弟のみんなとは初めましてだと思うんだけど」
俺が知っている鷹司の人達は駄菓子屋で会っていたひいじいちゃんや当主のじいちゃん、伯父さん達だけなんだよな。こんだけ顔が良い従兄弟達ならもし駄菓子屋や他の場所で会ってたら覚えているはずなんだけど……
「初めましてで間違いないよ。俺達が知ってるのは写真で見てたからだしNA☆」
「そうそう、ひいお祖父様達が持ってた盗撮まがいの写真ね」
パクパク寿司を食べながら翼がとんでもない事を言う。
まーじーかー!こっそり撮られてたなんて今まで気づかなかった!20歳まで気づかないなんてどんだけ鈍感なんだよ俺。
「鷹司家とは気が合いそうだ」
はい?何か伊月さんから聞き捨てられないのが聞こえたんですけど?気が合うって盗撮の事でしょうかね?
「本家にはねー、美夜さんと瀬名さんのコレクションアルバムが20冊ずつあるんDAZE☆」
「「瀬名(おにぃ)の見せてもらっても?」」
「OK~☆」
ちょっと伊月さんと百夢、真面目な顔して要求しないでくれ!
「ちなみに百夢のは?」
「ん~1冊かな?」
「少なっ!」
「だってさー、百夢瀬名さんの写真に大体写ってるんだよー」
ま、そうか。兄弟だから写ってるか。
「いや、異常なくらいくっついて写ってるからね」
「兄弟なんてそんなモンだろ」
「いやいやいやいや、兄弟の距離じゃないんDAZE!」
「お前マジキモイ」
「あ゙ん!?」
こらこら、中学生にメンチ切らない。翼クンは百夢と睨み合っても寿司は食べるのね。なんか父さんみたいだ。
伊月さんはというと持ってきて貰ったアルバムを熱心に見て何かブツブツ言っている。
「これはなかなか……ぷくぷくほっぺの瀬名可愛い♡ちょっ、こんな可愛いピンクの乳首を晒して!むしゃぶりつきたい!でも幼稚園児は犯罪か……ふあっ、寝顔の写真!焼き回して貰えないだろうか。バナナを口に入れる瞬間とかこれは人に見せてはダメだ、回収して僕のコレクションに入れないと!」
うん、聞かなかった事にしようか。
ーーーーーーーーーー
この作品は第11回BL小説大賞にエントリーしていますので良かったら投票宜しくお願いします。
「おいそこの女」
「なによ」
「お前さっきおにぃを睨んでたよな」
気だるそうに髪をかき揚げ話す百夢に3人が頬を赤らめる。ブラコンだけど、見た目はちょっと危険な雰囲気の色香を出すワイルドイケメンだからな。ブラコンだけど。
「べ……別に睨んでないわよ」
「いーや、睨んでたね。俺がおにぃの事間違えるワケないからな」
はい、ブラコン発言。そして抱きついてくそーα臭えとか言うな。ほらすぐ伊月さんに剥がされるんだから。伊月さんは伊月さんでちょっと拗ねながら肩を抱いてすりすりするし。百夢、威嚇するんじゃありません!
「ハハハッ、ほら見たことか。αの溺愛舐めんじゃねぇって言ったろ」
「なっ……!」
可笑しそうに美也が美優に言うと、顔を真っ赤にして左手を握り膝立ちになる。ほうほう、その反応からいってどこかで伊月さんを見て惚れたと。そして婚約者の俺が憎いと。……察し。
「違うわよ!」
「違わないだろ。あんだけ浮かれてたのにー」
「ホントガサツ女がしおらしくしててキモッ」
「翼!あんたねぇ!」
初めて口を開いたと思ったら辛辣なのね翼クン。美優ちゃん涙目になってるぞ。
「もう婚約者もいるんだし諦めなー。そもそも鷹司は親戚同士の結婚認めてないんだからさー」
「は?」「うん?」「やっぱり」
同時に声が出たけど順番は百夢、俺、伊月さんね。聞き間違いかな?今「親戚同士」って聞こえたんだけど。
「あれ?ポカンとしてるけど……もしかして美優の好きな人、伊月さんと勘違いしてた?」
「美優ねぇの好きな人瀬名さんだよ」
「%@$∞✽#%=!!」
パタリ
「美優ちゃん⁉ぐぇっ!」
え?え?伊月さんじゃなくてまさかの俺⁉歩いていれば誰もが頬を染め振り返る頭からつま先までキラキライケメンオーラを纏う伊月さんではなく?
強く抱く腕の中から見ると、美優ちゃんが限界がきたのか畳に突っ伏してぷるぷるしている。アップにしている髪から出ている耳や首が真っ赤だ。え?本当に俺?でもさ、
「俺、従兄弟のみんなとは初めましてだと思うんだけど」
俺が知っている鷹司の人達は駄菓子屋で会っていたひいじいちゃんや当主のじいちゃん、伯父さん達だけなんだよな。こんだけ顔が良い従兄弟達ならもし駄菓子屋や他の場所で会ってたら覚えているはずなんだけど……
「初めましてで間違いないよ。俺達が知ってるのは写真で見てたからだしNA☆」
「そうそう、ひいお祖父様達が持ってた盗撮まがいの写真ね」
パクパク寿司を食べながら翼がとんでもない事を言う。
まーじーかー!こっそり撮られてたなんて今まで気づかなかった!20歳まで気づかないなんてどんだけ鈍感なんだよ俺。
「鷹司家とは気が合いそうだ」
はい?何か伊月さんから聞き捨てられないのが聞こえたんですけど?気が合うって盗撮の事でしょうかね?
「本家にはねー、美夜さんと瀬名さんのコレクションアルバムが20冊ずつあるんDAZE☆」
「「瀬名(おにぃ)の見せてもらっても?」」
「OK~☆」
ちょっと伊月さんと百夢、真面目な顔して要求しないでくれ!
「ちなみに百夢のは?」
「ん~1冊かな?」
「少なっ!」
「だってさー、百夢瀬名さんの写真に大体写ってるんだよー」
ま、そうか。兄弟だから写ってるか。
「いや、異常なくらいくっついて写ってるからね」
「兄弟なんてそんなモンだろ」
「いやいやいやいや、兄弟の距離じゃないんDAZE!」
「お前マジキモイ」
「あ゙ん!?」
こらこら、中学生にメンチ切らない。翼クンは百夢と睨み合っても寿司は食べるのね。なんか父さんみたいだ。
伊月さんはというと持ってきて貰ったアルバムを熱心に見て何かブツブツ言っている。
「これはなかなか……ぷくぷくほっぺの瀬名可愛い♡ちょっ、こんな可愛いピンクの乳首を晒して!むしゃぶりつきたい!でも幼稚園児は犯罪か……ふあっ、寝顔の写真!焼き回して貰えないだろうか。バナナを口に入れる瞬間とかこれは人に見せてはダメだ、回収して僕のコレクションに入れないと!」
うん、聞かなかった事にしようか。
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