告白してきたヤツを寝取られたらイケメンαが本気で囲ってきて逃げられない

ネコフク

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番外編 クリスマス⑤

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「おーし、そろそろ行くか」

 背伸びをしながら良規さんが言うけど今は17時、パーティーまでまだ2時間ある。

「ちょっと早くない?」

「イルミネーション見ながら行けばいいだろ」

 いや簡単に言うけどSP連れてこの人数でぞろぞろ歩いたら周りに迷惑だろ。

「ねえ、それだったらネクタイ買いたいから店に行きたいんだけど」

 ゲームをやめてテーブルまで来た有理と椿にお願いされる。そういえばお揃いのネクタイクリーニングに出したんだっけ。

「じゃあ店に行こうか。イルミネーションは車から見よう」

「ちぇっ、しゃーないデートで行くか」

「デート……」

 おっと、良規さんのデート発言に神楽が赤くなってる。本当いつまでも乙女だな。

「いつもの店でいいかい?」

「「うん!」」

 スマホを取り出し電話をかける伊月さん。店に連絡してネクタイを用意させるんだろうなぁ。まあ大人数で見回るのは迷惑だし仕方ないよな。

 コートやマフラーを着けて大藤さん夫婦に見送られ、ホテルからほど近い店に到着すると、オーナーが待っていて丁寧に挨拶をされるとそのまま奥のVIPルームに通される。ぞろぞろと店内を横切ると、お客さん達にガン見されてしまった。やたらと顔面偏差値が高い集団だし気になるよな。お客さんが店員に「彼らはスターなのかい?」とヒソヒソ話しているが、一般人ですぞ。

 VIPルームに着くと、店のネクタイ全部集めたと分かるくらい大量のネクタイがかけられていて、何故かバレッタなどのヘアアクセサリーが並べられていた。伊月さん的に男子組がネクタイを買うなら女子組にも買ってあげないとフェアではないらしい。まあネクタイ選んでいる間ヒマだろうし桜花と麗羅も喜ぶしいいか。

 という考えを速攻後悔する俺。

「ぐぬぬぬ……」

「瀬名どうしたの?」

 不思議そうに見てくる伊月さんは気づいていない。ヘアアクセサリーを見るのは全然いいのだが、いかんせんお子様が着けるような値段ではないのだ。

「ゼロがいっこ多い」

 ゼロが1つを侮るなかれ。ここは日本ではない。通貨はドルだ。安くても数百ドル、これでは歩く身代金になってしまう。

「何言ってんだ?そもそもお前、数十万のスーツ着てんじゃねーか。桜花だって十万以上の服着て今更だろ」

「分かってるけど……このちっこいのが日本円で八万とか!庶民生まれからしたら「はあ⁉」なんだけど!」

 そう熱弁するもハイソ生まれな3人からは共感を得れず。首を傾げられるだけだった。ガッデム!

 諦めて値段を見ないように見守るのに徹していると桜花と麗羅はお揃いのブローチにしていた。桃紫の蝶をモチーフにしたそれを早速服に着けてもらいきゃっきゃしている。無邪気さが可愛いわ。その光景に親が全員ほんわかしちゃったよ。値段は……う◯い棒やキャベツ◯郎が死ぬほど食える額とだけ言っておこう。

 さて、諸君。「女は買い物が長い」と最初に言い始めた奴、出でこい!
 男も買い物長ぇんだよ!特にうちの子!1時間かけてネクタイ一本選ぶなよ!「これいいね」「いやこっちの方が似合うよ」「やっぱりこっちの方が……」あー、もう女子か!

「母さんこれにする」

「ハイハイ」

「スーツに合う?」

「アウヨー」

「派手じゃない?」

「ハデジャナイヨー」

「……心がこもってない」

 当たり前だ。桜花達なんてものの10分で決めてるんだ。お前達が時間かけすぎるから、ヒマすぎて伊月さんが俺に時計をプレゼントするって言い始めて選んじゃったんだぞ!それがまたセンスが良くて結局購入しちゃったんだからな!恐ろしくて値段見れなかったわ!

 まあ神楽も道連れにしてやったがな!





 時間はかかったがネクタイも購入しその場で着け会場へ向かうと、ちょうどいい時間になっていた。

 会場は中世の建物を少し近代的にしたような白い大きな屋敷で、建物や庭をライトアップしている。
 今回のクリスマスパーティーは今住んでいるエリアの上位αの集まりで、参加するαはもちろん上位と希少種のみで、その家族も参加して行われる以外にアットホームなパーティーだ。

 車を降り、中へ入ると5mはありそうなクリスマスツリーに出迎えられる。天井には目を細めて見ないといけないくらいキラキラとシャンデリアが光を放っており、「シャンデリアが落ちて下敷きになったりする推理小説や漫画があったなぁ」と思ったのは俺だけではないハズ。

 落ちてきたらひとたまりもないシャンデリアをちょっと避けながらホールを歩いていると見知った家族に出会う。

『イツキ!ヨシキ!』

ウェイ蘭華ランファ

 まだ20代後半のα夫婦、リーウェイ蘭華ランファが1歳になったばかりの双子を抱きながらにこやかに話しかけてきた。

『ハッピーホリデイズ』

『ハッピーホリデイズ』

 挨拶を交わし久々の再会を喜ぶ。李夫婦とは5年ほどの付き合いで、夫婦共同経営で大手出版会社を経営している。見た目は2人共背も低く、Ωと間違えられる容姿をしているがれっきとした上位αである。

『そうそう、イツキあの女捕まえたって?』

『まあね』

 情報早っと思ったら伊月さんが捕まえたとメールを送っていたらしく、今日来ているαはほぼ全員知っているそうだ。

『情報通りΩの男女を連れて来てたよ。強制発情ヒート薬を使ってたのか徐々に匂いがキツくなってたね』

『うわ~エッグいな』

 ああ、あれは薬で発情期ヒートにしてたのか。だから2人一気に発情香を出してたのか。

『それも予測済だったから、部屋にバース性専用の空気清浄機や換気をしてたし、僕以外βで揃えてβ用の抑制剤飲ませていたから大丈夫だったよ』

『イツキは大丈夫だったのか?』

『大丈夫じゃなかったけど強い抑制剤飲んでたから殆ど効かなかったよ』

 それにその後つまに助けてもらったからね、と意味深な事を言わないでほしい。神楽まで思い出して赤面してるから!

『拘束してからそのまま外に出すわけにいかないから、連れて行った医師に診せてΩには鎮静剤を打って大人しくしてもらったぜ』

 どうやら良規さんが部屋に連れて入って来た白衣の人は、バース性の医師だったらしい。気になってたんだよな、見ず知らずの白衣の人がいたから。納得だ。

『あれ?イツキとヨシキは医師免許持ってるんじゃないのか?』

『あー、俺達産科専門だし嫁しか診ないから』

『執着強っ』

 おーい、事実だがおかしな事が混じってるぞ。神楽が増々赤くなってるし。

『そっ……それより会場に入ろうよ。ここじゃあゆっくり話せないだろ』

『そうだね』

 神楽が羞恥死ぬ前に話を逸らし会場に促す。これ以上は子供達に聞かせられない話をする予感しかないからな。

 会場に入る前にクローク係にコートを預け入ると、そこは外だった。うん、俺間違った事言ってないからな。

 そして思った。

「金かけすぎじゃね?」



ーーーーーーーーーー

第11回BL小説大賞で作品に投票してくださった方、ありがとうございますm(_ _)m
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