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新たな人生
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正直に言ってもいいだろうか‥‥
我が儘を言ってもいいだろうか‥‥
「私は‥‥ヴィル様の妻となり生きていきたいのです。聖女様お願いです。私も心からヴィル様を愛しているのです。どうか人の世界に戻してください」
「アリアン‥‥あなた」
「どんな事があろうとも、私も離れたくないのです!」
「アリアン‥」
『聖女様!』『ルリア!』
聖女はくるりと向きを変え、足取り重く歩くと、椅子に腰掛けた
「はぁ‥‥。やっと天に帰る時だと思ったのに、あなた達ときたらまだ私に執着するのね‥‥」
『愛しているのです。あなたを誰よりも深く』
「ふぅ‥‥‥私もあなた達五人を愛しているのよ‥‥負けたわ‥‥」
『聖女様‼︎』『ルリア‼︎』
五人はルリアースレイサーに駆け寄り抱き締めた
私は幸せそうな彼らの姿を見ていた
その姿がヴィル様を思い出させた‥
ルドルフ様を思い出させた‥
嬉しそうな笑顔が恋しくなった
聖女様は、抱き付く五人をかき分けるように私を見ると
「アリアン!幸せになりなさい!」
そう言って笑った
その瞬間、私は見覚えのある金色の光に包まれた
この光は‥‥
瞼が重い‥‥
何だか体に違和感を覚える
先程まで体がふわふわと軽かったような‥‥何でだろう‥‥
「ん‥‥?」
眩しい
重い瞼を無理やり開けてみる
「アリー‼︎」
「アリアン‼︎」
突然大声で名を呼ばれる
何度も瞬きを繰り返すと、憔悴しきったヴィル様とルドルフ様の顔が目の前に見えた
「ヴィル様、ルドルフ様、会いたかったです」
何故か私の口からは、素直にそんな言葉が出た
二人の目からは、ポタポタと音がしそうな程に涙が溢れ出ていた
「またご心配をお掛けしてしまったのですね。私は大丈夫ですから」
そう言って笑ってみせた
その後は、抱き付いて離れないヴィル様とルドルフ様を、キーラ様が焦って引き離そうとする懐かしい光景を見ることになったのである
私が目を覚ましたことで、皆が部屋に集まって来ていた
サアラは、心労で倒れてしまい、離宮で療養しているそうだ
サアラには、本当に申し訳ない気持ちになる‥
ヴィル様の専属侍医から、軽い診察を受けると、
「もう大丈夫です。目を覚ましてくださって本当に良かったです」
と太鼓判を押された
長い夢を見ていたような気がするけれど、夢の内容は忘れてしまった‥‥
父とラリー伯父様が、頭を撫で手を握り締めてくれた
「アリアン、辛い思いばかりさせてすまなかった。父を許してくれ。
母を救えなかった事も私の責任だ。マリアにも辛い思いをさせた‥」
「お父様。その様にご自分を責めるのはもうお止めください。私はとても幸せですよ。それにお母様も、お父様と過ごした日々を幸せに思っている筈です。後悔などひとつも無いと私には解ります」
父は手で目を覆った‥
「アリー。目を覚ましてくれて本当に良かった。サマフォート家当主として、君とマリアを守りきれなかったことを許して欲しい」
「いいえ。ラリー伯父様は、いつも私と母を守ってくださいましたわ。母を愛してくださったラリー伯父様を、母も同じ様に深く愛していたと思います。私には解ります」
ラリーの目からは一筋の涙が流れ落ちた
「女性は気が多い生き物ですから」
そう言って私が微笑むと、部屋に居た全員が固まっている
何か悪い事を言ったかしら?
慌てて私のベッドに駆け寄るヴィル様は
「アリー!何てことを言うんだ!これ以上アリーに惚れる男を増やすな!望みを持たせてどうするつもりだ!」
何の望みだろうか?‥‥
そこはよくわからないが、幸せになってもいいんだという思いが湧き出てくるようだった
新しい人生が今始まるようで、心が満たされる感覚だった
我が儘を言ってもいいだろうか‥‥
「私は‥‥ヴィル様の妻となり生きていきたいのです。聖女様お願いです。私も心からヴィル様を愛しているのです。どうか人の世界に戻してください」
「アリアン‥‥あなた」
「どんな事があろうとも、私も離れたくないのです!」
「アリアン‥」
『聖女様!』『ルリア!』
聖女はくるりと向きを変え、足取り重く歩くと、椅子に腰掛けた
「はぁ‥‥。やっと天に帰る時だと思ったのに、あなた達ときたらまだ私に執着するのね‥‥」
『愛しているのです。あなたを誰よりも深く』
「ふぅ‥‥‥私もあなた達五人を愛しているのよ‥‥負けたわ‥‥」
『聖女様‼︎』『ルリア‼︎』
五人はルリアースレイサーに駆け寄り抱き締めた
私は幸せそうな彼らの姿を見ていた
その姿がヴィル様を思い出させた‥
ルドルフ様を思い出させた‥
嬉しそうな笑顔が恋しくなった
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「アリアン!幸せになりなさい!」
そう言って笑った
その瞬間、私は見覚えのある金色の光に包まれた
この光は‥‥
瞼が重い‥‥
何だか体に違和感を覚える
先程まで体がふわふわと軽かったような‥‥何でだろう‥‥
「ん‥‥?」
眩しい
重い瞼を無理やり開けてみる
「アリー‼︎」
「アリアン‼︎」
突然大声で名を呼ばれる
何度も瞬きを繰り返すと、憔悴しきったヴィル様とルドルフ様の顔が目の前に見えた
「ヴィル様、ルドルフ様、会いたかったです」
何故か私の口からは、素直にそんな言葉が出た
二人の目からは、ポタポタと音がしそうな程に涙が溢れ出ていた
「またご心配をお掛けしてしまったのですね。私は大丈夫ですから」
そう言って笑ってみせた
その後は、抱き付いて離れないヴィル様とルドルフ様を、キーラ様が焦って引き離そうとする懐かしい光景を見ることになったのである
私が目を覚ましたことで、皆が部屋に集まって来ていた
サアラは、心労で倒れてしまい、離宮で療養しているそうだ
サアラには、本当に申し訳ない気持ちになる‥
ヴィル様の専属侍医から、軽い診察を受けると、
「もう大丈夫です。目を覚ましてくださって本当に良かったです」
と太鼓判を押された
長い夢を見ていたような気がするけれど、夢の内容は忘れてしまった‥‥
父とラリー伯父様が、頭を撫で手を握り締めてくれた
「アリアン、辛い思いばかりさせてすまなかった。父を許してくれ。
母を救えなかった事も私の責任だ。マリアにも辛い思いをさせた‥」
「お父様。その様にご自分を責めるのはもうお止めください。私はとても幸せですよ。それにお母様も、お父様と過ごした日々を幸せに思っている筈です。後悔などひとつも無いと私には解ります」
父は手で目を覆った‥
「アリー。目を覚ましてくれて本当に良かった。サマフォート家当主として、君とマリアを守りきれなかったことを許して欲しい」
「いいえ。ラリー伯父様は、いつも私と母を守ってくださいましたわ。母を愛してくださったラリー伯父様を、母も同じ様に深く愛していたと思います。私には解ります」
ラリーの目からは一筋の涙が流れ落ちた
「女性は気が多い生き物ですから」
そう言って私が微笑むと、部屋に居た全員が固まっている
何か悪い事を言ったかしら?
慌てて私のベッドに駆け寄るヴィル様は
「アリー!何てことを言うんだ!これ以上アリーに惚れる男を増やすな!望みを持たせてどうするつもりだ!」
何の望みだろうか?‥‥
そこはよくわからないが、幸せになってもいいんだという思いが湧き出てくるようだった
新しい人生が今始まるようで、心が満たされる感覚だった
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