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噂の婚約者
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翌日、私は手紙を書いていた。
私もよく手紙を出す習慣があった。
「手紙を出しに行くのか?また内緒の親友か?」
兄は揶揄うように声を掛けてきた。
「ええ!大切な親友によ。でも女同士の秘密が詰まっているから、いくらヘンリー兄様でも相手は教えてあげられないわよ」
手紙をひらひらと振ってみせる。
「分かってるさ、ミリディに仲の良い友達がいるだけでも安心だ」
「いるわよ失礼ねぇお兄様ったら!」
ぷんと怒ったふりでそう言い返すととても嬉しそうに笑った。
この家には母がいないぶん、小さい頃から場を明るくする為に努力してきた。
わざとわがままを言ってみたり、大げさに喜んでみたり、子供ながらに父と兄が笑ったり怒ったりしてくれることが嬉しかった。
感情を出して接してくれることが嬉しかった。
私の存在が必要とされているようで、無視されていないようで嬉しかった。
そんな事を私が思っているなんてことは、父も兄も知らないだろうし、知られてはいけない。
「そういえばミリディ、最近は随分とシンプルだな。
アクセサリーは何も着けないのか?
昔はよく出掛ける時には欠かせないと言っていたのに、最近は何も着けないな」
「ええ、最近はシンプルな方が好みで」
「そうか、じゃあ気を付けて行ってこいよ。
暗くなる前には必ず戻れよ」
「もうヘンリー兄様ってお父様みたいね。
同じことを言うんですもの。
私はもう十九よ」
「いくつになっても手のかかる妹に変わりないだろ」
「どうもすみません。手のかかる妹で!」
ペコリと頭を下げると兄はポンポンと頭を叩き、「あまり心配させないでくれよ」と笑った。
モニカを連れ家を出る。
高位の貴族ならば大切な文書を他人の目に触れることなく届ける必要がある為専門の使用人がいるだろう。
けれど我が家は使用人も多い方ではない。
困ったことはないが、ライド様の公爵家と比べたら天と地ほどの差があるだろう。
我が家はあまり贅沢をしない。
父の方針は、自分で考えてできることは自分でやる、最善を尽くすというのが父の考えだ。
あまり人任せにすることをよしとしない。
そんな贅沢を好まない父だが、娘の私にはよくドレスやアクセサリーを新調してくれた。
父いわく、娘の喜ぶ顔を見るのが一番の幸せなんだとか‥‥。親バカな人だ。
街には本当は行きたくない。
けれど手紙は出さねばならないし仕方ない。
目立たないように馬車の中で少し変装をする。
私の事情を全て知っているモニカとは連携が取れている。
平民の間で流行っているレース編みの襟を着け、ピンクの髪が目立たないように茶色のウィッグを被り、その上からすっぽりと帽子を被れば貴族に見えず町娘だ。
商店街で働く平民の娘と同化している。
レース編みの襟は、同じ服でも襟だけ変えれば別の服のように見えることから平民の間ではとても流行っている。
貴族は仕立て屋にオーダーした服を着る為、令嬢達はまずそんな襟は着けていない。
よって私の変装は今までバレたことがない。
目的の手紙を無事に出し、そこで私宛に届いている手紙を受け取る。
家には届けてほしくないからだ。
「モニカ、これをまた渡しておいてちょうだい」
「お嬢様!もうこれ以上は!お嬢様の大切な物が」
「これで最後よ。もう終わりにするから。
これで馬車の手配も頼むわね」
「お嬢様‥‥」
モニカは少し涙目で悲しそうな顔をする。
私よりひとつ年下のモニカは、孤児院に父と訪れた時に親しくなり、優しくて気配りのできるモニカを気に入り、父に頼んで侍女にしてもらった。
モニカは元は男爵家の娘だった。
両親の病死ということだったが、後で知ったのは多額の借金を抱えていたそうだ。
馬車に戻る為歩いていると、先の方が騒がしい。
何かあったのかと野次馬に紛れて覗いてみると、そこには一際目を引く美しい男女が並んで歩いている。
「ほら!ライド様とマゼルダ様よ!!
本当に美男美女でお似合いねぇ」
「あの噂って本当なのかしら?」
「お二人が実は婚約されてるって噂でしょう?」
「最近はよくお二人で話してる姿を皆が見てるもの」
「公表はされてないけれど、内々に決まっているんじゃないかって噂よね!」
「だってお似合いだもの」
「東と西の公爵家が婚約だなんてすごいことになりそうね」
「でもほら、王女様がライド様を気に入っておられるとか」
「そうそう!だからまだ公表できないって聞いたわよ」
四人の令嬢が通り過ぎた二人を見ながら話している。
「そういえば、ほら!三度の破談の令嬢ともライド様はお出掛けされてるとか。
見た人もいるのよ」
「でもそちらはヘンリー様の妹だからでしょう?」
「妹のようなものよね、そもそも破談女じゃライド様と釣り合わないじゃない」
「聞いた話では破談女がライド様に付き纏っているとか」
「まぁ!身の程知らずね」
「図々しい!子爵家でしょう?
マゼルダ様とは天と地よ!」
私さらに帽子を深く被ると足早に立ち去った。
破談女‥‥そんな異名で広がっている。
そのうえ私が付き纏っているだなんて‥‥。
「お嬢様‥‥」
三度も破談になったという事実が全てなんだと思い知らされる。
私に非があるかないかなど関係ない。
人の噂は悪意を帯びて広がっている。
そして改めてライド様には私なんかが心底釣り合わないのだと叩きつけられた気分だ。
マゼルダ様と並ぶ姿はなんて絵になるんだろう。
公爵家同士、誰もが納得する婚約だ。
ライド様の妻になる人は幸せだ。
あんなに優しくて親切で、どんな時も自分より他人を思いやれる人だもの。
一生大切にしてもらえるだろう。
マゼルダ様ならお似合いだわ。
だって彼女は自分の意見をしっかり持ってて、私なんかを助けてくれる人だもの。
ロベールトン家に彼女ほど相応しい人はいないかもしれない。
これで諦めがつく‥‥。
「お嬢様、先程の噂話など気になさらないでください」
心配そうに後ろを付いてくるモニカに、
「ええ、大丈夫よ。全然気にしてないわ」
精一杯平気な笑顔を作る。
「‥‥」
「さぁ、早く帰りましょ」
演技は得意な方だと思う。
ただ幼い頃からずっと側にいてくれるモニカには見透かされているかもしれない。
家に着くと見慣れた馬車。
それは間違いなくロベールトン家のもの。
先程までライド様は王都の街におられたはず。
どういうこと?
御者のチェイズが私を見て軽く帽子を上げて挨拶をする。
家に入るとライド様の従者であるダリル様がおられた。
「お待ちしておりました、ミリディ様。
ライド様からミリディ様をお連れするように仰せつかっております」
「私を?」
「はい、左様です」
先程までマゼルダ様とお二人で歩いている姿を見たばかりだというのに、そこに私を同席させるということかしら‥‥
婚約者がマゼルダ様だと私に告げるつもりだろうか‥‥
‥‥側に置きたい‥‥あのライド様の言葉の意味は何なのだろう。
婚約者がマゼルダ様に決まっているのなら、もう私にかまってもらいたくはない。
そっとしておいてほしい。
これ以上私の心の中を掻き乱されるのはごめんだ。
改めて二人からの報告など必要ない。
本当はずっと‥‥諦めの悪い片想いなのだから。
「申し訳ありませんが体調が優れずに家に戻ってきたものですから、今日は遠慮させていただけませんか?」
私は逃げ道を作ってしまった。
「そうですか‥。ライド様はミリディ様に大切なお話があると仰っておられるのですが」
「大切な話?」
「はい。そう聞いております。
とても大切な話だと」
やはり婚約者が誰か言うつもりなのだろう。
「‥‥ライド様には大変失礼だと重々承知しておりますが、何分体調が優れないものですからお許しください」
頭を下げる私に対して、何とか少しの時間でもと食い下がる従者のダリル様。
「妹は体調不良ですので申し訳ありませんがお引き取りください」
ヘンリー兄様はソファーから立ち上がり私を支えるように肩を抱く。
見上げると少し怒っているようにも見える。
「朝から調子が悪かったのに無理に出掛けたせいで悪化したようです」
兄が強くダリル様に言い切ると、ダリル様も頷くよりほかない。
「そうですか、では、ライド様にはその様にお伝えしておきます。
どうぞお大事になさってください」
ヘンリー兄様の圧に押されダリル様は出て行かれた。
大切な話‥‥。
やはりマゼルダ様が決まっていた婚約者だと私に告げるつもりだったのだろう。
今思えば王女様に招かれた茶会の席で私を庇ってくれたのは、自分が婚約者として決まっている余裕からだったのかもしれない。
王女様や他の令嬢達に責められている私が、見当違いだと知っていたから哀れに思われたのかもしれない。
ライド様にとって、所詮妹、その程度だと知っていたから庇ってくれたのかもしれない。
友人の妹、幼馴染、それ以上ではないと‥‥。
「ミリディ?大丈夫か?」
「ええ、ヘンリー兄様。私本当に具合が悪いの。
もう休むわ」
「ちょうど良い機会だ。
このままライドと会うのは控えた方がいい。お互いの為だ」
私は黙って兄の言葉に頷いた。
私もよく手紙を出す習慣があった。
「手紙を出しに行くのか?また内緒の親友か?」
兄は揶揄うように声を掛けてきた。
「ええ!大切な親友によ。でも女同士の秘密が詰まっているから、いくらヘンリー兄様でも相手は教えてあげられないわよ」
手紙をひらひらと振ってみせる。
「分かってるさ、ミリディに仲の良い友達がいるだけでも安心だ」
「いるわよ失礼ねぇお兄様ったら!」
ぷんと怒ったふりでそう言い返すととても嬉しそうに笑った。
この家には母がいないぶん、小さい頃から場を明るくする為に努力してきた。
わざとわがままを言ってみたり、大げさに喜んでみたり、子供ながらに父と兄が笑ったり怒ったりしてくれることが嬉しかった。
感情を出して接してくれることが嬉しかった。
私の存在が必要とされているようで、無視されていないようで嬉しかった。
そんな事を私が思っているなんてことは、父も兄も知らないだろうし、知られてはいけない。
「そういえばミリディ、最近は随分とシンプルだな。
アクセサリーは何も着けないのか?
昔はよく出掛ける時には欠かせないと言っていたのに、最近は何も着けないな」
「ええ、最近はシンプルな方が好みで」
「そうか、じゃあ気を付けて行ってこいよ。
暗くなる前には必ず戻れよ」
「もうヘンリー兄様ってお父様みたいね。
同じことを言うんですもの。
私はもう十九よ」
「いくつになっても手のかかる妹に変わりないだろ」
「どうもすみません。手のかかる妹で!」
ペコリと頭を下げると兄はポンポンと頭を叩き、「あまり心配させないでくれよ」と笑った。
モニカを連れ家を出る。
高位の貴族ならば大切な文書を他人の目に触れることなく届ける必要がある為専門の使用人がいるだろう。
けれど我が家は使用人も多い方ではない。
困ったことはないが、ライド様の公爵家と比べたら天と地ほどの差があるだろう。
我が家はあまり贅沢をしない。
父の方針は、自分で考えてできることは自分でやる、最善を尽くすというのが父の考えだ。
あまり人任せにすることをよしとしない。
そんな贅沢を好まない父だが、娘の私にはよくドレスやアクセサリーを新調してくれた。
父いわく、娘の喜ぶ顔を見るのが一番の幸せなんだとか‥‥。親バカな人だ。
街には本当は行きたくない。
けれど手紙は出さねばならないし仕方ない。
目立たないように馬車の中で少し変装をする。
私の事情を全て知っているモニカとは連携が取れている。
平民の間で流行っているレース編みの襟を着け、ピンクの髪が目立たないように茶色のウィッグを被り、その上からすっぽりと帽子を被れば貴族に見えず町娘だ。
商店街で働く平民の娘と同化している。
レース編みの襟は、同じ服でも襟だけ変えれば別の服のように見えることから平民の間ではとても流行っている。
貴族は仕立て屋にオーダーした服を着る為、令嬢達はまずそんな襟は着けていない。
よって私の変装は今までバレたことがない。
目的の手紙を無事に出し、そこで私宛に届いている手紙を受け取る。
家には届けてほしくないからだ。
「モニカ、これをまた渡しておいてちょうだい」
「お嬢様!もうこれ以上は!お嬢様の大切な物が」
「これで最後よ。もう終わりにするから。
これで馬車の手配も頼むわね」
「お嬢様‥‥」
モニカは少し涙目で悲しそうな顔をする。
私よりひとつ年下のモニカは、孤児院に父と訪れた時に親しくなり、優しくて気配りのできるモニカを気に入り、父に頼んで侍女にしてもらった。
モニカは元は男爵家の娘だった。
両親の病死ということだったが、後で知ったのは多額の借金を抱えていたそうだ。
馬車に戻る為歩いていると、先の方が騒がしい。
何かあったのかと野次馬に紛れて覗いてみると、そこには一際目を引く美しい男女が並んで歩いている。
「ほら!ライド様とマゼルダ様よ!!
本当に美男美女でお似合いねぇ」
「あの噂って本当なのかしら?」
「お二人が実は婚約されてるって噂でしょう?」
「最近はよくお二人で話してる姿を皆が見てるもの」
「公表はされてないけれど、内々に決まっているんじゃないかって噂よね!」
「だってお似合いだもの」
「東と西の公爵家が婚約だなんてすごいことになりそうね」
「でもほら、王女様がライド様を気に入っておられるとか」
「そうそう!だからまだ公表できないって聞いたわよ」
四人の令嬢が通り過ぎた二人を見ながら話している。
「そういえば、ほら!三度の破談の令嬢ともライド様はお出掛けされてるとか。
見た人もいるのよ」
「でもそちらはヘンリー様の妹だからでしょう?」
「妹のようなものよね、そもそも破談女じゃライド様と釣り合わないじゃない」
「聞いた話では破談女がライド様に付き纏っているとか」
「まぁ!身の程知らずね」
「図々しい!子爵家でしょう?
マゼルダ様とは天と地よ!」
私さらに帽子を深く被ると足早に立ち去った。
破談女‥‥そんな異名で広がっている。
そのうえ私が付き纏っているだなんて‥‥。
「お嬢様‥‥」
三度も破談になったという事実が全てなんだと思い知らされる。
私に非があるかないかなど関係ない。
人の噂は悪意を帯びて広がっている。
そして改めてライド様には私なんかが心底釣り合わないのだと叩きつけられた気分だ。
マゼルダ様と並ぶ姿はなんて絵になるんだろう。
公爵家同士、誰もが納得する婚約だ。
ライド様の妻になる人は幸せだ。
あんなに優しくて親切で、どんな時も自分より他人を思いやれる人だもの。
一生大切にしてもらえるだろう。
マゼルダ様ならお似合いだわ。
だって彼女は自分の意見をしっかり持ってて、私なんかを助けてくれる人だもの。
ロベールトン家に彼女ほど相応しい人はいないかもしれない。
これで諦めがつく‥‥。
「お嬢様、先程の噂話など気になさらないでください」
心配そうに後ろを付いてくるモニカに、
「ええ、大丈夫よ。全然気にしてないわ」
精一杯平気な笑顔を作る。
「‥‥」
「さぁ、早く帰りましょ」
演技は得意な方だと思う。
ただ幼い頃からずっと側にいてくれるモニカには見透かされているかもしれない。
家に着くと見慣れた馬車。
それは間違いなくロベールトン家のもの。
先程までライド様は王都の街におられたはず。
どういうこと?
御者のチェイズが私を見て軽く帽子を上げて挨拶をする。
家に入るとライド様の従者であるダリル様がおられた。
「お待ちしておりました、ミリディ様。
ライド様からミリディ様をお連れするように仰せつかっております」
「私を?」
「はい、左様です」
先程までマゼルダ様とお二人で歩いている姿を見たばかりだというのに、そこに私を同席させるということかしら‥‥
婚約者がマゼルダ様だと私に告げるつもりだろうか‥‥
‥‥側に置きたい‥‥あのライド様の言葉の意味は何なのだろう。
婚約者がマゼルダ様に決まっているのなら、もう私にかまってもらいたくはない。
そっとしておいてほしい。
これ以上私の心の中を掻き乱されるのはごめんだ。
改めて二人からの報告など必要ない。
本当はずっと‥‥諦めの悪い片想いなのだから。
「申し訳ありませんが体調が優れずに家に戻ってきたものですから、今日は遠慮させていただけませんか?」
私は逃げ道を作ってしまった。
「そうですか‥。ライド様はミリディ様に大切なお話があると仰っておられるのですが」
「大切な話?」
「はい。そう聞いております。
とても大切な話だと」
やはり婚約者が誰か言うつもりなのだろう。
「‥‥ライド様には大変失礼だと重々承知しておりますが、何分体調が優れないものですからお許しください」
頭を下げる私に対して、何とか少しの時間でもと食い下がる従者のダリル様。
「妹は体調不良ですので申し訳ありませんがお引き取りください」
ヘンリー兄様はソファーから立ち上がり私を支えるように肩を抱く。
見上げると少し怒っているようにも見える。
「朝から調子が悪かったのに無理に出掛けたせいで悪化したようです」
兄が強くダリル様に言い切ると、ダリル様も頷くよりほかない。
「そうですか、では、ライド様にはその様にお伝えしておきます。
どうぞお大事になさってください」
ヘンリー兄様の圧に押されダリル様は出て行かれた。
大切な話‥‥。
やはりマゼルダ様が決まっていた婚約者だと私に告げるつもりだったのだろう。
今思えば王女様に招かれた茶会の席で私を庇ってくれたのは、自分が婚約者として決まっている余裕からだったのかもしれない。
王女様や他の令嬢達に責められている私が、見当違いだと知っていたから哀れに思われたのかもしれない。
ライド様にとって、所詮妹、その程度だと知っていたから庇ってくれたのかもしれない。
友人の妹、幼馴染、それ以上ではないと‥‥。
「ミリディ?大丈夫か?」
「ええ、ヘンリー兄様。私本当に具合が悪いの。
もう休むわ」
「ちょうど良い機会だ。
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私は黙って兄の言葉に頷いた。
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