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反撃1
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ハーラルのエスコートで階段を下りて行くと、大広間には学園の生徒が揃っている。
その最前列には、誰よりも目立つドレスのアリサが母親と父親と共に並んで立っている。
誰もが私とハーラルを見上げて立ち尽くす。
誰だか分からないのだろう。
私達は踊り場に並んで立つと、ハーラルが声を張る。
「私は第一王子のカルロ・ハーラル・エドレッドである。皆に顔を見せるのは、これが初めてのことだ。今日は同じ学園の仲間である皆に、創立記念の祝いに合わせて私の婚約者を公表したいと思い、この王宮で行うことにした。私の婚約者は、隣にいるイザベラ・ボルヴァンド侯爵令嬢である」
生徒達がざわつく‥‥
「そ‥んな、私が婚約者に選ばれたはずです」
先頭で立っているアリサは、一歩二歩と前へ出た。
「誰がその様なことを言った?」
「わ、私の所に王家の方が来られました!」
「ああ、イザベラがどの様な環境に置かれていたのか王家は調べていた。お前のような嘘つきが居るせいで、イザベラは授業を受けることが出来なくなっていた。随分と演技が上手いと聞いている。大衆演劇にでも出たらどうだ?」
「そんな!酷いです!私はイザベラ様にいつもいじめられて」
ポロポロと涙を流すアリサに、
「そんなに安い涙に騙される人間がいるとはね」
と大きい声を出し、ぐるりと見回した。
「お前の嘘を信じてイザベラを責めたクラスの者達も許すことは出来ない」
また生徒達がざわつき、アリサから離れるように後退りしていく。
「何故私でなくてその女なのですか?」
「身の程を弁えろ!イザベラは私の婚約者だ」
「な、だって!私の方が」
「お前の方が何だ?イザベラに勝るところがあるか?ひとつも無いな」
「ちょっとお待ち下さい!私の娘のアリサの方がイザベラ様よりずっと素直で可愛らしくて王子様にお似合いです!」
「何を根拠に言っている?お前の娘は嘘つきで性根が腐っている。母親のお前に似ているのだろう」
アンナはみるみる青ざめていく。
「言っておくが、イザベラは誰よりも賢く、誰よりも美しく、誰よりも素直で正直だ。王家が求めていた理想の女性だ」
皆がしんと静まりかえる。
「ハーラル、ちょっと!言い過ぎよ。困るわ」
小声で言うと、
「本当だろ?」
‥‥あなたも男爵家の三男と嘘をついていましたけど‥‥
じろりと睨むと楽しそうに笑っている。
あはははは
「その顔も可愛らしいな」
この人やっぱり性格が悪いわよね‥‥
「皆さんも私が第一王子の婚約者に相応しいと言ってくださいました!!」
まだ涙ながらに演技を続ける。
ポロポロと涙はよく出るものだわ‥
確かに弱々しく見え、守ってあげたいと思わせるのだろう。
ハーラルはこれでも騙されないのかしら?‥
「へぇ、私を知らない者が私に相応しいと言うのか?」
ハーラルの一言にその場に居る皆が凍りつくのを感じる。
さすが王太子‥‥笑顔でこの威圧感はすごいわ。
「勝手に私の婚約者などと言いふらし、王家の名誉を汚し、私を侮辱した罪は重い」
「侮辱‥‥」
「そうだろう?私はお前のような頭の中身が入っていないような者は選ばない」
「‥‥」
ハーラルったら、私が言ったこと覚えてるのね‥‥
アリサは何も言えずに立ち尽くす。
隣に立つ父も顔面蒼白だ。
「イザベラに対するボルヴァンド家の所行は許し難い。よって、ボルヴァンド侯爵の爵位を剥奪とする」
「え⁈おっお待ち下さい!!そんな、剥奪などと‥ご冗談を」
「冗談に聞こえるか?」
「ま、ま、待って下さい!爵位を剥奪などとはどういう事ですか⁈」
「そなたに貴族でいる権限を与えない」
「家はどうなるのですか?ボルヴァンド侯爵家の当主は私です!」
「私が当主となりましょう」
「イザベラ!」
「私が侯爵家の当主として爵位を引き継ぎますわ」
「何を言っている!!」
「それは名案だな。イザベラ」
「ええ。使用人達もあなたに付いていく者など一人もいないわ。そちらの頭の中身のない二人を連れて早く出て行って下さい」
「イザベラ‥イザベラ!私はお前の父親だ!そうだろう?私が間違っていた。未亡人に騙されただけだ。今すぐ別れる。私は家を守らねばならない!」
「あなた!」
「お父様!」
「うるさい!お前達と関わったせいで人生が台無しだ!」
三人は人目も気にせず罵り合う。
ハーラルを見ると、「君の好きにしたらいい」と、耳元でそっと言ってくれた。
「では、そうさせていただきます」
ハーラルに軽く頭を下げ、三人を正面に見た。
「人目を憚らず、その様に罵り合い、恥ずかしさも感じないあなた達に、貴族でいる資格などありませんわ。今すぐに三人で我がボルヴァンド侯爵家から出て行きなさい。当主は私です。二度と私に顔を見せないように、王都から三人で出て行って下さい」
「何‥ですって‥ちょっとアンタ!!」
「アンタ偉そうに命令すんじゃないわよ!」
「イザベラ!私は父親だぞ!」
三人はまたも大声をあげる。
「イザベラは王太子妃だ。これ以上無礼な発言をすれば不敬罪で牢へ入れるぞ」
「⁈‥‥」
ハーラルはそっと背を支えてくれる。
私はコクッと頷いた。
「王都を出て三人で自らの愚かな行いを反省して下さい。では、もう二度と会うことはないでしょう。それからあなたの様な人を父親だとは思っておりません。金輪際、私の父であると言うのはやめて下さい」
「イザベラ!おい!」
「素晴らしい采配だ。では、王都追放だな」
ざわざわと会場全体が騒がしくなる。
アリサを見れば下から私を睨み付け鬼の形相だ。
「アリサ。あなたは婚約者ではないわ。殿下は賢い方ですから、あなたの嘘には騙されないのよ。婚約者は私です」
そう言うと、アリサは悔しそうに真っ赤なドレスをギュッと握り締めた。
その最前列には、誰よりも目立つドレスのアリサが母親と父親と共に並んで立っている。
誰もが私とハーラルを見上げて立ち尽くす。
誰だか分からないのだろう。
私達は踊り場に並んで立つと、ハーラルが声を張る。
「私は第一王子のカルロ・ハーラル・エドレッドである。皆に顔を見せるのは、これが初めてのことだ。今日は同じ学園の仲間である皆に、創立記念の祝いに合わせて私の婚約者を公表したいと思い、この王宮で行うことにした。私の婚約者は、隣にいるイザベラ・ボルヴァンド侯爵令嬢である」
生徒達がざわつく‥‥
「そ‥んな、私が婚約者に選ばれたはずです」
先頭で立っているアリサは、一歩二歩と前へ出た。
「誰がその様なことを言った?」
「わ、私の所に王家の方が来られました!」
「ああ、イザベラがどの様な環境に置かれていたのか王家は調べていた。お前のような嘘つきが居るせいで、イザベラは授業を受けることが出来なくなっていた。随分と演技が上手いと聞いている。大衆演劇にでも出たらどうだ?」
「そんな!酷いです!私はイザベラ様にいつもいじめられて」
ポロポロと涙を流すアリサに、
「そんなに安い涙に騙される人間がいるとはね」
と大きい声を出し、ぐるりと見回した。
「お前の嘘を信じてイザベラを責めたクラスの者達も許すことは出来ない」
また生徒達がざわつき、アリサから離れるように後退りしていく。
「何故私でなくてその女なのですか?」
「身の程を弁えろ!イザベラは私の婚約者だ」
「な、だって!私の方が」
「お前の方が何だ?イザベラに勝るところがあるか?ひとつも無いな」
「ちょっとお待ち下さい!私の娘のアリサの方がイザベラ様よりずっと素直で可愛らしくて王子様にお似合いです!」
「何を根拠に言っている?お前の娘は嘘つきで性根が腐っている。母親のお前に似ているのだろう」
アンナはみるみる青ざめていく。
「言っておくが、イザベラは誰よりも賢く、誰よりも美しく、誰よりも素直で正直だ。王家が求めていた理想の女性だ」
皆がしんと静まりかえる。
「ハーラル、ちょっと!言い過ぎよ。困るわ」
小声で言うと、
「本当だろ?」
‥‥あなたも男爵家の三男と嘘をついていましたけど‥‥
じろりと睨むと楽しそうに笑っている。
あはははは
「その顔も可愛らしいな」
この人やっぱり性格が悪いわよね‥‥
「皆さんも私が第一王子の婚約者に相応しいと言ってくださいました!!」
まだ涙ながらに演技を続ける。
ポロポロと涙はよく出るものだわ‥
確かに弱々しく見え、守ってあげたいと思わせるのだろう。
ハーラルはこれでも騙されないのかしら?‥
「へぇ、私を知らない者が私に相応しいと言うのか?」
ハーラルの一言にその場に居る皆が凍りつくのを感じる。
さすが王太子‥‥笑顔でこの威圧感はすごいわ。
「勝手に私の婚約者などと言いふらし、王家の名誉を汚し、私を侮辱した罪は重い」
「侮辱‥‥」
「そうだろう?私はお前のような頭の中身が入っていないような者は選ばない」
「‥‥」
ハーラルったら、私が言ったこと覚えてるのね‥‥
アリサは何も言えずに立ち尽くす。
隣に立つ父も顔面蒼白だ。
「イザベラに対するボルヴァンド家の所行は許し難い。よって、ボルヴァンド侯爵の爵位を剥奪とする」
「え⁈おっお待ち下さい!!そんな、剥奪などと‥ご冗談を」
「冗談に聞こえるか?」
「ま、ま、待って下さい!爵位を剥奪などとはどういう事ですか⁈」
「そなたに貴族でいる権限を与えない」
「家はどうなるのですか?ボルヴァンド侯爵家の当主は私です!」
「私が当主となりましょう」
「イザベラ!」
「私が侯爵家の当主として爵位を引き継ぎますわ」
「何を言っている!!」
「それは名案だな。イザベラ」
「ええ。使用人達もあなたに付いていく者など一人もいないわ。そちらの頭の中身のない二人を連れて早く出て行って下さい」
「イザベラ‥イザベラ!私はお前の父親だ!そうだろう?私が間違っていた。未亡人に騙されただけだ。今すぐ別れる。私は家を守らねばならない!」
「あなた!」
「お父様!」
「うるさい!お前達と関わったせいで人生が台無しだ!」
三人は人目も気にせず罵り合う。
ハーラルを見ると、「君の好きにしたらいい」と、耳元でそっと言ってくれた。
「では、そうさせていただきます」
ハーラルに軽く頭を下げ、三人を正面に見た。
「人目を憚らず、その様に罵り合い、恥ずかしさも感じないあなた達に、貴族でいる資格などありませんわ。今すぐに三人で我がボルヴァンド侯爵家から出て行きなさい。当主は私です。二度と私に顔を見せないように、王都から三人で出て行って下さい」
「何‥ですって‥ちょっとアンタ!!」
「アンタ偉そうに命令すんじゃないわよ!」
「イザベラ!私は父親だぞ!」
三人はまたも大声をあげる。
「イザベラは王太子妃だ。これ以上無礼な発言をすれば不敬罪で牢へ入れるぞ」
「⁈‥‥」
ハーラルはそっと背を支えてくれる。
私はコクッと頷いた。
「王都を出て三人で自らの愚かな行いを反省して下さい。では、もう二度と会うことはないでしょう。それからあなたの様な人を父親だとは思っておりません。金輪際、私の父であると言うのはやめて下さい」
「イザベラ!おい!」
「素晴らしい采配だ。では、王都追放だな」
ざわざわと会場全体が騒がしくなる。
アリサを見れば下から私を睨み付け鬼の形相だ。
「アリサ。あなたは婚約者ではないわ。殿下は賢い方ですから、あなたの嘘には騙されないのよ。婚約者は私です」
そう言うと、アリサは悔しそうに真っ赤なドレスをギュッと握り締めた。
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