女神に頼まれて村作りをしてみた

ひいらぎ

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女神に頼まれて村作りをしてみた

紅葉と月下美人

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秋だ…。木々も紅葉が目立つようになってきた。もうそんな時期なのか…と時の流れを未だ実感できていない。ぼーっと空を眺めているとバンがなにやら呼んでいるのが聞こえた。
「どうしたんだ?」
「いやな?秋だろ?という事でカボチャとさつまいもを育てる事にした!土地は確保してある」
あれだけ耕したんだ…確保できてなかったら逆に凄い。
「とりあえず手伝ってくれ」
「了解」
こっちの世界ではどうやら農作物は植えればできる。って考えで良いらしい。土の良し悪しはその土地の魔力で決まるらしく魔力が高ければ高いほど簡単に育つらしい。因みにここはかなり魔力が高く手入れさえ欠かさなければ豊作間違いなしなんだとか。
「にしても…最近女神様からのお告げが来なくなっちまった。何か知ってるか?」
「いや…何も」
もしかしたらあの手紙が原因かもしれない…けど流石に女神と街をぶらぶらしてたのを気付かれる訳にもいかないので黙ってる事にした。
「リカが来た辺りから何も来ないんだ。でも、リカは確かに女神様を思い出した。繋がりがあるとは思えない」
確かにリカが来た頃からミーアの様子はおかしかった。どこか…不安そうで何かを気にしていた。
「うし。植え終わったぞ。とりあえず俺も少し調べてみるからお前も何か調べてみてくれ。最近明らかにおかしいんだ」
「あ、あぁ。わかった」


「あ、一翔さんおかえりなさい。どちらに行ってたんですか?」
「あぁ、少し畑に行っててな……ん?その髪飾り」
「あ、気付きました?最近紅葉が綺麗なので作ってみたんです」
綺麗な透き通った虹色の石に魔法で小さく固められた葉が2つついた髪飾りだ。 
「よく似合ってるよ」
「えへへ、ありがとうございます。そうだ、これどうぞ」
さっきの虹色の石で作られたブレスレットだ。大きさも丁度良い。
「その、えっと…似合うかなって作ってみたんです。良かったらつけてみてください」
「あぁ、ありがとう。ありがたくつけさせて貰うよ」
「良い天気ですね…。そうだ、ちょっとお昼寝しましょう?」
「今から寝たら夜寝れないぞ?」
「まぁまぁ、たまには良いじゃないですか。ほら一翔さんも一緒に」
「って、ちょ、うわ」
  「おーい、一翔……ってこれはこれは…お楽しみ中だったか。はぁ、アールもまだ帰らないし一人でやるか」


「かーずとさんっ」
「……人の夢にまで出るとは随分なご身分だな」
「そりゃあ勿論!あいあむ女神ですから!」
「で?何の用だ?」
「今日、夜いつもの場所でお待ちしてますね。では」
「……。ほんと女神様は勝手だな」


  「おーいそろそろ起きろ二人とも」
「んん…あと5分…ください」
「はいはい。起きようなー。一翔に関しては返事もないとは何事だ。はやくしねぇと飯が冷めるぞ」
「うぐ、起きます!起きますから!一翔さん!ご飯ができたらしいです!冷めちゃいます!」
「あ、あぁ今行くから…行くからばしばしするのをやめてくれリカ…」
「あ、失礼しました。おはようございます一翔さん」
「あぁ、おはよう。リカ」
「ほら、さっさと行くぞ」
「あぁ。あ、そうだバン。飯食ったらちょっと出掛けるわ」
「ん?どうしたんだ?」
「ちょっとした用事だよ」
「そうか。ほれ、今日はカレーだ」
バンがつくったカレーを食べ、一翔はあの場所へ向かった。


  「へぇ、ここ紅葉と月の光が重なって綺麗だな」
「そうなんです。綺麗でしょ?」
そこには木の下で月光を浴びる女神がいた。月光に照らされた女神はいつもより美しく一翔の目には映った。
「……で、どうしたんだ?こんなとこに呼び出して」
「大した用事じゃないですよ。ただ、こうやって抱き締めたかっただけです」
「ちょ、おま……何をして」
「いきなりごめんね…村も………順調ですね。あと2ヶ月もすれば経済面も安定しそうですし。後は……」
言葉を詰まらせたかのようにミーアは黙りこんだ。何分かしてようやく続きを話始めた。
「後は、見つけて。貴方が見つければそれでおしまい。貴方なら…見つけてくれると信じてるから」
彼女の笑顔はどこか、寂しそうに泣いていた。
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