激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【激闘編】

戸影絵麻

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第9部 倒錯のイグニス

#137 麻衣①

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「杏里が勝った? うそだろ?」
 戻ってくる杏里をひと目見るなり、唖然とした表情で、咲良が言った。
 トモも純もぽかんと口を開けて、杏里のほうを見つめている。
「い、今の、何なの? 美穂ったら、なんだか急に戦意喪失しちゃったように見えたけど?」
「さあ」
 杏里は曖昧な返事を返して、純からバスタオルを受け取った。
 思った以上に楽勝だった。
 さすが性露丸を大量投与しただけのことはある、と思った。
 今の杏里の体液には、濃厚な媚薬成分が含まれているのだ。
 美里の能力をラーニングした時から、すでにその兆候はあった。
 それが、性露丸の作用で、数倍の濃度に跳ね上がっているのだろう。
 まだ1年生で当然処女だと思われる美穂には、劇薬並みの効果だったに違いない。
「とにかく、あんまり無理しないでね。あたしたち、すぐに代われるようにスタンバイしてるから」
 純にタオルを返し、リングのほうをを見る。
 次に上がってきたのは、オラウータンのような体格の朝倉麻衣だった。
「第2試合、紅組、朝倉麻衣。白組、笹原杏里」
 璃子のコールが響いた。
 ロープの間をくぐって、リングに立つ。
 杏里が現れると、観客席が一斉にざわついた。
 欲望をたぎらせるおびただしい視線の矢が、容赦なく全身に突き刺さってくるのがわかる。
 ふと、視界の隅に金色の髪を見た気がして、杏里はこわごわ観客席のほうに目をやった。
 案の定、ルナだった。
 椅子には座らず、壁にもたれて腕組みをし、じっと杏里を見つめ返している。
 胸の底に、うれしいような恥ずかしいような、複雑な思いが沸き上がる。
 ともあれ、ほっとしたのは確かだった。
 たとえ相手チームのメンバーの中に外来種がまぎれこんでいたとしても、ルナが居てくれるなら安心だ。
 私の手で倒せなくても、彼女がなんとかしてくれる…。
「ふたりとも、位置について」
 璃子の指示に従い、リングの中央で向かい合う。
「待ってたよ」
 舌なめずりするような口調で、麻衣が言った。
「ったく、なんてエロい恰好なんだ。杏里ィ、おまえが勝ち進んでくれて、あたしはガチでうれしいよ」
「私語はつつしめ」
 璃子が三白眼で睨みつけるが、麻衣はやめようとしない。
「あの動画を見てからさあ、ずうっとおまえのことが、頭から離れないんだよ。なのに、イベント当日まで、おまえの身体には触れてもいけないって言うしさあ。でも、レスリングの試合なら、やりたい放題だもんな。だからさあ、わかるだろ? くく、この一戦、勝負は勝負として、心ゆくまでじっくり楽しませてもらうことにするよ」
 そう言って、舐めるように、杏里の全身をねめ回す。
 何かに憑かれたような麻衣の表情は、明らかにレイプ魔のそれだった。
 その麻衣のぶしつけな視線を正面から受け止めながら、杏里は両手でユニフォームから飛び出した乳首に刺激を加えている。
 1回戦が終わっていったん引きかけていた防護液が、再び身体中の毛穴からじわじわとにじみ出し始めている。
 美穂は外来種ではなかった。
 では、この麻衣がそうなのだろうか。
 指で乳首を弄り回し、快感を高めながら杏里は思う。
 できればそうであってほしい。
 アニスやふみのような強敵に外来種が憑りついていたとしたら、それこそ目も当てられない。
「あんたなんか…」
 杏里が言い返そうとした瞬間、痺れを切らした璃子がホイッスルを吹き鳴らした。
 それとほとんど同時だった。
 野生の猿のように長い両腕を広げて、麻衣が飛びかかってきた。
 よける暇もなかった。
 左腕と肩をつかまれ、ものすごい勢いでロープに投げ飛ばされた。
 背中からロープに激突し、その反動で飛び出したところに強烈な膝蹴りが襲いかかってきた。
「あうっ!」
 鳩尾に激痛が走り、杏里は麻衣の膝を抱え込むような恰好で身体をくの字に折った。
 体勢を入れ替え、杏里を後ろから羽交い絞めにする麻衣。
 麻衣に引き上げられ、身体が反り返る。
 と、麻衣の両手が腋の下から伸びてきて、背後から杏里の乳房をつかんだ。
「ひひ、いただき!」
 そう叫ぶなり、5本の指を熊手のように曲げ、ユニフォームの上から丸く膨らんだ胸の双丘を貪るように揉みにかかったのだ。





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