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第10部 姦禁のリリス
#7 重人の驚愕
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うとうととまどろみ、何度も寝ては覚め、寝ては覚めを繰り返していた重人だったが…。
ある時、ふと気がつくと、すぐそこに想定外の人物が座っていた。
キャスター付きの椅子に腰を埋め、高々と足を組んでいるのは、榊由羅である。
「ええ? な、なんで?」
重人は跳び起きた。
自分の眼が信じられなかった。
由羅が…死んだはずのあの由羅が、ここにいる…。
「由羅、生きてたの?」
思わず叫ぶと、由羅がむっとした表情になった。
「ああ、生きてるよ。生きてて悪いか」
「あ、いや、そうじゃなくて」
重人は眼鏡をかけ、目と鼻の先の由羅をしげしげと見つめ直した。
幽霊ではなさそうだ。
あのおかしな髪型。
シャドウに縁取られた鋭い眼。
コケティッシュであると同時に、道化師みたいにも見えるメイクである。
由羅は素肌の上にノースリーブの革の胴着を着ている。
スカート丈が超がつくほど短いのに、大胆に足を組んでいるので、椅子との境目のところに白い下着がのぞいていた。
本物だろうか。
まさか、また変異外来種が化けてるなんてことは…。
相手の反応をうかがうように、おそるおそる、重人は言った。
「杏里の話だと、由羅はさ、零に負けて、殺されちゃったって聞いてたから」
「誰が、誰に負けたって?」
由羅が眼を怒らせて、顔をぐっと寄せてきた。
「あん時はな、連戦に次ぐ連戦でちょいと疲れてたんだよ。体調が万全だったらあんな化け物、瞬殺だったんだ」
「そ、そうなの?」
目をしばたたかせているうちに、なんともいえない温かいものが胸の底からこみ上げてきた。
これこそ、間違いなく、由羅だ。
傲慢で怖いもの知らず。
気まぐれだが、とにかく強い。
重人は、トーナメント戦の前、最後に会った時のことを思い出した。
今思えば、あの時の由羅のほうが変だったのだ。
妙にやさしくて、悟ったような顔つきで…・
そう。
まるで、死亡フラグの立ったアニメのキャラみたいだった…。
それに比べると、今目の前にいる由羅は、精気に満ちていた。
病室の空気が帯電したようなこの熱気。
すさまじいエネルギーが、由羅の全身から発散されているらしい。
知り合った頃の、わがまま放題で口の悪い由羅。
そんなわけで、重人は決して彼女と仲がよかったわけではない。
ともに冬美の保護下でひとつ屋根の下に暮らしながら、顔を合わせるたびに喧嘩していた気がする。
それでも、と思う。
この再会はうれしかった。
ここ数ヶ月で、こんなにうれしい気分になれたのは初めてだ。
「そうなのって、見りゃわかるだろ」
右腕を曲げ、力こぶをつくってみせる由羅。
相変わらずだと思う。
威張ってるくせに、この子どもっぽさが可愛いのだ。
「ま、いいんだけどね、君が生きててくれたなら」
懸命にうれしさが顔に出ないようにして、ポーカーフェイスで重人は言った。
「でも、ひとつ忠告しておくよ。由羅さ、パンツ、見えてるんだけど」
「ばーか」
わざとらしく足を組み替えて、由羅が笑った。
動作がひどくゆっくりなので、今度こそ太腿の奥の白い布が丸見えになる。
「わざと見せてやってんだよ。チンポがなくなっても、男ってコーフンするのかどうか、実験してんのさ」
ある時、ふと気がつくと、すぐそこに想定外の人物が座っていた。
キャスター付きの椅子に腰を埋め、高々と足を組んでいるのは、榊由羅である。
「ええ? な、なんで?」
重人は跳び起きた。
自分の眼が信じられなかった。
由羅が…死んだはずのあの由羅が、ここにいる…。
「由羅、生きてたの?」
思わず叫ぶと、由羅がむっとした表情になった。
「ああ、生きてるよ。生きてて悪いか」
「あ、いや、そうじゃなくて」
重人は眼鏡をかけ、目と鼻の先の由羅をしげしげと見つめ直した。
幽霊ではなさそうだ。
あのおかしな髪型。
シャドウに縁取られた鋭い眼。
コケティッシュであると同時に、道化師みたいにも見えるメイクである。
由羅は素肌の上にノースリーブの革の胴着を着ている。
スカート丈が超がつくほど短いのに、大胆に足を組んでいるので、椅子との境目のところに白い下着がのぞいていた。
本物だろうか。
まさか、また変異外来種が化けてるなんてことは…。
相手の反応をうかがうように、おそるおそる、重人は言った。
「杏里の話だと、由羅はさ、零に負けて、殺されちゃったって聞いてたから」
「誰が、誰に負けたって?」
由羅が眼を怒らせて、顔をぐっと寄せてきた。
「あん時はな、連戦に次ぐ連戦でちょいと疲れてたんだよ。体調が万全だったらあんな化け物、瞬殺だったんだ」
「そ、そうなの?」
目をしばたたかせているうちに、なんともいえない温かいものが胸の底からこみ上げてきた。
これこそ、間違いなく、由羅だ。
傲慢で怖いもの知らず。
気まぐれだが、とにかく強い。
重人は、トーナメント戦の前、最後に会った時のことを思い出した。
今思えば、あの時の由羅のほうが変だったのだ。
妙にやさしくて、悟ったような顔つきで…・
そう。
まるで、死亡フラグの立ったアニメのキャラみたいだった…。
それに比べると、今目の前にいる由羅は、精気に満ちていた。
病室の空気が帯電したようなこの熱気。
すさまじいエネルギーが、由羅の全身から発散されているらしい。
知り合った頃の、わがまま放題で口の悪い由羅。
そんなわけで、重人は決して彼女と仲がよかったわけではない。
ともに冬美の保護下でひとつ屋根の下に暮らしながら、顔を合わせるたびに喧嘩していた気がする。
それでも、と思う。
この再会はうれしかった。
ここ数ヶ月で、こんなにうれしい気分になれたのは初めてだ。
「そうなのって、見りゃわかるだろ」
右腕を曲げ、力こぶをつくってみせる由羅。
相変わらずだと思う。
威張ってるくせに、この子どもっぽさが可愛いのだ。
「ま、いいんだけどね、君が生きててくれたなら」
懸命にうれしさが顔に出ないようにして、ポーカーフェイスで重人は言った。
「でも、ひとつ忠告しておくよ。由羅さ、パンツ、見えてるんだけど」
「ばーか」
わざとらしく足を組み替えて、由羅が笑った。
動作がひどくゆっくりなので、今度こそ太腿の奥の白い布が丸見えになる。
「わざと見せてやってんだよ。チンポがなくなっても、男ってコーフンするのかどうか、実験してんのさ」
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