343 / 625
第319話 真夏の災厄(中編)
しおりを挟む
翌日。
学校へ行くと、事態は更に悪化していた。
「おはよ」
挨拶してから、俺はそのことに気づき、危うく卒倒しそうになった。
こっちを向いたクラスメートたち。
その誰もが、鼻の穴や耳の穴から、あのミミズみたいなものを生やしているのだ。
「お、おまえら、そ、それ…」
たじたじとなって後ろに下がろうとすると、背中が何かにぶちあたった。
「なんだ、矢崎、おまえ、まだなのか?」
驚いて振り向いた俺に、担任の青山先生が言った。
見ると、先生の両目の端から、あのミミズが生えてそよ風に吹かれるように身体を揺らしている。
「く、くるな!」
俺はとっさに先生を突き飛ばし、廊下に転がり出た。
わらわらと後を追ってくるクラスメートたち。
それだけではなかった。
廊下を駆ける俺を捕まえようと、他の教室からも生徒や先生たちが溢れ出してくるのだ。
学校が、乗っ取られた!
それしか考えられなかった。
あの奇妙な生き物は、エイリアンか何かなのだろう。
きのうの水飲み場での出来事を思い出す。
たぶん、あれだ。
水が原因に違いない。
やつらはどうにかして、この学校の飲料水に入り込んだのだ。
それを飲んだ人間を、思い通りに操るために。
パラサイト。
寄生生物。
そんな言葉が脳裏に浮かんだ。
校庭に出ると、背後は大変なことになっていた。
学校中の生徒と教師が雪崩を打って、俺を追いかけてくる。
まずい。
このままではいずれ捕まって、俺もやつらの仲間にされてしまうー。
校舎の角を曲がった時だった。
「こっち!」
声がして、誰かが俺の手首をつかみ、ぐいと引っ張った。
焼却炉の後ろに狭い隙間があり、そこに制服姿の女子がうずくまっている。
見たことのない子だった。
ただ、制服からして、うちの学校の生徒であることは間違いない。
「き、君は…?」
誰何すると、
「しっ!」
唇に立てた人差し指を当てて、少女が制した。
「人間で居たいなら、さっさとこの中に入りなよ」
学校へ行くと、事態は更に悪化していた。
「おはよ」
挨拶してから、俺はそのことに気づき、危うく卒倒しそうになった。
こっちを向いたクラスメートたち。
その誰もが、鼻の穴や耳の穴から、あのミミズみたいなものを生やしているのだ。
「お、おまえら、そ、それ…」
たじたじとなって後ろに下がろうとすると、背中が何かにぶちあたった。
「なんだ、矢崎、おまえ、まだなのか?」
驚いて振り向いた俺に、担任の青山先生が言った。
見ると、先生の両目の端から、あのミミズが生えてそよ風に吹かれるように身体を揺らしている。
「く、くるな!」
俺はとっさに先生を突き飛ばし、廊下に転がり出た。
わらわらと後を追ってくるクラスメートたち。
それだけではなかった。
廊下を駆ける俺を捕まえようと、他の教室からも生徒や先生たちが溢れ出してくるのだ。
学校が、乗っ取られた!
それしか考えられなかった。
あの奇妙な生き物は、エイリアンか何かなのだろう。
きのうの水飲み場での出来事を思い出す。
たぶん、あれだ。
水が原因に違いない。
やつらはどうにかして、この学校の飲料水に入り込んだのだ。
それを飲んだ人間を、思い通りに操るために。
パラサイト。
寄生生物。
そんな言葉が脳裏に浮かんだ。
校庭に出ると、背後は大変なことになっていた。
学校中の生徒と教師が雪崩を打って、俺を追いかけてくる。
まずい。
このままではいずれ捕まって、俺もやつらの仲間にされてしまうー。
校舎の角を曲がった時だった。
「こっち!」
声がして、誰かが俺の手首をつかみ、ぐいと引っ張った。
焼却炉の後ろに狭い隙間があり、そこに制服姿の女子がうずくまっている。
見たことのない子だった。
ただ、制服からして、うちの学校の生徒であることは間違いない。
「き、君は…?」
誰何すると、
「しっ!」
唇に立てた人差し指を当てて、少女が制した。
「人間で居たいなら、さっさとこの中に入りなよ」
2
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる