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#436話 妖怪探偵局②
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うちの『悪役令嬢探偵局』はボロい雑居ビルの2階にあり、その裏が月極駐車場になっている。
あたしのハーレーダビッドソンをひと目見るなり、唯は皿のように目を丸くした。
「高校の制服のまま、これに乗るんですか?」
私はセーラー服の夏服と、極度に短いミニひだスカートといったいつものスタイルである。
革のツナギも持ってはいるが、胸囲90?強の胸がきつくてファスナーが上まで上がらないのだ。
「悪いか?」
ハーレーに跨り、後ろに乗るように目で促すと、
「だってパンツ見えちゃいません?」
至極もっともなことを訊いてきた。
「馬鹿だな。パンツは見せるために穿くものだ」
「え? そうなんですか?」
「当たり前だ。いやならズボンを履けばいいだけのことさ。だから、あたしに言わせれば、ミニスカの下にスパッツ穿いたり、ブルマ穿いたりするのは邪道なんだよ」
「さすが悪役令嬢…。パンチラひとつにも哲学があるんですね」
「そうさ。この世のすべては哲学的なんだ」
一般道を時速150キロで爆走するのは、自殺行為である。
だがそれは愚かな民衆についていえることであり、悪役令嬢には当てはまらない。
なぜって悪役令嬢は、いわば万能だからである。
人間より、むしろ神に近いといってもいい。
「オラオラオラオラ! どけどけどけ!」
ミニスカをはためかせ、Gカップのバストを揺すりながら大型バイクを走らせる女子高生ほど無敵なものはない。
だからわずか15分で郊外にある唯の家に到着した。
見たところ、近郊農業を営む典型的な兼業農家である。
地場産業として、キャベツを栽培しているようだ。
が、そのキャベツ畑一面に妙なものが生えていた。
子どものチンコを引き延ばしたような形の、細長いミミズ状の物体である。
「あれがクネクネです」
恐ろしそうに唯が言った。
「任せろ」
あたしは背中に火炎放射器を背負ったまま、畑の中の畦道を歩き出した。
これで一気に殲滅してやる。
そう思ったのだ。
畑一面に生えるチンコ、いや、クネクネは、見たところただ気色悪いだけだった。
しかも、別に攻撃してくることもなく、火炎放射器のひと吹きででことごとく丸焼けになってしまった。
一緒にキャベツも燃えてしまったが、これは仕方ないというべきだろう。
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
謝礼の5,000円を私に差し出しながら、夕食の席で唯が言った。
「悪役さんもひとり暮らしは大変でしょう。どうぞ家族と一緒にお夕食でも」
というので、せっかくだからよばれていくことにしたのである。
だが、長方形のテーブルに並んだ料理はすべて焼きキャベツだった。
いやいや食べていると、中に丸焼けになった芋虫まで入っていた。
最悪にもほどがある。
「いやあ、しかし、あなたが探偵さんとは」
サラリーマン然とした唯の父親が、眼を細めて私を見た。
視線が乳に集中しているように見えるのは、私の気のせいか。
「ハーレイに火炎放射器。JKなのに、すごい装備だね」
「JKである前に、私、悪役令嬢ですから」
焼きキャベツに食傷し、箸を置くと私は答えた。
「悪役令嬢って、唯のはまってるあの乙女ゲ~によく出てくるキャラ?」
「乙女ゲ~?」
私は眉をひそめた。
なんだ、それは?
ゲームといえば、普通、格闘ゲームとレースゲームだろう。
頭を使わなくて済むからだ。
「なんにしても、これからも唯のこと、よろしくお願いしますね」
にこにこ笑いながら、ふくよかな感じの唯の母親が言った。
「悪いことが起こらねば、いいだが…」
横から口を出したのは、農夫姿の祖父である。
「じゃ、また何かあったら」
私は立ち上がった。
スカートが翻り、パンツがチラ見えする。
親父の眼が吸いついてくるのが分かった。
まったく、娘がいるのにしょうがないおっさんだ。
翌日は土曜日だったので、朝から一平が遊びに、いや、仕事にやってきた。
ふたりで将棋を指していると、電話が鳴った。
「唯からだよ」
一平から受話器を受取ると、切羽詰まった唯の声が耳に飛び込んできた。
「大変なんです! またクネクネが生えてきちゃいました。それも、なんだかパワーアップして! 今、ラインで画像送りましたから、スマホ見てください!」
「パワーアップ? どういうことだ?」
スマホを手に取り、唯からの画像を開く。
「げ」
とたんに私は呻いていた。
「どうしたの?」
横から一平が覗きこんできた。
「チンコが、進化している…」
うわ言のように、私はつぶやいた。
あたしのハーレーダビッドソンをひと目見るなり、唯は皿のように目を丸くした。
「高校の制服のまま、これに乗るんですか?」
私はセーラー服の夏服と、極度に短いミニひだスカートといったいつものスタイルである。
革のツナギも持ってはいるが、胸囲90?強の胸がきつくてファスナーが上まで上がらないのだ。
「悪いか?」
ハーレーに跨り、後ろに乗るように目で促すと、
「だってパンツ見えちゃいません?」
至極もっともなことを訊いてきた。
「馬鹿だな。パンツは見せるために穿くものだ」
「え? そうなんですか?」
「当たり前だ。いやならズボンを履けばいいだけのことさ。だから、あたしに言わせれば、ミニスカの下にスパッツ穿いたり、ブルマ穿いたりするのは邪道なんだよ」
「さすが悪役令嬢…。パンチラひとつにも哲学があるんですね」
「そうさ。この世のすべては哲学的なんだ」
一般道を時速150キロで爆走するのは、自殺行為である。
だがそれは愚かな民衆についていえることであり、悪役令嬢には当てはまらない。
なぜって悪役令嬢は、いわば万能だからである。
人間より、むしろ神に近いといってもいい。
「オラオラオラオラ! どけどけどけ!」
ミニスカをはためかせ、Gカップのバストを揺すりながら大型バイクを走らせる女子高生ほど無敵なものはない。
だからわずか15分で郊外にある唯の家に到着した。
見たところ、近郊農業を営む典型的な兼業農家である。
地場産業として、キャベツを栽培しているようだ。
が、そのキャベツ畑一面に妙なものが生えていた。
子どものチンコを引き延ばしたような形の、細長いミミズ状の物体である。
「あれがクネクネです」
恐ろしそうに唯が言った。
「任せろ」
あたしは背中に火炎放射器を背負ったまま、畑の中の畦道を歩き出した。
これで一気に殲滅してやる。
そう思ったのだ。
畑一面に生えるチンコ、いや、クネクネは、見たところただ気色悪いだけだった。
しかも、別に攻撃してくることもなく、火炎放射器のひと吹きででことごとく丸焼けになってしまった。
一緒にキャベツも燃えてしまったが、これは仕方ないというべきだろう。
「ありがとうございます。おかげで助かりました」
謝礼の5,000円を私に差し出しながら、夕食の席で唯が言った。
「悪役さんもひとり暮らしは大変でしょう。どうぞ家族と一緒にお夕食でも」
というので、せっかくだからよばれていくことにしたのである。
だが、長方形のテーブルに並んだ料理はすべて焼きキャベツだった。
いやいや食べていると、中に丸焼けになった芋虫まで入っていた。
最悪にもほどがある。
「いやあ、しかし、あなたが探偵さんとは」
サラリーマン然とした唯の父親が、眼を細めて私を見た。
視線が乳に集中しているように見えるのは、私の気のせいか。
「ハーレイに火炎放射器。JKなのに、すごい装備だね」
「JKである前に、私、悪役令嬢ですから」
焼きキャベツに食傷し、箸を置くと私は答えた。
「悪役令嬢って、唯のはまってるあの乙女ゲ~によく出てくるキャラ?」
「乙女ゲ~?」
私は眉をひそめた。
なんだ、それは?
ゲームといえば、普通、格闘ゲームとレースゲームだろう。
頭を使わなくて済むからだ。
「なんにしても、これからも唯のこと、よろしくお願いしますね」
にこにこ笑いながら、ふくよかな感じの唯の母親が言った。
「悪いことが起こらねば、いいだが…」
横から口を出したのは、農夫姿の祖父である。
「じゃ、また何かあったら」
私は立ち上がった。
スカートが翻り、パンツがチラ見えする。
親父の眼が吸いついてくるのが分かった。
まったく、娘がいるのにしょうがないおっさんだ。
翌日は土曜日だったので、朝から一平が遊びに、いや、仕事にやってきた。
ふたりで将棋を指していると、電話が鳴った。
「唯からだよ」
一平から受話器を受取ると、切羽詰まった唯の声が耳に飛び込んできた。
「大変なんです! またクネクネが生えてきちゃいました。それも、なんだかパワーアップして! 今、ラインで画像送りましたから、スマホ見てください!」
「パワーアップ? どういうことだ?」
スマホを手に取り、唯からの画像を開く。
「げ」
とたんに私は呻いていた。
「どうしたの?」
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うわ言のように、私はつぶやいた。
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