超短くても怖い話【ホラーショートショート集】

戸影絵麻

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第497話 冥府の王㊽

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 僕の敏感な部分が、何か熱く柔らかいものに当たった。
 だが、そこまでだった。
 短すぎて、届かない。
 母が腰をずらした。
 むっちりした太腿が、僕の腰を挟み込んでくる。
 毬のように丸い乳房が胸に押しつけられた。
 なんて柔らかいんだ。
 頭の後ろがじーんと痺れたようになった。
 でも、まだ届かない。
 母の臀部が大きすぎて、僕の挿入を阻んでいるのだ。
 母は明らかにそれが不満なようだった。
 小さくため息を漏らすと、
「ちょっと待ってね」
 そう言って、いったん僕の躰から身を離した。
 どうするのかと思ってそのままでいると、両手で湯船の端につかまり、僕のほうにその発達した尻を突き出してみせた。
 真っ白な洋梨型の尻が、目の前に来た。
 くびれた腰から張り出したそれは、目も眩むほどエロチックで、そして美しかった。
 ふたつの肉の球体の狭間から淡い柔毛が覗き、しずくを滴らせている。
 母が手を伸ばし、指で陰毛を割った。
 ピンクの肉が現れ、誘うように濡れている。
「ここ」
 かすれた声でささやいた。
「後ろからなら、大丈夫。ここに、あなたのそれを…」
 母の指が襞を左右に押し開く。
 その間から、サーモンピンクの”口”が覗いた。
 ひくひくと蠢くそれは、なんだか独立した生き物の一部のように見えた。
「う、うん」
 僕は立ち上がると、背後から母の張り出した尻に手をかけた。
 母が後ろ手で、いきり立つ僕の嫉棒をつかんだ。
 その手に誘導され、僕の分身がゆっくりと襞と襞の境目に飲み込まれていく。
 ぬるりとした感触とともに、亀頭が咥え込まれた。
「あ…んっ」
 母が嬌声を上げ、ぶるっと尻を震わせた。
 ずぶり。
 何重もの肉が僕自身に絡みついてくる。
 イソギンチャクの中に指を突っ込んだ時のような、不思議な感覚だった。
 だが、それよりずっと熱く、吸引力が強い。
 香澄との経験のおかげで、すぐに放つことだけは免れた。
 それに、先端を挿入するのがやっとだったあの時と違い、今回は根元まですっぽりとくわえ込まれている。
「入ってる…」
 母が喘いだ。
「うん…」
 僕はうなずくと、歯を食いしばって快感に耐えながら、おもむろに腰を動かし始めた。



 
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