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第512話 冥府の王(63)
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そこから先は、僕の妄想だったのだろうか。
あるいは、官能に爛れた脳が見せた幻視の光景だったのか…。
ふと我に返ると、不思議なことが起こっていた。
屏風に囲まれた狭い空間の中央で、いつのまにか裸の香澄が空中に浮いていた。
手首に何か黒いロープの様なものが巻きつき、天井からつるされているようなのだ。
そしてさらに奇怪なのは、その身体中をこれもまた真っ黒な触手のようなものが這い回っていることだった。
それは山の中などで見かける蛭の仲間、コウガイヒルに酷似していた。
蛭に似た扁平で柔らかい体を持つそれは、香澄の口の中から生え、肌に粘液の痕跡を残しながら香澄の全身を舐めまわしている。
香澄のかすかな胸の頂で、桜色の乳首だけが異様に大きく、そして硬く尖っていた。
まだ乳房との分化も終わっていないそのつぼみは、先端から透明な液体を滴らせ、胸に濃い陰影を残すほど勃起してしまっている。
「お兄ちゃん…飲んで」
荒い息の中から、香澄が言った。
香澄はインフルエンザにでも罹った時のように真っ赤な顔をし、汗をびっしょりかいている。
濡れた髪が頬の貼りつき、半ば開いた口からは涎を垂らしていた。
香澄の言葉に呼応するかのように、天井から新たな触手が2本下りてきて、その細い足首に巻きついた。
おもむろに両足が引き上げられ、水平に近づくにつれ、じわりじわりと左右に開いていく。
そのあわいに縦長の亀裂が現れた。
亀裂に沿った唇は今やぱっくりと開き、サーモンピンクの綺麗な中身を覗かせている。
香澄が何を言おうとしているのかは、もはや明らかだった。
そのサーモンピンクの肉壁の下部に赤い穴が開き、ぴくぴくと蠢動しながら途切れることなく蜜を溢れさせているのだ。
それが悪魔の所業なのか、あるいは香澄自らの演出なのかはわからなかった。
そもそも僕自身、完全に理性を失ってしまっていたのだ。
「飲んで。香澄のエキスを」
躰を小刻みに震わせながら、香澄が繰り返した。
僕は猛り立ち、腹にくっつかんばかりに反り返った己の分身を狂ったようにしごきながら、そこに口を当てた。
「くう」
香澄がうめき、白い喉をあらわに首をのけぞらせる。
甘く生暖かい液体が、とろりと口の中に流れ込んできた。
それは精液よりはずっとサラサラしていて、喉にも引っかからず、比較的飲みやすかった。
我を忘れて、僕は香澄のもうひとつの唇を口でふさぎ、音を立てて蜜をすすった。
うまかった。
とてもこの世のものとは思えぬほど。
「ネクタル…」
恍惚とした脳裏に、香澄の声が響いた。
「これが、神のお酒…」
あるいは、官能に爛れた脳が見せた幻視の光景だったのか…。
ふと我に返ると、不思議なことが起こっていた。
屏風に囲まれた狭い空間の中央で、いつのまにか裸の香澄が空中に浮いていた。
手首に何か黒いロープの様なものが巻きつき、天井からつるされているようなのだ。
そしてさらに奇怪なのは、その身体中をこれもまた真っ黒な触手のようなものが這い回っていることだった。
それは山の中などで見かける蛭の仲間、コウガイヒルに酷似していた。
蛭に似た扁平で柔らかい体を持つそれは、香澄の口の中から生え、肌に粘液の痕跡を残しながら香澄の全身を舐めまわしている。
香澄のかすかな胸の頂で、桜色の乳首だけが異様に大きく、そして硬く尖っていた。
まだ乳房との分化も終わっていないそのつぼみは、先端から透明な液体を滴らせ、胸に濃い陰影を残すほど勃起してしまっている。
「お兄ちゃん…飲んで」
荒い息の中から、香澄が言った。
香澄はインフルエンザにでも罹った時のように真っ赤な顔をし、汗をびっしょりかいている。
濡れた髪が頬の貼りつき、半ば開いた口からは涎を垂らしていた。
香澄の言葉に呼応するかのように、天井から新たな触手が2本下りてきて、その細い足首に巻きついた。
おもむろに両足が引き上げられ、水平に近づくにつれ、じわりじわりと左右に開いていく。
そのあわいに縦長の亀裂が現れた。
亀裂に沿った唇は今やぱっくりと開き、サーモンピンクの綺麗な中身を覗かせている。
香澄が何を言おうとしているのかは、もはや明らかだった。
そのサーモンピンクの肉壁の下部に赤い穴が開き、ぴくぴくと蠢動しながら途切れることなく蜜を溢れさせているのだ。
それが悪魔の所業なのか、あるいは香澄自らの演出なのかはわからなかった。
そもそも僕自身、完全に理性を失ってしまっていたのだ。
「飲んで。香澄のエキスを」
躰を小刻みに震わせながら、香澄が繰り返した。
僕は猛り立ち、腹にくっつかんばかりに反り返った己の分身を狂ったようにしごきながら、そこに口を当てた。
「くう」
香澄がうめき、白い喉をあらわに首をのけぞらせる。
甘く生暖かい液体が、とろりと口の中に流れ込んできた。
それは精液よりはずっとサラサラしていて、喉にも引っかからず、比較的飲みやすかった。
我を忘れて、僕は香澄のもうひとつの唇を口でふさぎ、音を立てて蜜をすすった。
うまかった。
とてもこの世のものとは思えぬほど。
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恍惚とした脳裏に、香澄の声が響いた。
「これが、神のお酒…」
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