黒い羊 ~ロスト・イノセント~

戸影絵麻

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#19 調教

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 睡眠導入剤がの効き目は早く、待つほどもなく、鈴は長い睫毛を伏せ、半眼になった。

 量が少ないから、眠ってしまうところまでには至らない。

 でも、鈴の心理的バリアを無効化するには、とりあえずこれで十分だ。

 ワンピースを脱がせ、鈴を下着姿にすると、詩織は自分も半裸になり、さっそく尋問にとりかかった。

「パパには、いつも何されてたの? 隠さないで言ってごらんなさい」

「身体を触られたり、舐められたり・・・」

 かろうじて聞き取れるほどの小声で、鈴が答え始めた。
 
 シンプルなスポーツブラに包まれた豊満な胸が、ゆっくりと上下している。

 すぼめた太腿の間の白い下着は少し割れ目に食い込み、縦に筋が入っている。

「身体って、具体的には、どこなの?」

「お尻とか、胸とか、あと、とっても恥ずかしいところ・・・」

 鈴の頬が、紅を掃いたようにぽっと上気した。

「その時は、どんな気持ちだった?」

「初めは気持ち悪くていやだったんですけど…小6ぐらいから・・・」

「だんだん気持ちよくなってきた。そうじゃない?」

「そ、そうです・・・」

「どこが? 特にどこをどうされると、感じてしまうのかしら?」

「キスしながら、乳首を弄られたり、あそこの周りを触られると、身体が痺れたようになってきて、それで・・・」

「あそこって?」

「お、おしっこの出る、穴です」

「その時、何か出てこなかった? その穴の中から」

「はい・・・熱い、お汁みたいなものが・・・後で見ると、よく下着についたりしてました・・・」

「そのお汁の出る穴を、あなたはパパに舐めてもらった・・・。そうでしょ?」

「は・・・はい」

「気持ちよかったんだ」

「え、ええ・・・とっても」

「クリトリスも、硬くなってた?」

「た、たぶん・・・」

「乳首は? 乳首はどんな感じだったの?」

「石みたいに、コチコチになって・・・触られると、ビンと痺れが来て・・・」

「乳首とクリトリスを弄られ、おしっこの出る穴を舐められて、その後あなたはどうなったの?」

「頭の中が真っ白になって・・・気がつくと、お口の中にパパのアレが・・・」

「アレって、何?」

「お、おちんちん・・・」

「しゃぶってあげたんだ」

「そうすると、パパが、喜ぶから・・・」

「いやじゃなかった?」

「だって、気持ちよくしてもらった、お返しだから・・」

「しゃぶると、パパのおちんちんは、どうなったの?」

「すごく大きくなって、硬くなって、最後に熱いミルクみたいなものが・・・」

「ミルク?」

「たぶん、精液、だったんじゃないかと思います」

「それを、飲んだのね?」

「はい・・・飲むと、パパが、喜んでくれるので・・・」

「そこまでしたのに、なぜセックスが怖かったの?」

「あの時は、急だったから・・・それに、親子でしちゃだめって、わかってたし・・・」

「いやじゃ、なかったのね?」

「少し、抵抗がありました。でも、今なら、できると思います。パパが生きててくれて、またそれを望むなら」

「考えが、変わったんだ」

「変わったというより、自分の本当の気持ちに、気づいたんだと思います」

「本当の気持ち?」

「ええ・・・私、したいんです。パパと、今度こそちゃんと、愛情のこもったセックスを」

 そういうことか。

 詩織はなんとなく納得できた気がした。

 この少女は、最初の挿入の恐怖に怯えて力を爆発させただけなのだ。

 そして、もしかしたら、駆動体の発現には、それまでの前戯による性的興奮の高まりが必要なのかも・・・。

「パパみたいに本格的なセックスは無理だけど、真似事なら私がやってあげられるわ」

「ど、どういうことですか・・・?」

 鈴が上目遣いに詩織を見た。

「精神を安定させるために、ここでちょっと、あなたを慰めてあげようと思うの。さ、そこに寝てごらんなさい」
 
 鈴をベッドに横たえると、詩織はバッグから自慰用にいつも持ち歩いている小型のバイブを取り出した。

「そ、それは・・・?」

 詩織の手の中のものを一瞥するなり、震える声で、鈴が言った。
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