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ACT5 ヴァルプルギスの夜

#13 アリア⑦

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 驚いたのは、少し指先に力を込めただけなのに、いとも簡単に”それ”が穴の中に入ってしまったことだった。
 括約筋が異物の侵入を察知し、ぐにゃりと蠢いたかと思うと、まるで意志を持った生き物が餌を体内に取り込むかのように、するりと奥に引き込んでしまったのである。
「あああんっ!」
 リコが叫んだのは、それとほとんど同時だった。
「きゃ」
 跳ね上がった腰に突き飛ばされ、アリアはベッドの上に尻もちをついた。
 目と鼻の先で、リコの下半身がジャッキで持ち上げられるようにぐんぐんせり上がっていく。
「いやああああんっ」
 両肩と後頭部、そして踏ん張った両足を支点にして、うねりながら裸身が持ち上がる。
「はあはあはあ」
 その間も、リコは激しくあえいである。
 物体を飲み込んだ会陰部は電気を通されたかのように波打ち、じゅるじゅると透明な液体を滴らせていた。
「リコさまあ」
 アリアは糸に引かれるようにして立ちあがった。
 見下ろすと、リコは平らな下腹を波のように起伏させ、がくがくと全身の筋肉を痙攣させている。
 胸では見事に張り切ったふたつの乳房がつき上げられ、金と銀の乳首が己の存在を誇示するかのように天を指して激しく揺れている。
「あふう、アリアも、おかしな気分になってきちゃいました」
 昂ぶりに突き動かされ、アリアはブラを、パンティを脱ぎ捨てた。
 触れてみなくても、太腿と太腿のはざまが、リコのそれのようにびっしょり濡れてきているのがわかった。
 全裸になると、たまらずリコの上にまたがった。
 リコの乳首は傍で見ていてそれとわかるほど、硬く長く勃起してしまっている。
 アリアはその上にしゃがみこむと、右の乳首に己の濡れそぼった秘部を押しつけた。
 一見幼くすら見えるアリアだが、その実、第二次性徴期はとっくに過ぎているらしく、性器は立派に成熟しているようだった。
 尻の間から右手を伸ばし、2本の指で大陰唇を左右に押し開く。
 その間に尖ったリコの乳首を挟み込み、狂ったように腰を振る。
「ひやあああ、い、いいっ!」
 叫んでしまったのも無理はない。
 昂ぶるだけ高ぶったアリアの秘部の入口では、自然と包皮の剥けた陰核亀頭が肥大して、ひょっこり顔を覗かせている。
 そこに同じく勃起したリコの乳首が突き当たったのだ。
 こすった。
 充血し、勃起し切ったた陰核で、リコのカチコチの勃起乳首をこすり上げた。
「あうあうあうあうあうう!」
 アリアの尻が、リコの胸の上でなめらかに円を描いた。
 天性の才能のなせる業なのか、あるいは豊富な経験に裏打ちされたものなのか、まるでベテラン娼婦のような淫蕩な腰遣いだった。
 巨大なゴム毬のようなリコの乳房が、アリアの尻に圧し潰され、その弾性でさまざまに形を変える。
 アリアはさながら、肉のクッションの上で尻を弾ませているような感じだった。
 謎のローターに膣の中をかき回され、アリアの肉襞に乳首を責められて、リコはほとんど失神寸前だ。
 完全に白目を剥き、半開きにした口からは、唾液まみれの舌まで突き出している。
 それはアリアも同様で、自由な両手でけだもののように己の乳房を揉みしだいている。
「リコ、さまあ、一緒に、いき、ましょ」
 あえぎ声の間から、アリアが途切れ途切れに言う。
「いく、いく、いくう!」
 リコは上に乗っているのがアリアであることにも気づいていないのか、アリアの腰の動きに合わせて裏返った声で泣き叫ぶ。

 悦楽の津波に翻弄され、汗と淫汁を飛ばして絡み合うふたりは、いつのまにかドアが開いていることにも気づいていない。
 その隙間に覗くふたつの眼。
「そんなことだろうと思ったよ」
 黒縁眼鏡の奥で妖しく瞳孔を光らせながら、コートの中の手を動かし、ハルが小声でつぶやいた。
 
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