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ACT8 帝国の秘密
#15 ハル④
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「カニバリズムって、何ですかあ?」
アリアが訊いてきた。
アリア自身、うすうす感づいているのだろう。
いつのまにか、顔面蒼白になっている。
「カニバリズムとは、人肉食のことだ。地球人は野蛮だから、昔から各地でこの人肉食が行われてきたらしい。さすがに文明化が進んで、最近は一部のイカれたものたちの間でしか見られなくなっていたようだが、まさかそれをこうまで大々的に広めようとする輩が居ようとはな」
以上は、セフィラムが瞬時にネットから検索した情報である。
「じゃ、じゃあ、アリアが食べたあのハンバーガーは…」
アリアの顔が見るも無残に歪んだ。
つぶらな瞳から滂沱の涙があふれ出た。
「もちろん、ここで精肉された人間の肉だろう」
ハルが身もふたもなく言い切ると、
「おえ。うぐ」
屋根に手を突いて、アリアが盛大に戻し始めた。
「ごめんなさあい…ひっく…アリア、誓います…これからは、ひっく…ベジタリアンで、いきます。ひっく…絶対、お肉は食べません…ひっく」
「知らなかったんだから、しょうがないだろう」
リコがえずくアリアの背中をやさしく撫でている。
「それに、別に人肉を食べたところで、身体に悪いわけででもあるまい」
「いや、そうとも言えないらしい」
セラフィムからの情報を解析して、ハルは言った。
「あまり知られていないが、人肉食には、かなりのペナルティが潜んでいるようだ。人肉を食べると、異常性感染因子プリオンが形成される。このプリオンというのは、ある意味ガンみたいなもの。体内のたんぱく質を、自分と同じ異常なたんぱく質にどんどん変えていってしまうのだ。だから、人肉食を習慣とした人間は、増殖したプリオンの影響で脳がスポンジみたいに穴だらけになると言われている。まあ、狂牛病みたいなものだな。共食いというのが、いかに自然の摂理に反しているかの証拠だろう」
「てことは、腸詰帝国の目的は、全日本人の大脳スポンジ化…というわけか?」
「可能性は高いと思う。リアルで国民の一億総白痴化が実現すれば、この国を支配するのはたやすいからな」
「日本人一億総白痴化計画か…。あの馬鹿どもの考えそうなことだ」
苦虫を噛み潰したような表情で、リコがつぶやいた。
「ああん、アリアの脳が…!」
頭を抱えて首を振り続けるアリア。
「そんなの嫌ですぅ! 嫌すぎですぅ! 頭の中がスカスカになっちゃうなんて!」
「アリアの頭は元からスカスカだから、大してダメージはないと思うぞ」
うっかりそう口にしたら、すごい目でにらんできた。
「ハル、それ、どういう意味ですかあ? それじゃ、まるでアリアが生まれついての狂牛病みたいじゃないですかあ」
アリアが訊いてきた。
アリア自身、うすうす感づいているのだろう。
いつのまにか、顔面蒼白になっている。
「カニバリズムとは、人肉食のことだ。地球人は野蛮だから、昔から各地でこの人肉食が行われてきたらしい。さすがに文明化が進んで、最近は一部のイカれたものたちの間でしか見られなくなっていたようだが、まさかそれをこうまで大々的に広めようとする輩が居ようとはな」
以上は、セフィラムが瞬時にネットから検索した情報である。
「じゃ、じゃあ、アリアが食べたあのハンバーガーは…」
アリアの顔が見るも無残に歪んだ。
つぶらな瞳から滂沱の涙があふれ出た。
「もちろん、ここで精肉された人間の肉だろう」
ハルが身もふたもなく言い切ると、
「おえ。うぐ」
屋根に手を突いて、アリアが盛大に戻し始めた。
「ごめんなさあい…ひっく…アリア、誓います…これからは、ひっく…ベジタリアンで、いきます。ひっく…絶対、お肉は食べません…ひっく」
「知らなかったんだから、しょうがないだろう」
リコがえずくアリアの背中をやさしく撫でている。
「それに、別に人肉を食べたところで、身体に悪いわけででもあるまい」
「いや、そうとも言えないらしい」
セラフィムからの情報を解析して、ハルは言った。
「あまり知られていないが、人肉食には、かなりのペナルティが潜んでいるようだ。人肉を食べると、異常性感染因子プリオンが形成される。このプリオンというのは、ある意味ガンみたいなもの。体内のたんぱく質を、自分と同じ異常なたんぱく質にどんどん変えていってしまうのだ。だから、人肉食を習慣とした人間は、増殖したプリオンの影響で脳がスポンジみたいに穴だらけになると言われている。まあ、狂牛病みたいなものだな。共食いというのが、いかに自然の摂理に反しているかの証拠だろう」
「てことは、腸詰帝国の目的は、全日本人の大脳スポンジ化…というわけか?」
「可能性は高いと思う。リアルで国民の一億総白痴化が実現すれば、この国を支配するのはたやすいからな」
「日本人一億総白痴化計画か…。あの馬鹿どもの考えそうなことだ」
苦虫を噛み潰したような表情で、リコがつぶやいた。
「ああん、アリアの脳が…!」
頭を抱えて首を振り続けるアリア。
「そんなの嫌ですぅ! 嫌すぎですぅ! 頭の中がスカスカになっちゃうなんて!」
「アリアの頭は元からスカスカだから、大してダメージはないと思うぞ」
うっかりそう口にしたら、すごい目でにらんできた。
「ハル、それ、どういう意味ですかあ? それじゃ、まるでアリアが生まれついての狂牛病みたいじゃないですかあ」
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