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ACT8 帝国の秘密
#16 ハル⑤
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「で、どうする? ぶっつぶすか?」
今にも飛び出しそうに、全身の筋肉に力をみなぎらせてリコが言った。
春風に水色の長い髪がなびき、その下から引き締まった横顔が現れる。
ハルの好きな戦闘少女の顔である。
「いや、今はやめておこう。ここで働いているのは、ただの一般人である可能性が高い。下手におまえが暴れると、無意味な犠牲者を出すことにもなりかねない。やるなら、工場が稼働していない夜中のほうがいいだろう。それに、もう少し調べてみたいこともある」
はやるリコの頬を指先で触れ、なだめすかすようにハルは答えた。
「調べてみたいこと?」
バイザー越しに、リコの眉が吊り上がるのが見えた。
女にしては太めの、意志の強さを表す眉である。
「たとえば人肉の供給源だ。あれほどの数の素材をどこから集めてきたのか、気にならないか? 工場を壊すだけではなく、そのルートまで絶たねば帝国の野望を潰えることにはならないと思う」
「そうだな。工場は他にいくらでもあるだろうしな」
リコも納得したようだ。
身体から力が引いていくのが、空気を通して伝わってきた。
「それも調べたい。どこにいくつ工場があるのか。どうせなら、全部潰さないと意味がない。まあ、今回は、腸詰帝国が悪の組織であることを証明できただけでもよしとしよう」
「アリアもおうち、帰りたいです」
リコの腕にすがって、アリアが言った。
まだ半べそをかいている。
「お洋服汚れちゃったし、頭痛いし、気持ち悪い。口直しにおいしいデザート食べなきゃ、死んじゃいます」
「そうだな。そろそろ家の模様替えも済んでるところだろう。どんなになったか、楽しみだな」
「はい! きっと素敵なおうちに生まれ変わってると思います」
アリアにも少し元気がでてきたようだ、
「よし、じゃあ、車のところで合流しよう。アリア、背中に」
リコが言い、その背中に回ったアリアが後ろから首にしがみつく。
「待て。ついでだ。私も一緒に運べ」
ふと思いついて、ハルは言った。
「抱き合う形になれば、もうひとりぐらい、いけるだろう」
「なんだって?」
リコが赤くなる。
「大丈夫だ。乳首を舐めたり、乳房を揉んだりはしないことにする。途中で墜落されてはかなわないからな」
「そんなの、当たり前だろう」
むっとするリコ。
「いや、今ふと思ったが、空中セックスもいいかもしれない。今度試してみるか。アリアも一緒に」
「ふあああ! それ、素敵ですね!」
首っ玉にしがみついたアリアが歓声を上げる。
「断る」
アリアを背負い、リコが立ち上がった。
怒ると年相応の幼さが顔に表れ、それがかすかにハルの嗜虐心をそそった。
正面に立ち、その体をハルは両腕でしっかりと抱き締めた。
リコのほうが頭ひとつ分背が高いので、ハルの顎のあたりに盛り上がった乳房が来た。
その乳房に顎を乗せると、ハルは言った。
「さあ、飛べ。スーパーヒーローにつかまって飛ぶのはさすがの私も初めてだ。ふふっ、これはいい思い出になりそうだ」
今にも飛び出しそうに、全身の筋肉に力をみなぎらせてリコが言った。
春風に水色の長い髪がなびき、その下から引き締まった横顔が現れる。
ハルの好きな戦闘少女の顔である。
「いや、今はやめておこう。ここで働いているのは、ただの一般人である可能性が高い。下手におまえが暴れると、無意味な犠牲者を出すことにもなりかねない。やるなら、工場が稼働していない夜中のほうがいいだろう。それに、もう少し調べてみたいこともある」
はやるリコの頬を指先で触れ、なだめすかすようにハルは答えた。
「調べてみたいこと?」
バイザー越しに、リコの眉が吊り上がるのが見えた。
女にしては太めの、意志の強さを表す眉である。
「たとえば人肉の供給源だ。あれほどの数の素材をどこから集めてきたのか、気にならないか? 工場を壊すだけではなく、そのルートまで絶たねば帝国の野望を潰えることにはならないと思う」
「そうだな。工場は他にいくらでもあるだろうしな」
リコも納得したようだ。
身体から力が引いていくのが、空気を通して伝わってきた。
「それも調べたい。どこにいくつ工場があるのか。どうせなら、全部潰さないと意味がない。まあ、今回は、腸詰帝国が悪の組織であることを証明できただけでもよしとしよう」
「アリアもおうち、帰りたいです」
リコの腕にすがって、アリアが言った。
まだ半べそをかいている。
「お洋服汚れちゃったし、頭痛いし、気持ち悪い。口直しにおいしいデザート食べなきゃ、死んじゃいます」
「そうだな。そろそろ家の模様替えも済んでるところだろう。どんなになったか、楽しみだな」
「はい! きっと素敵なおうちに生まれ変わってると思います」
アリアにも少し元気がでてきたようだ、
「よし、じゃあ、車のところで合流しよう。アリア、背中に」
リコが言い、その背中に回ったアリアが後ろから首にしがみつく。
「待て。ついでだ。私も一緒に運べ」
ふと思いついて、ハルは言った。
「抱き合う形になれば、もうひとりぐらい、いけるだろう」
「なんだって?」
リコが赤くなる。
「大丈夫だ。乳首を舐めたり、乳房を揉んだりはしないことにする。途中で墜落されてはかなわないからな」
「そんなの、当たり前だろう」
むっとするリコ。
「いや、今ふと思ったが、空中セックスもいいかもしれない。今度試してみるか。アリアも一緒に」
「ふあああ! それ、素敵ですね!」
首っ玉にしがみついたアリアが歓声を上げる。
「断る」
アリアを背負い、リコが立ち上がった。
怒ると年相応の幼さが顔に表れ、それがかすかにハルの嗜虐心をそそった。
正面に立ち、その体をハルは両腕でしっかりと抱き締めた。
リコのほうが頭ひとつ分背が高いので、ハルの顎のあたりに盛り上がった乳房が来た。
その乳房に顎を乗せると、ハルは言った。
「さあ、飛べ。スーパーヒーローにつかまって飛ぶのはさすがの私も初めてだ。ふふっ、これはいい思い出になりそうだ」
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