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第6章 となりはだあれ?
#25 魔獣狩り⑬
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元山駅で東山線に乗り換えて、星が丘駅に着くまで、車内では幸い、何事も起こらなかった。
地下鉄はずいぶんな込み具合で、亜魅はずっとドアの近くに立ったままで、一度も座らなかったからである。
隣の車両から亜魅の様子をうかがいながら、これがもうひとつの共通項なのか、と杏里は思った。
ともに地下鉄内で殺害された安田邦彦と佐野信三の共通点。
それは、死の直前、ふたりは女子高生らしき少女の隣の空席に座ろうとして、死んだということ。
ゆうべ会議資料をまとめる際、杏里は安田邦彦の事件の目撃証言の中に、被害者の隣に制服姿の少女が座っていたという内容のものがあったことを、今更のように思い返していた。
それが白拍子亜魅だったとすれば、彼女の隣の空席とは何を意味するのだろう。
アナウンスが入り、地下鉄が停まった。
窓の外の柱に、星が丘という表示が見える。
「行くんだ」
どこからともなく、零の声がした。
「う、うん」
人混みをかき分けるようにして、杏里は列車を降りた。
高校生たちが、2列になって、上りエスカレーターのほうへと向かっていく。
亜魅は他の生徒より背が高いので、見失うことはない。
だが、問題は、彼女の真後ろのポジションを確保しなければならないことだ。
そうしないと、盗撮魔失格になりかねない。
高校生たちの間を泳ぐようにして、杏里は前方に急いだ。
スマホを手にした少年が、前を行く亜魅の背後にぴったりと貼りつくのが見えた。
いけない!
このままでは、あの子、尾上悠馬の二の舞いだ。
沸き起こるブーイングの嵐を聞き流し、杏里は少年の前に割り込んだ。
ちょうど、亜魅がエスカレーターの登り口に差し掛かった時だった。
割りこまれて不快そうに顔をしかめた少年だったが、すぐに杏里の衣装の露出度の高さに気づいたようだ。
取り出したスマホを杏里のスカートの中に差し込むと、さっそく盗撮に没頭し始めた。
さあ、今度は私の番。
盗撮魔が、盗撮されながら、盗撮する。
なんだか変だけど、今のところ、零の計画は順調のようだ。
スマホを構え、顏を上げる。
2段前に、亜魅が立っている。
足が長く、スカートが短いため、少し身をかがめれば、中が見えそうだ。
周囲の視線を気にしている場合ではなかった。
杏里は後ろの少年に下着が丸見えになるのを承知で、身をかがめた。
亜魅のスカートの中が、見えてくる。
内腿に、三日月形の痣がある。
大胆にも、更に身をかがめる杏里。
背後から、ごくりと唾を呑み込む音が聞こえてきた。
見えた、と思った瞬間、
え?
杏里はあんぐりと口を開き、その場に凍りついた。
地下鉄はずいぶんな込み具合で、亜魅はずっとドアの近くに立ったままで、一度も座らなかったからである。
隣の車両から亜魅の様子をうかがいながら、これがもうひとつの共通項なのか、と杏里は思った。
ともに地下鉄内で殺害された安田邦彦と佐野信三の共通点。
それは、死の直前、ふたりは女子高生らしき少女の隣の空席に座ろうとして、死んだということ。
ゆうべ会議資料をまとめる際、杏里は安田邦彦の事件の目撃証言の中に、被害者の隣に制服姿の少女が座っていたという内容のものがあったことを、今更のように思い返していた。
それが白拍子亜魅だったとすれば、彼女の隣の空席とは何を意味するのだろう。
アナウンスが入り、地下鉄が停まった。
窓の外の柱に、星が丘という表示が見える。
「行くんだ」
どこからともなく、零の声がした。
「う、うん」
人混みをかき分けるようにして、杏里は列車を降りた。
高校生たちが、2列になって、上りエスカレーターのほうへと向かっていく。
亜魅は他の生徒より背が高いので、見失うことはない。
だが、問題は、彼女の真後ろのポジションを確保しなければならないことだ。
そうしないと、盗撮魔失格になりかねない。
高校生たちの間を泳ぐようにして、杏里は前方に急いだ。
スマホを手にした少年が、前を行く亜魅の背後にぴったりと貼りつくのが見えた。
いけない!
このままでは、あの子、尾上悠馬の二の舞いだ。
沸き起こるブーイングの嵐を聞き流し、杏里は少年の前に割り込んだ。
ちょうど、亜魅がエスカレーターの登り口に差し掛かった時だった。
割りこまれて不快そうに顔をしかめた少年だったが、すぐに杏里の衣装の露出度の高さに気づいたようだ。
取り出したスマホを杏里のスカートの中に差し込むと、さっそく盗撮に没頭し始めた。
さあ、今度は私の番。
盗撮魔が、盗撮されながら、盗撮する。
なんだか変だけど、今のところ、零の計画は順調のようだ。
スマホを構え、顏を上げる。
2段前に、亜魅が立っている。
足が長く、スカートが短いため、少し身をかがめれば、中が見えそうだ。
周囲の視線を気にしている場合ではなかった。
杏里は後ろの少年に下着が丸見えになるのを承知で、身をかがめた。
亜魅のスカートの中が、見えてくる。
内腿に、三日月形の痣がある。
大胆にも、更に身をかがめる杏里。
背後から、ごくりと唾を呑み込む音が聞こえてきた。
見えた、と思った瞬間、
え?
杏里はあんぐりと口を開き、その場に凍りついた。
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