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第2章 謝肉祭

#13 痴漢凌辱バス④

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 綺麗なサーモンピンクをした割れ目に、吸い込まれるように指が入っていく。
 自らの意志で肉襞がうごめき、あたかも積極的にくわえ込んでいくかのように。
 やがてその指がピストンよろしく動き始めると、くちゅくちゅと粘つく音が車内に響き渡った。
「あん…」
 杏里の声が大きくなる。
 杏里は息を大きく吸って、甘い香りとともに吐き出している。
「あああぁぁ…」
 とろけるような声が、長く切なく尾を引いて、淀んだ空気の中を伝播する。
 女子高生たちに抱え上げられた杏里の裸体は、私の目の前で、ひくひくと波打ち始めていた。
 熟れ過ぎた果実みたいな乳房がプルプル震え、平らな腹がびくんびくんと上下する。
 いつのまにか、あたりは静まり返っていた。
 あれほど賑やかだった女子高生たちが、なぜか一様に固唾を呑み、悶える杏里を凝視している。
「ううん…」
 眉間にしわを寄せ、杏里は固く目を閉じている。
 でも、苦しがっているわけでないことは、その甘やいだ声音からも明らかだ。
 と、突然。
 さっきまでとは打って変わり、いかにも粛々といった感じで女子高生たちが、動き始めた。
 後部座席を開け、スペースをつくると、そこに足を広げたままの杏里をゆっくり座らせたのだ。
 指を入れる係の少女だけがその足元にひざまずき、後の者は杏里を取り囲むようにして、憑かれたようにその痴態をじっと見下ろしている。
 なんだろう?
 私は首をかしげた。
 どう見ても、様子が変だ。
 杏里をいいようにおもちゃにして、もてあそんでいたギャル系の女子高生たち。
 今、その顔に浮かんでいるのは、何かに取り憑かれたような表情だった。
 くちゅくちゅという粘液のあふれる音。
「くぅぅぅ…」
 その合間に聞こえる、悩ましげな杏里の喘ぎ声。
 それに感応したかのように、誰もが恍惚とした表情を顔に浮かべ、杏里を凝視している。
「あふう」
 最初に崩れ落ちたのは、杏里の股間を指で攻めていた少女だった。
 それに続くようにして、ほかの生徒たちも次々に床に座り込む。
 何?
 どうなったの?
 障害物がなくなって急に視界が広くなり、私は面食らった。
 静まり返ったバスの中で、奇怪な現象が生じていた。
 少女たちが皆、例外なく制服のブラウスをはだけ、胸元に片手を突っ込み、自分の乳房を愛撫し始めている。
 空いたほうの手はスカートの下に差し込まれ、どうやら陰部を弄っているようだ。
 杏里の官能が感染したのだろうか。
 ありえないことだった。
 全員が、申し合わせたようにオナニーを始めたのだ。
 私は茫然として、その異様な光景を見つめた。
 何、これ。
 まるで悪いジョークじゃない…。
「よどみ…」
 ふと我に返ると、目の前に杏里が立っていた。
 服の乱れを直し、初めの可愛らしい出で立ちに戻っている。
「怒らないでね」
 私が何か言う前に、少し悲しそうな目をして、杏里が言った。
「これが私の、身を守るための方法なの」


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