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第6部 淫蕩のナルシス
#57 アヌビス覚醒
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ヤチカの股間からそそり立つもの。
それは外来種特有の、あの異形のペニスだった。
人間のものに比べると、ずいぶんと細い。
しかし、長さは倍以上ある。
海綿体の表面には細かい逆とげがあり、亀頭が錨のような形をしている。
一度挿入したら写生するまではずれない。
外来種のペニスは、そんな恐ろしい機能を備えているのだ。
ペニスが復活したこと以外で変化したのは、ヤチカの全体的な雰囲気だった。
乳房も体つきも変わっていないのだが、顔の印象がシャープさを増していた。
目つきが鋭くなり、女性らしい頬の丸みが消えているのだ。
これで服を着れば、男装の麗人だ、と杏里は思った。
正一もなかなかのイケメンだが、男性化したヤチカのカリスマ性にはかなわない。
今絶頂に達したばかりだというにに、杏里はまた潤み始めていた。
ヤチカの変身を目の当たりにして、いつかあのペニスで貫かれそうになった時のことを思い出したのだ。
あの時はぎりぎりのところで挿入を免れたのだが、今の爛れた思考では、あれに奥の奥まで一度貫かれてみたいと思ってしまう。
内臓に達するほどの挿入は、身体機能を破壊するほど危険な分、痛みが快感に置換された瞬間にはきっと忘我の境地が味わえるに違いない。
ふとそんなことを考えたのだ。
「さあ、これで僕のほうは準備万端だ」
ヤチカのしゃべり方が変わっていた。
「あとは決戦の時まである程度の刺激を持続すれば、この姿のままでいられるはずさ」
杏里はぼうっとその凛々しい顔に見とれていた。
背後から杏里を抱いた正一が、まだ乳房をもんでいる。
その刺激が心地よくて、股間からはいまだに淫汁を滴らせたままだった。
「刺激…?」
「うん。それを与えてくれるのは、杏里ちゃん、もちろん君の役目だ。だから今度は、君の準備にかからなければならないね」
「私の…?」
「そう。言っただろ? 僕は君を史上最高のビッチに仕立て上げるって」
「史上最高の、ビッチ…?」
「忘れたわけではあるまい。君の役目はその淫乱な肉体で堤邸のボディガードを無力化すること。それにはもっと、出で立ちからして工夫を凝らす必要がある」
「出で立ち?」
杏里は小首をかしげた。
男ヤチカの前だからか、自然に媚びを売るようなコケティッシュなしぐさになっている。
「さあ、そうと決まればふたりともシャワーを浴びて。朝食が済んだら買い出しに出発だ。杏里ちゃんの衣装をそろえにね」
私の、衣装?
今度は何を着せられるのだろう。
なんだか胸がドキドキする。
薄いガウンを裸体の上に羽織ってヤチカが部屋を出ていくと、杏里を抱いたままの正一が耳元にささやいてきた。
「すばらしかった…俺の天使。今まで、抱いた、女の中で、最高の体だった…。これでもう、俺は、この世に思い残すことなど、なくなった」
「縁起でもないこと、言わないで」
杏里は振り向くと、正一の肩に抱きついた。
「みんな生きて帰るんだから。正一さんには、これからも私の人形、作り続けてほしいんだから」
「人形…? つくって、いいのか?」
正一が、意外そうに目を丸くした。
「いいよ」
杏里はにっこり微笑んだ。
「できたら私もひとつほしいくらい。寂しい夜のオナニーのお供にぴったりだもん」
「わ、わかった」
正一がうなずいた。
「もし無事に帰れたら、その記念に、腕によりをかけて、きわめつけにエロチックなラブドールをつくってやろう。俺の天使に生き写しの、史上最高のラブドールをな」
それは外来種特有の、あの異形のペニスだった。
人間のものに比べると、ずいぶんと細い。
しかし、長さは倍以上ある。
海綿体の表面には細かい逆とげがあり、亀頭が錨のような形をしている。
一度挿入したら写生するまではずれない。
外来種のペニスは、そんな恐ろしい機能を備えているのだ。
ペニスが復活したこと以外で変化したのは、ヤチカの全体的な雰囲気だった。
乳房も体つきも変わっていないのだが、顔の印象がシャープさを増していた。
目つきが鋭くなり、女性らしい頬の丸みが消えているのだ。
これで服を着れば、男装の麗人だ、と杏里は思った。
正一もなかなかのイケメンだが、男性化したヤチカのカリスマ性にはかなわない。
今絶頂に達したばかりだというにに、杏里はまた潤み始めていた。
ヤチカの変身を目の当たりにして、いつかあのペニスで貫かれそうになった時のことを思い出したのだ。
あの時はぎりぎりのところで挿入を免れたのだが、今の爛れた思考では、あれに奥の奥まで一度貫かれてみたいと思ってしまう。
内臓に達するほどの挿入は、身体機能を破壊するほど危険な分、痛みが快感に置換された瞬間にはきっと忘我の境地が味わえるに違いない。
ふとそんなことを考えたのだ。
「さあ、これで僕のほうは準備万端だ」
ヤチカのしゃべり方が変わっていた。
「あとは決戦の時まである程度の刺激を持続すれば、この姿のままでいられるはずさ」
杏里はぼうっとその凛々しい顔に見とれていた。
背後から杏里を抱いた正一が、まだ乳房をもんでいる。
その刺激が心地よくて、股間からはいまだに淫汁を滴らせたままだった。
「刺激…?」
「うん。それを与えてくれるのは、杏里ちゃん、もちろん君の役目だ。だから今度は、君の準備にかからなければならないね」
「私の…?」
「そう。言っただろ? 僕は君を史上最高のビッチに仕立て上げるって」
「史上最高の、ビッチ…?」
「忘れたわけではあるまい。君の役目はその淫乱な肉体で堤邸のボディガードを無力化すること。それにはもっと、出で立ちからして工夫を凝らす必要がある」
「出で立ち?」
杏里は小首をかしげた。
男ヤチカの前だからか、自然に媚びを売るようなコケティッシュなしぐさになっている。
「さあ、そうと決まればふたりともシャワーを浴びて。朝食が済んだら買い出しに出発だ。杏里ちゃんの衣装をそろえにね」
私の、衣装?
今度は何を着せられるのだろう。
なんだか胸がドキドキする。
薄いガウンを裸体の上に羽織ってヤチカが部屋を出ていくと、杏里を抱いたままの正一が耳元にささやいてきた。
「すばらしかった…俺の天使。今まで、抱いた、女の中で、最高の体だった…。これでもう、俺は、この世に思い残すことなど、なくなった」
「縁起でもないこと、言わないで」
杏里は振り向くと、正一の肩に抱きついた。
「みんな生きて帰るんだから。正一さんには、これからも私の人形、作り続けてほしいんだから」
「人形…? つくって、いいのか?」
正一が、意外そうに目を丸くした。
「いいよ」
杏里はにっこり微笑んだ。
「できたら私もひとつほしいくらい。寂しい夜のオナニーのお供にぴったりだもん」
「わ、わかった」
正一がうなずいた。
「もし無事に帰れたら、その記念に、腕によりをかけて、きわめつけにエロチックなラブドールをつくってやろう。俺の天使に生き写しの、史上最高のラブドールをな」
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