激甚のタナトス ~世界でおまえが生きる意味について~【官能編】

戸影絵麻

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第6部 淫蕩のナルシス

#59 杏里ともっくん

 ショッピングモールに向かうかと思いきや、ヤチカが車を止めたのは、その裏にあるさびれた商店街の中のコインパークだった。
 ここへ来るまでの間、信号待ちのたびに体をまさぐられ、杏里はとろとろに溶けてしまっていた。
 伸ばした右手はずっと勃起したヤチカのペニスを握らされ、しまいにはフェラを強要される始末だったのだ。
「ここだよ」
 車を降り、5分ほど歩くと、ショーウィンドウの前でヤチカは立ち止まった。
 けばけばしいネオンに飾られた、見るからにいかがわしい雰囲気の店である。
『ドリームハウス』
 というのがどうやら店の名前らしい。
「何のお店?」
 ヤチカに抱かれ、ベストの上から乳房を揉まれながら、杏里は訊いた。
「入ればわかるよ」
 ドアは自動ではなく、重いガラスの引き戸になっていた。
「もっくん、いる?」
 全員が中に入ると、店の奥に向かってヤチカが声をかけた。
 杏里はおっかなびっくり周囲を見回した。
 迷路のような通路の左右にさまざまな衣装が吊されている。
 どれも派手な色合いの、露出度の高いものばかりだ。
「このへんは風俗のお店が多いだろう? ここはそんなところで働くご婦人たち御用達の店なのさ」
「いらっしゃあい」
 野太い声とともに姿を現したのは、素肌の上に黒い革ジャンを着た、スキンヘッドにミラーグラスの恐ろしげな男である。
 これが、もっくん…?
 杏里はしり込みした。
 あの腕と胸の筋肉。
 プロレスラーか何かだろうか。
 ところが意に反して、男の口調はやわらかいオネエ言葉だった。
「あらあん、ヤチカちゃんじゃなあい? うわあ、きょうはずいぶんとまた可愛い子猫ちゃん連れてるのね。そっちのイケメンのお兄さんも素敵。メガネのボクも可愛いわよ」
 子猫ちゃんって、私?
 杏里が目をしばたたかせていると、
「この子に、この店で一番エロチックな衣装、選んでやりたいんだ。エロいなら、下着でも水着でもドレスでも何でもいい」
 そういって、ヤチカが杏里を前に押し出した。
「うふふ。お誕生日プレゼントかしらあ? ヤチカちゃんらしいわね。ところでこの子名前、なんていうの? まあまあ、大きいお胸だこと。お尻もぷりぷりしちゃって。このままでも十分エロいと思うけど」
 杏里の全身をしげしげと眺めて、もっくんが言った。
「杏里だ。まだ未成年だが、生まれながらのビッチだよ」
「アンリちゃんね。いいわあ、生まれながらのビッチなんて、とっても素敵。女にとって最高の称号じゃない」
「そんなんじゃありません」
 むっとして、杏里は言い返した。
 タナトスは確かに性を武器にする。
 でもそれは、あくまでも”任務”であって、趣味でやっているわけではないのだ。
 まあ、確かに、最近コツを覚えて、自分も楽しんでいることは、否定できないんだけど…。
 でもそれは、苦痛を緩和するためであって、何も私が淫乱というわけじゃない。
「なんか面白いもの、たくさんあるね。なんだろう? この人間のちんぽみたいなおもちゃ?」
 通路の脇道に入っていった重人が、無邪気な口調で言うのが聞こえてきた。
「本も変わったものばかりだなあ。あ、ヤチカさんの画集もあるよ。こっちは人形の写真集だね。でも、ラブドールって何だろう?」
「いろいろ勉強になるでしょ」
 もっくんが笑いをかみ殺した表情で、重人に声をかけた。
「そこらのお店では売ってないものばかりだし、学校でも教えてくれないものばかりだから、ゆっくり見ていくといいよ」
 外見こそごついが、この人、案外優しいのかもしれない。
 そう思って、杏里は少し緊張を解いた。
「じゃ、こちらへ。あたしがとっておきのを選んで着せてあげる」
 カウンターから出てきて、もっくんが言った。
「あ、その前に」
 杏里の前にかがみこむと、ヤチカがだしぬけにスカートをめくり上げた。
「忘れてた。これ、取ってやらないと」
 杏里の太腿に装着されていた電池ボックスをはずすと、下着の縁をめくり上げ、無造作にコードを引っ張った。
 ずぼっという湿った音がして、濡れ濡れと光るローターが飛び出してきた。
「あああん」
 激烈な快感に襲われ、身をよじる杏里。
「すごいわ…」
 杏里の太腿を伝い始めた愛液の量を見て、もっくんが唖然とした表情になる。
「この子、本当に変態なのね。こんなかわいい顔して。うーん、将来が楽しみだわ」

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