61 / 288
第6部 淫蕩のナルシス
#59 杏里ともっくん
しおりを挟む
ショッピングモールに向かうかと思いきや、ヤチカが車を止めたのは、その裏にあるさびれた商店街の中のコインパークだった。
ここへ来るまでの間、信号待ちのたびに体をまさぐられ、杏里はとろとろに溶けてしまっていた。
伸ばした右手はずっと勃起したヤチカのペニスを握らされ、しまいにはフェラを強要される始末だったのだ。
「ここだよ」
車を降り、5分ほど歩くと、ショーウィンドウの前でヤチカは立ち止まった。
けばけばしいネオンに飾られた、見るからにいかがわしい雰囲気の店である。
『ドリームハウス』
というのがどうやら店の名前らしい。
「何のお店?」
ヤチカに抱かれ、ベストの上から乳房を揉まれながら、杏里は訊いた。
「入ればわかるよ」
ドアは自動ではなく、重いガラスの引き戸になっていた。
「もっくん、いる?」
全員が中に入ると、店の奥に向かってヤチカが声をかけた。
杏里はおっかなびっくり周囲を見回した。
迷路のような通路の左右にさまざまな衣装が吊されている。
どれも派手な色合いの、露出度の高いものばかりだ。
「このへんは風俗のお店が多いだろう? ここはそんなところで働くご婦人たち御用達の店なのさ」
「いらっしゃあい」
野太い声とともに姿を現したのは、素肌の上に黒い革ジャンを着た、スキンヘッドにミラーグラスの恐ろしげな男である。
これが、もっくん…?
杏里はしり込みした。
あの腕と胸の筋肉。
プロレスラーか何かだろうか。
ところが意に反して、男の口調はやわらかいオネエ言葉だった。
「あらあん、ヤチカちゃんじゃなあい? うわあ、きょうはずいぶんとまた可愛い子猫ちゃん連れてるのね。そっちのイケメンのお兄さんも素敵。メガネのボクも可愛いわよ」
子猫ちゃんって、私?
杏里が目をしばたたかせていると、
「この子に、この店で一番エロチックな衣装、選んでやりたいんだ。エロいなら、下着でも水着でもドレスでも何でもいい」
そういって、ヤチカが杏里を前に押し出した。
「うふふ。お誕生日プレゼントかしらあ? ヤチカちゃんらしいわね。ところでこの子名前、なんていうの? まあまあ、大きいお胸だこと。お尻もぷりぷりしちゃって。このままでも十分エロいと思うけど」
杏里の全身をしげしげと眺めて、もっくんが言った。
「杏里だ。まだ未成年だが、生まれながらのビッチだよ」
「アンリちゃんね。いいわあ、生まれながらのビッチなんて、とっても素敵。女にとって最高の称号じゃない」
「そんなんじゃありません」
むっとして、杏里は言い返した。
タナトスは確かに性を武器にする。
でもそれは、あくまでも”任務”であって、趣味でやっているわけではないのだ。
まあ、確かに、最近コツを覚えて、自分も楽しんでいることは、否定できないんだけど…。
でもそれは、苦痛を緩和するためであって、何も私が淫乱というわけじゃない。
「なんか面白いもの、たくさんあるね。なんだろう? この人間のちんぽみたいなおもちゃ?」
通路の脇道に入っていった重人が、無邪気な口調で言うのが聞こえてきた。
「本も変わったものばかりだなあ。あ、ヤチカさんの画集もあるよ。こっちは人形の写真集だね。でも、ラブドールって何だろう?」
「いろいろ勉強になるでしょ」
もっくんが笑いをかみ殺した表情で、重人に声をかけた。
「そこらのお店では売ってないものばかりだし、学校でも教えてくれないものばかりだから、ゆっくり見ていくといいよ」
外見こそごついが、この人、案外優しいのかもしれない。
そう思って、杏里は少し緊張を解いた。
「じゃ、こちらへ。あたしがとっておきのを選んで着せてあげる」
カウンターから出てきて、もっくんが言った。
「あ、その前に」
杏里の前にかがみこむと、ヤチカがだしぬけにスカートをめくり上げた。
「忘れてた。これ、取ってやらないと」
杏里の太腿に装着されていた電池ボックスをはずすと、下着の縁をめくり上げ、無造作にコードを引っ張った。
ずぼっという湿った音がして、濡れ濡れと光るローターが飛び出してきた。
「あああん」
激烈な快感に襲われ、身をよじる杏里。
「すごいわ…」
杏里の太腿を伝い始めた愛液の量を見て、もっくんが唖然とした表情になる。
「この子、本当に変態なのね。こんなかわいい顔して。うーん、将来が楽しみだわ」
ここへ来るまでの間、信号待ちのたびに体をまさぐられ、杏里はとろとろに溶けてしまっていた。
伸ばした右手はずっと勃起したヤチカのペニスを握らされ、しまいにはフェラを強要される始末だったのだ。
「ここだよ」
車を降り、5分ほど歩くと、ショーウィンドウの前でヤチカは立ち止まった。
けばけばしいネオンに飾られた、見るからにいかがわしい雰囲気の店である。
『ドリームハウス』
というのがどうやら店の名前らしい。
「何のお店?」
ヤチカに抱かれ、ベストの上から乳房を揉まれながら、杏里は訊いた。
「入ればわかるよ」
ドアは自動ではなく、重いガラスの引き戸になっていた。
「もっくん、いる?」
全員が中に入ると、店の奥に向かってヤチカが声をかけた。
杏里はおっかなびっくり周囲を見回した。
迷路のような通路の左右にさまざまな衣装が吊されている。
どれも派手な色合いの、露出度の高いものばかりだ。
「このへんは風俗のお店が多いだろう? ここはそんなところで働くご婦人たち御用達の店なのさ」
「いらっしゃあい」
野太い声とともに姿を現したのは、素肌の上に黒い革ジャンを着た、スキンヘッドにミラーグラスの恐ろしげな男である。
これが、もっくん…?
杏里はしり込みした。
あの腕と胸の筋肉。
プロレスラーか何かだろうか。
ところが意に反して、男の口調はやわらかいオネエ言葉だった。
「あらあん、ヤチカちゃんじゃなあい? うわあ、きょうはずいぶんとまた可愛い子猫ちゃん連れてるのね。そっちのイケメンのお兄さんも素敵。メガネのボクも可愛いわよ」
子猫ちゃんって、私?
杏里が目をしばたたかせていると、
「この子に、この店で一番エロチックな衣装、選んでやりたいんだ。エロいなら、下着でも水着でもドレスでも何でもいい」
そういって、ヤチカが杏里を前に押し出した。
「うふふ。お誕生日プレゼントかしらあ? ヤチカちゃんらしいわね。ところでこの子名前、なんていうの? まあまあ、大きいお胸だこと。お尻もぷりぷりしちゃって。このままでも十分エロいと思うけど」
杏里の全身をしげしげと眺めて、もっくんが言った。
「杏里だ。まだ未成年だが、生まれながらのビッチだよ」
「アンリちゃんね。いいわあ、生まれながらのビッチなんて、とっても素敵。女にとって最高の称号じゃない」
「そんなんじゃありません」
むっとして、杏里は言い返した。
タナトスは確かに性を武器にする。
でもそれは、あくまでも”任務”であって、趣味でやっているわけではないのだ。
まあ、確かに、最近コツを覚えて、自分も楽しんでいることは、否定できないんだけど…。
でもそれは、苦痛を緩和するためであって、何も私が淫乱というわけじゃない。
「なんか面白いもの、たくさんあるね。なんだろう? この人間のちんぽみたいなおもちゃ?」
通路の脇道に入っていった重人が、無邪気な口調で言うのが聞こえてきた。
「本も変わったものばかりだなあ。あ、ヤチカさんの画集もあるよ。こっちは人形の写真集だね。でも、ラブドールって何だろう?」
「いろいろ勉強になるでしょ」
もっくんが笑いをかみ殺した表情で、重人に声をかけた。
「そこらのお店では売ってないものばかりだし、学校でも教えてくれないものばかりだから、ゆっくり見ていくといいよ」
外見こそごついが、この人、案外優しいのかもしれない。
そう思って、杏里は少し緊張を解いた。
「じゃ、こちらへ。あたしがとっておきのを選んで着せてあげる」
カウンターから出てきて、もっくんが言った。
「あ、その前に」
杏里の前にかがみこむと、ヤチカがだしぬけにスカートをめくり上げた。
「忘れてた。これ、取ってやらないと」
杏里の太腿に装着されていた電池ボックスをはずすと、下着の縁をめくり上げ、無造作にコードを引っ張った。
ずぼっという湿った音がして、濡れ濡れと光るローターが飛び出してきた。
「あああん」
激烈な快感に襲われ、身をよじる杏里。
「すごいわ…」
杏里の太腿を伝い始めた愛液の量を見て、もっくんが唖然とした表情になる。
「この子、本当に変態なのね。こんなかわいい顔して。うーん、将来が楽しみだわ」
0
あなたにおすすめの小説
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる