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第6部 淫蕩のナルシス
#61 犬と正一
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店を出ると、外で待っているはずの正一の姿が見えなかった。
「あれ? 正一のやつ、どこへ行ったんだろう?」
ヤチカが首をかしげた時、店と隣のアパートの間の狭い路地から、動物の鳴き声がした。
覗いてみると、作務衣姿の正一が地面にしゃがみこみ、野良犬の頭をなでているところだった。
けっこう大きな犬である。
耳が片方ちぎれ、片目がつぶれかけている。
杏里は老婆の言葉を思い出した。
ー正一はね、人間とはしゃべらないが、犬とは会話ができるんだよ。
老婆は確か、そんなことを言ったのだ。
杏里たちの姿を見るなり、野良犬はひと声低くうなり、正一の手をすり抜けて路地の反対側の出入口のほうへと逃げていってしまった。
「おお、これはまた、水も滴るいい男じゃないか」
手を払いながら立ち上がる正一に、もっくんが声をかけた。
正一が無表情にもっくんを見返した。
「あばあさまの言った通りなんだね」
ヤチカが感心したように言う。
「犬となら友達になれる、か。まあ、でなけりゃ計画がとん挫するから、困るわけなんだけど」
もっくんはすっかり正一に興味を持ったようだ。
大股に近づいていくと、おもむろにそのやせた体を抱き寄せて、両手で正一の手を握る。
「名前、正一っていうのかい? 今度さ、ひとりでうちにおいでよ。あたしがいいこと教えてあげるから」
握った正一の手を自分のレザーパンツの前に引き寄せ、ペニスの形がわかるほどに膨らんだそこにぐいぐい押しつけている。
その肩越しに正一が杏里のほうを見た。
杏里はハイレグのボディスーツから生の乳房を飛び出させたままである。
股の間からは薄桃色の花弁の一部まで覗かせている。
切れ長の正一の目が、瞬間丸くなった。
あられもない杏里の姿を食い入るように見つめたまま、表情を凍りつかせた。
「やだ、この子、興奮してるよ。ひょっとして、あたしのこと、気に入ってくれたのかい?」
もっくんが嬌声を上げる。
今度は正一の細い腰に両手を回し、パンツの前のふくらみを正一のズボンの前にグイグイこすりつけた。
「それはどうかな」
ヤチカが苦笑した。
「正一がバイセクシャルだって話は聞いたことがないよ。おおかた、女神さまの新しい衣装が気に入ったってとこじゃない?」
「女神様?」
「杏里だよ。正一は人形師でね。杏里を女神みたいに崇拝してるんだ」
再び車に乗り込み、いよいよ堤邸に向かった。
「ここから車で10分ほどだ。丘のふもとでで車を降りたら、そこからは歩きだな」
言いながらもヤチカは片手で杏里の濡れた膣を弄び続けている。
時々乳房に手を這わせ、乳首を強くつねりあげたりした。
そのたびに杏里は奥歯をかみしめ、ともすれば漏れそうになる喘ぎを押し殺した。
あと10分もこんなことされ続けたら、私、車の中でいっちゃうかも…。
ヤチカの指がボディスーツに開いたスリットから、杏里の肉襞を引っ張り出し、指でしごいてくる。
その合間に充血した”真珠”をこねまわすので、杏里はまたしてもスライムよろしく溶け出していた。
「あ、見えたよ」
前方に迫るこんもりとした森を指差して、後部座席から重人が言った。
ヤチカは器用に右手一本で車を回すと、その手前の空き地の隅に幅寄せして止めた。
「さ、いよいよだ」
杏里の股間から手を引っ込め、てきぱきとシートベルトを外し始める。
杏里は首を倒すと、そんなヤチカをとろんとした目で見つめ、くぐもった声で言った。
「ヤチカさん…、もうやめちゃうの?」
「あれ? 正一のやつ、どこへ行ったんだろう?」
ヤチカが首をかしげた時、店と隣のアパートの間の狭い路地から、動物の鳴き声がした。
覗いてみると、作務衣姿の正一が地面にしゃがみこみ、野良犬の頭をなでているところだった。
けっこう大きな犬である。
耳が片方ちぎれ、片目がつぶれかけている。
杏里は老婆の言葉を思い出した。
ー正一はね、人間とはしゃべらないが、犬とは会話ができるんだよ。
老婆は確か、そんなことを言ったのだ。
杏里たちの姿を見るなり、野良犬はひと声低くうなり、正一の手をすり抜けて路地の反対側の出入口のほうへと逃げていってしまった。
「おお、これはまた、水も滴るいい男じゃないか」
手を払いながら立ち上がる正一に、もっくんが声をかけた。
正一が無表情にもっくんを見返した。
「あばあさまの言った通りなんだね」
ヤチカが感心したように言う。
「犬となら友達になれる、か。まあ、でなけりゃ計画がとん挫するから、困るわけなんだけど」
もっくんはすっかり正一に興味を持ったようだ。
大股に近づいていくと、おもむろにそのやせた体を抱き寄せて、両手で正一の手を握る。
「名前、正一っていうのかい? 今度さ、ひとりでうちにおいでよ。あたしがいいこと教えてあげるから」
握った正一の手を自分のレザーパンツの前に引き寄せ、ペニスの形がわかるほどに膨らんだそこにぐいぐい押しつけている。
その肩越しに正一が杏里のほうを見た。
杏里はハイレグのボディスーツから生の乳房を飛び出させたままである。
股の間からは薄桃色の花弁の一部まで覗かせている。
切れ長の正一の目が、瞬間丸くなった。
あられもない杏里の姿を食い入るように見つめたまま、表情を凍りつかせた。
「やだ、この子、興奮してるよ。ひょっとして、あたしのこと、気に入ってくれたのかい?」
もっくんが嬌声を上げる。
今度は正一の細い腰に両手を回し、パンツの前のふくらみを正一のズボンの前にグイグイこすりつけた。
「それはどうかな」
ヤチカが苦笑した。
「正一がバイセクシャルだって話は聞いたことがないよ。おおかた、女神さまの新しい衣装が気に入ったってとこじゃない?」
「女神様?」
「杏里だよ。正一は人形師でね。杏里を女神みたいに崇拝してるんだ」
再び車に乗り込み、いよいよ堤邸に向かった。
「ここから車で10分ほどだ。丘のふもとでで車を降りたら、そこからは歩きだな」
言いながらもヤチカは片手で杏里の濡れた膣を弄び続けている。
時々乳房に手を這わせ、乳首を強くつねりあげたりした。
そのたびに杏里は奥歯をかみしめ、ともすれば漏れそうになる喘ぎを押し殺した。
あと10分もこんなことされ続けたら、私、車の中でいっちゃうかも…。
ヤチカの指がボディスーツに開いたスリットから、杏里の肉襞を引っ張り出し、指でしごいてくる。
その合間に充血した”真珠”をこねまわすので、杏里はまたしてもスライムよろしく溶け出していた。
「あ、見えたよ」
前方に迫るこんもりとした森を指差して、後部座席から重人が言った。
ヤチカは器用に右手一本で車を回すと、その手前の空き地の隅に幅寄せして止めた。
「さ、いよいよだ」
杏里の股間から手を引っ込め、てきぱきとシートベルトを外し始める。
杏里は首を倒すと、そんなヤチカをとろんとした目で見つめ、くぐもった声で言った。
「ヤチカさん…、もうやめちゃうの?」
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