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第6部 淫蕩のナルシス
#62 作戦開始
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丘を上がると、うっそうと茂る樹木を背景にして、天を突くような大きな門が見えてきた。
「まずは重人君、僕についてきて。杏里と正一は、合図があるまでここで待機」
ヤチカが言って、重人の手を引き、門に向かって歩き出す。
ここに来る間、食事をとりながらヤチカが話してくれた計画は、こうだった。
ヤチカがインターホンを押し、雑誌社の記者というふれこみでひとり目のボディガードをおびき出す。
それを重人が催眠能力で眠らせ、その隙に正一と杏里が中に侵入。
正一が番犬を手なづけているうちに、杏里が残ったふたり目のボディガードを体で誘惑する。
万が一、杏里ひとりで手に負えない場合は、後から侵入した重人が催眠能力で加勢。
屋敷に潜入することに成功したら、4人でまっすぐ地下室に。
零に見つからなければそのまま由羅を救出して逃げるだけだが、もし零に見つかった場合は、杏里とヤチカで零をなんとか無力化する…。
「うまくいくかな」
不安に苛まれながら様子を見守っていると、まずは計画通り、ヤチカがボディガードを外に呼び出したところだった。
重人の手際の良さは特筆すべきもので、ボディガードがヤチカと会話を交わしている隙に横からそっとその手を握り、10秒ほどであっさりその大男を眠らせてしまった。
ヤチカが手招きするのを確認して、杏里は正一と一緒に木陰を離れた。
両開きの扉は少し開いていて、杏里と正一はそこから内部に滑り込んだ。
放物線を描いた車寄せの伸びる、広い前庭が目の前に開けた。
芝生と花々に彩られた美しい空間である。
正面には2階建ての和風の屋敷。
背は高くないが、継ぎ足した棟が翼のように横に広がっている。
放し飼いになっていたらしく、すぐにうなり声とともに、2頭の猛犬が飛び出してきた。
真っ黒なドーベルマンと筋肉質の体躯をした土佐犬だった。
「きゃあっ」
悲鳴を上げる杏里の前に正一が進み出た。
そうして、飛びかかってきた2頭の犬の太い首を、両腕を伸ばして絶妙のタイミングで同時に抱きしめた。
きゃいいん。
妙に可愛げな声を上げて、とたんに猛犬たちが大人しくなる。
杏里は舌を巻く思いだった。
正一さんったら、すごい。
まるで盲導犬の調教師みたい。
さあ、次は私の番だけど、そんなにうまくいくかしら…。
正一をその場に残し、屋敷に近づくと、杏里は薄いカーディガンを脱いで黒革のボディスーツ姿になった。
もっくんに教えられた通り、胸のカップをはずした。
ぽろんと勢いよく飛び出す乳房。
片方ずつ持ち上げ、口に近づけると、舌を伸ばして交互に乳首を舐める。
「やん」
思わず感じて甘い吐息を漏らした。
続いて足を軽く開いて、ハイレグ気味のVゾーンのセンターを通るファスナーを少しずつ上げていく。
へそ下まで上げたところで指で左右に開くと、その間から無毛の恥丘が顔を出した。
右の乳首を舐めながら左手で割れ目をまさぐった。
ふだんからオナニーで鍛えているだけで、杏里は濡れるのが早い。
ほとんど自分の意志で、膣壁からの愛液の分泌量を調整できるほどだ。
更にクリトリスまでいじめていると、全身の毛穴から防護液がにじみ出すのが分かった。
同時に濃い体臭が周囲の空気に満ち始める。
ジャコウの香りに似た、嗅ぐ者の理性を狂わせずにはおかない、タナトス特有のフェロモンの匂いである。
「ああ…気持ち、いい」
無意識のうちにそう声に出した時だった。
「なんだおまえは?」
頭上にふいに黒い影が差したかと思うと、野太い声が降ってきた。
「どうやって入ってきた? こんなところで何をしている?」
肩幅の広い、黒いスーツ姿の男が立っていた。
サングラスの奥から、杏里をじっと見下ろしている。
杏里は芝生の上に座り込んだ。
ぐいと乳房を突き出し、しどけなく下半身を放り出すと、とびきり甘ったるい声で言ってみた。
「私…、ここで気持ちよくなっちゃ、いけませんか?」
「まずは重人君、僕についてきて。杏里と正一は、合図があるまでここで待機」
ヤチカが言って、重人の手を引き、門に向かって歩き出す。
ここに来る間、食事をとりながらヤチカが話してくれた計画は、こうだった。
ヤチカがインターホンを押し、雑誌社の記者というふれこみでひとり目のボディガードをおびき出す。
それを重人が催眠能力で眠らせ、その隙に正一と杏里が中に侵入。
正一が番犬を手なづけているうちに、杏里が残ったふたり目のボディガードを体で誘惑する。
万が一、杏里ひとりで手に負えない場合は、後から侵入した重人が催眠能力で加勢。
屋敷に潜入することに成功したら、4人でまっすぐ地下室に。
零に見つからなければそのまま由羅を救出して逃げるだけだが、もし零に見つかった場合は、杏里とヤチカで零をなんとか無力化する…。
「うまくいくかな」
不安に苛まれながら様子を見守っていると、まずは計画通り、ヤチカがボディガードを外に呼び出したところだった。
重人の手際の良さは特筆すべきもので、ボディガードがヤチカと会話を交わしている隙に横からそっとその手を握り、10秒ほどであっさりその大男を眠らせてしまった。
ヤチカが手招きするのを確認して、杏里は正一と一緒に木陰を離れた。
両開きの扉は少し開いていて、杏里と正一はそこから内部に滑り込んだ。
放物線を描いた車寄せの伸びる、広い前庭が目の前に開けた。
芝生と花々に彩られた美しい空間である。
正面には2階建ての和風の屋敷。
背は高くないが、継ぎ足した棟が翼のように横に広がっている。
放し飼いになっていたらしく、すぐにうなり声とともに、2頭の猛犬が飛び出してきた。
真っ黒なドーベルマンと筋肉質の体躯をした土佐犬だった。
「きゃあっ」
悲鳴を上げる杏里の前に正一が進み出た。
そうして、飛びかかってきた2頭の犬の太い首を、両腕を伸ばして絶妙のタイミングで同時に抱きしめた。
きゃいいん。
妙に可愛げな声を上げて、とたんに猛犬たちが大人しくなる。
杏里は舌を巻く思いだった。
正一さんったら、すごい。
まるで盲導犬の調教師みたい。
さあ、次は私の番だけど、そんなにうまくいくかしら…。
正一をその場に残し、屋敷に近づくと、杏里は薄いカーディガンを脱いで黒革のボディスーツ姿になった。
もっくんに教えられた通り、胸のカップをはずした。
ぽろんと勢いよく飛び出す乳房。
片方ずつ持ち上げ、口に近づけると、舌を伸ばして交互に乳首を舐める。
「やん」
思わず感じて甘い吐息を漏らした。
続いて足を軽く開いて、ハイレグ気味のVゾーンのセンターを通るファスナーを少しずつ上げていく。
へそ下まで上げたところで指で左右に開くと、その間から無毛の恥丘が顔を出した。
右の乳首を舐めながら左手で割れ目をまさぐった。
ふだんからオナニーで鍛えているだけで、杏里は濡れるのが早い。
ほとんど自分の意志で、膣壁からの愛液の分泌量を調整できるほどだ。
更にクリトリスまでいじめていると、全身の毛穴から防護液がにじみ出すのが分かった。
同時に濃い体臭が周囲の空気に満ち始める。
ジャコウの香りに似た、嗅ぐ者の理性を狂わせずにはおかない、タナトス特有のフェロモンの匂いである。
「ああ…気持ち、いい」
無意識のうちにそう声に出した時だった。
「なんだおまえは?」
頭上にふいに黒い影が差したかと思うと、野太い声が降ってきた。
「どうやって入ってきた? こんなところで何をしている?」
肩幅の広い、黒いスーツ姿の男が立っていた。
サングラスの奥から、杏里をじっと見下ろしている。
杏里は芝生の上に座り込んだ。
ぐいと乳房を突き出し、しどけなく下半身を放り出すと、とびきり甘ったるい声で言ってみた。
「私…、ここで気持ちよくなっちゃ、いけませんか?」
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