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第8部 妄執のハーデス
#91 窮余の策
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「わかってる…」
杏里はつぶやいた。
私がタナトス失格である理由。
2回の戦闘と殺戮を経て、杏里はぼんやりとだが、気づいていた。
まずは、触手と引き換えに、痛みを快感に変換する機能が失われてしまったこと。
それから、その代わりに得た、攻撃力、
やはり、ダメなのだ。
自分から攻撃したら、それはもう、タナトスではない。
己の身を犠牲にしても、相手の死の衝動を浄化する。
それこそが、タナトスの本来あるべき姿なのだから…。
ここへ来る直前、学校での浄化にことごとく失敗したのは、そのせいだった。
杏里は触手を使って相手のオルガスムを引き出しただけで、自分の身をまるで汚していなかったのである。
だが、問題は、その2点が不可分に結びついていることだ。
痛みに耐え切れないことがわかるから、先に触手を使ってしまう。
堂々巡りの、繰り返し…。
-それだけわかれば、もう言うことはないよ。問題は次だね。次の敵には、その触手は効かないよ。先に教えておいてあげるけどー
「知ってるの? Xが誰なのか、あなた、知ってるの?」
-おまえにも、由羅にも、おおよその見当はついてるんじゃないのかい? せいぜい瞬殺されないようにねー
それが最後の言葉だった。
サイコジェニーの去った空虚な頭で、杏里は考えた。
ありえない。
そんなこと、絶対に…。
でも、もし…もし、そうだとしたら、今度こそ触手は役に立たないに違いない。
ああ、いったい、どうしたら…。
頭を抱えてうずくまった時だった。
杏里の脳裏に、ふと、あるアイデアが閃いた。
明日の戦いには役立たなくても、”これ”の使い道は、まだあるのではないか?
ふとそう思ったのだ。
バスタオルを外し、裸になる。
頭からもタオルを取って、髪を肩に流した。
精神を肩甲骨のあたりに集中し、背中から2本の触手を顕現させた。
どこがいいだろう?
一番感じるところは?
ベッドは由羅が占領している。
仕方なく杏里は下に降り、床に這いつくばった。
手と足をゆっくり伸ばし、犬のような姿勢を取る。
脳裏で動きをトレースし、触手を交互に動かしていく。
股間に右手を伸ばし、秘裂を覆う肉襞をめくった。
そのわずかなすき間に、触手の先がぬるりと入り込んでいく。
もう1本は、やはり乳房に向けることにした。
ふたつの乳房の根元を8の字に巻き、強く縛ってから、鎌首をもたげた口吻で片方の乳首を頬張ってやる。
準備完了だ。
後は触手自身の機能に任せるだけだった。
繊細な愛撫をくり返しながら、触手が先端から体液を吐き出した。
杏里自身のエキスと美里のエキス、それから媚薬成分を含んだ淫靡な液体である。
ほんの数秒そうしただけで、杏里は電気ショックを受けたように痙攣した。
すさまじい快感に、一瞬にして意識が飛びそうになったのだ。
あわてて触手を引っ込め、股間に手を当ててみた。
長時間の愛撫を受けた直後のように、ぐっしょりと湿っている。
続きは指で十分だった。
愛撫の手を休めないように注意しながら、ベッドによじ登ると、杏里は由羅の上にまたがった。
由羅の身体を横に向け、脇腹のその傷口に、蜜壺からあふれる淫汁をしたたらせていく。
傷口が十分濡れると、その上に直接充血した大陰唇を押しつけて、おもむろに腰を動かし始めた。
杏里が前後に腰をスライドさせるたびに、静かな部屋にぴちゃぴちゃという音が響いた。
すぐに津波のような快感が押し寄せてきて、杏里は己の乳房を両手でぎゅっと鷲づかみにした。
「由羅…」
甘えるような声で喘いだ時、震えおののくような、最初のエクスタシーがやってきた。
杏里はつぶやいた。
私がタナトス失格である理由。
2回の戦闘と殺戮を経て、杏里はぼんやりとだが、気づいていた。
まずは、触手と引き換えに、痛みを快感に変換する機能が失われてしまったこと。
それから、その代わりに得た、攻撃力、
やはり、ダメなのだ。
自分から攻撃したら、それはもう、タナトスではない。
己の身を犠牲にしても、相手の死の衝動を浄化する。
それこそが、タナトスの本来あるべき姿なのだから…。
ここへ来る直前、学校での浄化にことごとく失敗したのは、そのせいだった。
杏里は触手を使って相手のオルガスムを引き出しただけで、自分の身をまるで汚していなかったのである。
だが、問題は、その2点が不可分に結びついていることだ。
痛みに耐え切れないことがわかるから、先に触手を使ってしまう。
堂々巡りの、繰り返し…。
-それだけわかれば、もう言うことはないよ。問題は次だね。次の敵には、その触手は効かないよ。先に教えておいてあげるけどー
「知ってるの? Xが誰なのか、あなた、知ってるの?」
-おまえにも、由羅にも、おおよその見当はついてるんじゃないのかい? せいぜい瞬殺されないようにねー
それが最後の言葉だった。
サイコジェニーの去った空虚な頭で、杏里は考えた。
ありえない。
そんなこと、絶対に…。
でも、もし…もし、そうだとしたら、今度こそ触手は役に立たないに違いない。
ああ、いったい、どうしたら…。
頭を抱えてうずくまった時だった。
杏里の脳裏に、ふと、あるアイデアが閃いた。
明日の戦いには役立たなくても、”これ”の使い道は、まだあるのではないか?
ふとそう思ったのだ。
バスタオルを外し、裸になる。
頭からもタオルを取って、髪を肩に流した。
精神を肩甲骨のあたりに集中し、背中から2本の触手を顕現させた。
どこがいいだろう?
一番感じるところは?
ベッドは由羅が占領している。
仕方なく杏里は下に降り、床に這いつくばった。
手と足をゆっくり伸ばし、犬のような姿勢を取る。
脳裏で動きをトレースし、触手を交互に動かしていく。
股間に右手を伸ばし、秘裂を覆う肉襞をめくった。
そのわずかなすき間に、触手の先がぬるりと入り込んでいく。
もう1本は、やはり乳房に向けることにした。
ふたつの乳房の根元を8の字に巻き、強く縛ってから、鎌首をもたげた口吻で片方の乳首を頬張ってやる。
準備完了だ。
後は触手自身の機能に任せるだけだった。
繊細な愛撫をくり返しながら、触手が先端から体液を吐き出した。
杏里自身のエキスと美里のエキス、それから媚薬成分を含んだ淫靡な液体である。
ほんの数秒そうしただけで、杏里は電気ショックを受けたように痙攣した。
すさまじい快感に、一瞬にして意識が飛びそうになったのだ。
あわてて触手を引っ込め、股間に手を当ててみた。
長時間の愛撫を受けた直後のように、ぐっしょりと湿っている。
続きは指で十分だった。
愛撫の手を休めないように注意しながら、ベッドによじ登ると、杏里は由羅の上にまたがった。
由羅の身体を横に向け、脇腹のその傷口に、蜜壺からあふれる淫汁をしたたらせていく。
傷口が十分濡れると、その上に直接充血した大陰唇を押しつけて、おもむろに腰を動かし始めた。
杏里が前後に腰をスライドさせるたびに、静かな部屋にぴちゃぴちゃという音が響いた。
すぐに津波のような快感が押し寄せてきて、杏里は己の乳房を両手でぎゅっと鷲づかみにした。
「由羅…」
甘えるような声で喘いだ時、震えおののくような、最初のエクスタシーがやってきた。
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