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#33 夢の中の夢④
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「し、知らない・・・こんなもの、見たこともない!」
僕は必死で抵抗する。
女刑事の手を振り払って逃げようとする。
事実、画面の映像は、確かに網膜に映っているのに、頭の中に統一した像を結ばない。
大脳が認識するのをシャットアウトしているからだ。
万華鏡のように、画像がきらめく。
血と肉にまみれた気色の悪い断片が、ロールシャッハテストのインクの染みみたいに蠢いた。
バラバラだ・・・。
みんな、バラバラにされている・・・。
脳も、肺も、心臓も、胃も、肝臓も、腸も・・・。
肌色だった画面に血の色が滲み、視界いっぱいに広がった。
アメーバー状に広がった真っ赤な膜が、まるで生きているかのように収縮を繰り返す。
「まさか、ここまで来ていたとはね」
遠くで女刑事の声がした。
「では、この少年が・・・?」
警官のひとりが、驚いたように聞き返す。
「砂糖のスティックが、いつのまにか、カツオダシにすり替わっていたのかも」
知らない知らない知らない知らない・・・。
僕は懸命に首を振り続けた。
刑事と警官の会話が遠ざかる。
躰が後方にぐんぐん引かれ、時間が巻き戻っていく。
マンションの一室の光景が針の穴のように小さくなり、ふと気づくと、なぜか僕は病室に戻っていた。
壁や天井に広がる汚い染み。
病棟にあふれる不気味なうめき声。
カーテンに映る、グロテスクなコンドウサンの影。
ずるっ、ずるっ。
何か重いものを引きずる音。
それが廊下に消えると、一転して周囲が明るくなり、場面が変わった。
全裸でベッドに横たわった僕の股間に、真剣な顔で乙都が両手を突っ込んでいる。
カテーテルが貫通した僕の性器を、両掌で揉みほぐすようにごしごし洗っているのだ。
羞恥のあまり、僕は弱々しくかぶりを振る。
そしたら、
「気持ちいいくせに! いい加減、認めたら?」
青い見習いナースの制服を着た乙都の代わりに、黒いミニワンピに着換えた小悪魔版乙都が現れて、快感に顔を歪める僕を嘲笑った。
「や、やめて・・・それ以上、弄られたら、で、出ちゃう・・・」
乙都の指使いの巧みさに、僕は恍惚となって涙ぐむ。
「遠慮しないで出しなよ。若いあんたのエキスなら大歓迎だよ。なんなら同時にアナルも刺激してあげようか?」
深い胸の谷間をこれ見よがしに見せつけて、両手でぐちゅぐちゅやりながら、堕天使めいた乙都が言う。
「こら、乙都。やり過ぎるなって言っただろ? 心臓が破裂したら、どうするんだ?」
そこに、刑事から女医に戻った泰良女史が姿を現した。
その後ろに、ボディガードよろしく立っているのは、先生より更に頭ひとつ背の高い蓮月だ。
だが、なぜかふたりとも、乙都同様、黒を基調とした露出度の高いユニフォームに身を包んでいる。
「・・・を試してみたいのは山々だが、貴重な検体が死んでは元も子もないだろう」
ノイズが入り、音声が一部聞こえない。
僕の下半身の中心で、あのおなじみのドクンドクンという脈動が始まったからだった。
「はううっ!」
脂で揚げられた海老みたいに反り返る僕。
鋭い快感が脊髄を貫き、津波のように一気に思考を奪い去る。
「あははは、やあだ、でも、もう、手遅れみたいですねー」
にやにや笑いながら、レンゲが乙都の手元をのぞきこむ。
「だってほら、カテーテルの中に、もうすでに真っ白なスキムミルクが・・・」
僕は必死で抵抗する。
女刑事の手を振り払って逃げようとする。
事実、画面の映像は、確かに網膜に映っているのに、頭の中に統一した像を結ばない。
大脳が認識するのをシャットアウトしているからだ。
万華鏡のように、画像がきらめく。
血と肉にまみれた気色の悪い断片が、ロールシャッハテストのインクの染みみたいに蠢いた。
バラバラだ・・・。
みんな、バラバラにされている・・・。
脳も、肺も、心臓も、胃も、肝臓も、腸も・・・。
肌色だった画面に血の色が滲み、視界いっぱいに広がった。
アメーバー状に広がった真っ赤な膜が、まるで生きているかのように収縮を繰り返す。
「まさか、ここまで来ていたとはね」
遠くで女刑事の声がした。
「では、この少年が・・・?」
警官のひとりが、驚いたように聞き返す。
「砂糖のスティックが、いつのまにか、カツオダシにすり替わっていたのかも」
知らない知らない知らない知らない・・・。
僕は懸命に首を振り続けた。
刑事と警官の会話が遠ざかる。
躰が後方にぐんぐん引かれ、時間が巻き戻っていく。
マンションの一室の光景が針の穴のように小さくなり、ふと気づくと、なぜか僕は病室に戻っていた。
壁や天井に広がる汚い染み。
病棟にあふれる不気味なうめき声。
カーテンに映る、グロテスクなコンドウサンの影。
ずるっ、ずるっ。
何か重いものを引きずる音。
それが廊下に消えると、一転して周囲が明るくなり、場面が変わった。
全裸でベッドに横たわった僕の股間に、真剣な顔で乙都が両手を突っ込んでいる。
カテーテルが貫通した僕の性器を、両掌で揉みほぐすようにごしごし洗っているのだ。
羞恥のあまり、僕は弱々しくかぶりを振る。
そしたら、
「気持ちいいくせに! いい加減、認めたら?」
青い見習いナースの制服を着た乙都の代わりに、黒いミニワンピに着換えた小悪魔版乙都が現れて、快感に顔を歪める僕を嘲笑った。
「や、やめて・・・それ以上、弄られたら、で、出ちゃう・・・」
乙都の指使いの巧みさに、僕は恍惚となって涙ぐむ。
「遠慮しないで出しなよ。若いあんたのエキスなら大歓迎だよ。なんなら同時にアナルも刺激してあげようか?」
深い胸の谷間をこれ見よがしに見せつけて、両手でぐちゅぐちゅやりながら、堕天使めいた乙都が言う。
「こら、乙都。やり過ぎるなって言っただろ? 心臓が破裂したら、どうするんだ?」
そこに、刑事から女医に戻った泰良女史が姿を現した。
その後ろに、ボディガードよろしく立っているのは、先生より更に頭ひとつ背の高い蓮月だ。
だが、なぜかふたりとも、乙都同様、黒を基調とした露出度の高いユニフォームに身を包んでいる。
「・・・を試してみたいのは山々だが、貴重な検体が死んでは元も子もないだろう」
ノイズが入り、音声が一部聞こえない。
僕の下半身の中心で、あのおなじみのドクンドクンという脈動が始まったからだった。
「はううっ!」
脂で揚げられた海老みたいに反り返る僕。
鋭い快感が脊髄を貫き、津波のように一気に思考を奪い去る。
「あははは、やあだ、でも、もう、手遅れみたいですねー」
にやにや笑いながら、レンゲが乙都の手元をのぞきこむ。
「だってほら、カテーテルの中に、もうすでに真っ白なスキムミルクが・・・」
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