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第6章 ネオ・チャイナの野望
#46 アニマ奪還作戦②
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部屋に戻る前に、湯あみすることにした。
出陣となれば、また当分の間、お風呂はおあずけだ。
「お身体、お流ししましょうか?」
ひとり地下浴場へ赴くと、どこから姿を現したのか、サトが棕櫚の葉の陰から声をかけてきた。
サトは全裸に薄物をまとっただけという、いわゆる準備万端のスタイルである。
「いいわね」
ショートパンツと、革のジャケットを脱ぎながら、ルビイは悪戯っぽく微笑んだ。
宮廷の大浴場は、プールほどもある広さである。
大理石を組んだ広間に、何面もの浴槽が設えられている。
浴槽には大きいものも小さいものも、また深いものも浅いものもあり、ありとあらゆる年齢層が楽しめるようになっている。
汗ばんだ躰を湯で清めて、最も大きな浴槽に滑り込む。
平泳ぎでゆっくりお湯を掻きながら一周して戻ってくると、全裸のサトがふくよかな胸でルビイを抱きしめた。
「ネオ・ホンコンへは距離の短い陸路にしますか? あるいは安全重視で海路という手もありますけど」
二人並んで浴槽の縁に座ると、ルビイの肌をタオルで拭きながら、サトが話しかけてきた。
「二手に分かれたらどうかと思うの。隊の規模が大きくなればなるほど目立ってしまう。ならば、陸路と海路に分かれて進む」
サトに身を任せて、ルビイは答えた。
ルビイ自身の経験からして、アニマを長い間放置しておくのは危険すぎる。
一刻も早く奪還しなければならない。
ならば。最も速いのはルビイのモーターサイクルだ。
ルビイひとりがハーレーを飛ばして砂漠を横断し、先にネオ・ホンコンに潜入する。
後の者は、退路を確保するために、商船に艤装して、アニマを救い出したルビイを港で待つ。
「ならば船はマグナたちに任せましょう。サトはルビイさまのお供をいたします」
ルビイの乳首を摘まみ、弄りながら、サトが言う。
「アニムスを連れて行こうと思ってたんだけど」
「アニムスは危険です。アニマのことで冷静さを欠いています。いざという時、何をしでかすかわかりません」
「まあ、アニマが拉致されたのは、自分のせいだと思い込んでるみたいだからね。ただ、彼のほうが、あなたよりは戦力になる。色仕掛けで切り抜けられることばかりじゃないからね」
「それなら、3人で陸路というのはどうですか? サイドカーをつければ、できないことはありませんよ」
「なるほど」
ルビイはうなずいた。
「船にはマグナとエリス、それと近衛兵団の精鋭部隊というわけね」
「アニムスはサトが監督しましょう。暴走しないように」
「あの子の筆おろしでもするつもり?」
ルビイがからかうと、生真面目な顔でサトが首を横に振った。
「いいえ。それならもう、済んでます」
出陣となれば、また当分の間、お風呂はおあずけだ。
「お身体、お流ししましょうか?」
ひとり地下浴場へ赴くと、どこから姿を現したのか、サトが棕櫚の葉の陰から声をかけてきた。
サトは全裸に薄物をまとっただけという、いわゆる準備万端のスタイルである。
「いいわね」
ショートパンツと、革のジャケットを脱ぎながら、ルビイは悪戯っぽく微笑んだ。
宮廷の大浴場は、プールほどもある広さである。
大理石を組んだ広間に、何面もの浴槽が設えられている。
浴槽には大きいものも小さいものも、また深いものも浅いものもあり、ありとあらゆる年齢層が楽しめるようになっている。
汗ばんだ躰を湯で清めて、最も大きな浴槽に滑り込む。
平泳ぎでゆっくりお湯を掻きながら一周して戻ってくると、全裸のサトがふくよかな胸でルビイを抱きしめた。
「ネオ・ホンコンへは距離の短い陸路にしますか? あるいは安全重視で海路という手もありますけど」
二人並んで浴槽の縁に座ると、ルビイの肌をタオルで拭きながら、サトが話しかけてきた。
「二手に分かれたらどうかと思うの。隊の規模が大きくなればなるほど目立ってしまう。ならば、陸路と海路に分かれて進む」
サトに身を任せて、ルビイは答えた。
ルビイ自身の経験からして、アニマを長い間放置しておくのは危険すぎる。
一刻も早く奪還しなければならない。
ならば。最も速いのはルビイのモーターサイクルだ。
ルビイひとりがハーレーを飛ばして砂漠を横断し、先にネオ・ホンコンに潜入する。
後の者は、退路を確保するために、商船に艤装して、アニマを救い出したルビイを港で待つ。
「ならば船はマグナたちに任せましょう。サトはルビイさまのお供をいたします」
ルビイの乳首を摘まみ、弄りながら、サトが言う。
「アニムスを連れて行こうと思ってたんだけど」
「アニムスは危険です。アニマのことで冷静さを欠いています。いざという時、何をしでかすかわかりません」
「まあ、アニマが拉致されたのは、自分のせいだと思い込んでるみたいだからね。ただ、彼のほうが、あなたよりは戦力になる。色仕掛けで切り抜けられることばかりじゃないからね」
「それなら、3人で陸路というのはどうですか? サイドカーをつければ、できないことはありませんよ」
「なるほど」
ルビイはうなずいた。
「船にはマグナとエリス、それと近衛兵団の精鋭部隊というわけね」
「アニムスはサトが監督しましょう。暴走しないように」
「あの子の筆おろしでもするつもり?」
ルビイがからかうと、生真面目な顔でサトが首を横に振った。
「いいえ。それならもう、済んでます」
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