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第6章 ネオ・チャイナの野望
#55 少女に迫る危機⑦
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ドアが開き、アネモネの丸っこい身体が部屋の中に入ってきた。
「なんだ、お風呂かい。まあいい、アニマ、出な」
マネキンメイドたちを押しのけてバスタブの横に立つと、くびれのない腰に両手を当て、胸を反らして命令した。
「はあい」
アニマはしぶしぶ泡の中から腰を上げた。
バスタブの中に立つとお湯は膝下までしかなく、裸の全身にぞくっと悪寒が走り抜けた。
「躰はどんな具合だい?」
アネモネがメイドのひとりからタオルを受け取り、アニマの上半身を拭く。
シャボンの下から、乳首をつまんで軽く引っ張ったような形の、ささやかな膨らみが現れた。
まだほとんど脂肪のついていないその部分は、”房”というより、単なる”突起”にすぎない。
乳輪は小さく、乳首自体、メラニン色素の沈着が見られないため、肌のほかの部分と比べて色も変わらない。
が、今その小さな丘の頂で、アニマの乳首は硬く尖っていた。
最近、触るとすぐに硬くなり、妙な気分になってくる。
躰を洗っているうちに、無意識に指で何度も触れていたに違いない。
子供っぽい貧相な体つきを責められるかと思いきや、アネモネの反応はその真逆だった。
「いいじゃないか、その胸乳。まだほとんど膨らんでいないのに、乳首だけ大きめだ。ニンフォマニアのお得意様方は、そういう躰こそ好みなんだよ」
「やめて。変なこと、言わないで」
アニマはアネモネの手を振り払い、奪い取ったタオルで胸を隠した。
寒い。
それに、なんだか下腹がしくしく痛む。
最悪の体調だ。
「こんな時間に何の用? あたしはもうすぐ寝るんだから、じゃましに来ないでよ」
「まあまあ、相変わらず威勢のいい山猿ぶりだこと」
アネモネの豚のような眼に、残忍な光が宿った。
「実はちょうど今、おまえさんをぜひに、っていうお客さんが、みえててね。正式なお披露目の前に、ちょっと相手をしてあげてほしいのさ」
「馬鹿言わないで。一週間は猶予をくれるって、最初にあんた、そう言ったじゃない」
アニマは血相を変え、食ってかかった。
そうして時間を稼ぎ、ルビイたちの救出を待つ。
それが計画だったのだ。
「それがさ、なんせ、昔からの大得意様なんで、断り切れなくてさ。なあ、いいだろう? おまえさんは何もしなくていいんだ。ただ、マグロみたいに、ベッドに寝っ転がっていれば、それでいいんだから」
「やだよ、気持ち悪い」
見知らぬ男の手が躰のあちこちをまさぐるさまをイメージすると、鳥肌が立った。
冗談じゃない。
なんであたしが、こんなとこで、よりによって異国の変態の玩具にされなけりゃならないんだよ!
「文句の言えた義理かい。自分の立場をわきまえな。おまえたち、ぼーっと突っ立ってないで、この娘をベッドに縛りつけな!」
アネモネの命令で、3人のマネキンメイドが、一斉に動いた。
部屋の隅で待機していた二体のホムンクルスも動き出す。
「やめろ! 触るな! あっちへいけ!」
バスタブから担ぎ上げられ、ベッドまで運ばれた。
全裸でシーツの上に転がされ、ホムンクルスたちに押さえ込まれそうになった、その瞬間だった。
「うわ、なにこれ?」
ふいに内腿にぬるっとしたものを感じて、アニマは悲鳴を上げた。
見ると、血のような液体が股間からあふれ、太腿の内側を伝い落ちている。
アニマは焦った。
なんだろう?
どうして血が?
ベッドに投げ出された時、どこかに傷でも負ったのだろうか?
「くそ、なんて間の悪い」
アネモネが醜く顔をしかめた。
「おまえさん、初めてなんだね? こんな時に初潮だなんて、ったくどうかしてるよ!」
「なんだ、お風呂かい。まあいい、アニマ、出な」
マネキンメイドたちを押しのけてバスタブの横に立つと、くびれのない腰に両手を当て、胸を反らして命令した。
「はあい」
アニマはしぶしぶ泡の中から腰を上げた。
バスタブの中に立つとお湯は膝下までしかなく、裸の全身にぞくっと悪寒が走り抜けた。
「躰はどんな具合だい?」
アネモネがメイドのひとりからタオルを受け取り、アニマの上半身を拭く。
シャボンの下から、乳首をつまんで軽く引っ張ったような形の、ささやかな膨らみが現れた。
まだほとんど脂肪のついていないその部分は、”房”というより、単なる”突起”にすぎない。
乳輪は小さく、乳首自体、メラニン色素の沈着が見られないため、肌のほかの部分と比べて色も変わらない。
が、今その小さな丘の頂で、アニマの乳首は硬く尖っていた。
最近、触るとすぐに硬くなり、妙な気分になってくる。
躰を洗っているうちに、無意識に指で何度も触れていたに違いない。
子供っぽい貧相な体つきを責められるかと思いきや、アネモネの反応はその真逆だった。
「いいじゃないか、その胸乳。まだほとんど膨らんでいないのに、乳首だけ大きめだ。ニンフォマニアのお得意様方は、そういう躰こそ好みなんだよ」
「やめて。変なこと、言わないで」
アニマはアネモネの手を振り払い、奪い取ったタオルで胸を隠した。
寒い。
それに、なんだか下腹がしくしく痛む。
最悪の体調だ。
「こんな時間に何の用? あたしはもうすぐ寝るんだから、じゃましに来ないでよ」
「まあまあ、相変わらず威勢のいい山猿ぶりだこと」
アネモネの豚のような眼に、残忍な光が宿った。
「実はちょうど今、おまえさんをぜひに、っていうお客さんが、みえててね。正式なお披露目の前に、ちょっと相手をしてあげてほしいのさ」
「馬鹿言わないで。一週間は猶予をくれるって、最初にあんた、そう言ったじゃない」
アニマは血相を変え、食ってかかった。
そうして時間を稼ぎ、ルビイたちの救出を待つ。
それが計画だったのだ。
「それがさ、なんせ、昔からの大得意様なんで、断り切れなくてさ。なあ、いいだろう? おまえさんは何もしなくていいんだ。ただ、マグロみたいに、ベッドに寝っ転がっていれば、それでいいんだから」
「やだよ、気持ち悪い」
見知らぬ男の手が躰のあちこちをまさぐるさまをイメージすると、鳥肌が立った。
冗談じゃない。
なんであたしが、こんなとこで、よりによって異国の変態の玩具にされなけりゃならないんだよ!
「文句の言えた義理かい。自分の立場をわきまえな。おまえたち、ぼーっと突っ立ってないで、この娘をベッドに縛りつけな!」
アネモネの命令で、3人のマネキンメイドが、一斉に動いた。
部屋の隅で待機していた二体のホムンクルスも動き出す。
「やめろ! 触るな! あっちへいけ!」
バスタブから担ぎ上げられ、ベッドまで運ばれた。
全裸でシーツの上に転がされ、ホムンクルスたちに押さえ込まれそうになった、その瞬間だった。
「うわ、なにこれ?」
ふいに内腿にぬるっとしたものを感じて、アニマは悲鳴を上げた。
見ると、血のような液体が股間からあふれ、太腿の内側を伝い落ちている。
アニマは焦った。
なんだろう?
どうして血が?
ベッドに投げ出された時、どこかに傷でも負ったのだろうか?
「くそ、なんて間の悪い」
アネモネが醜く顔をしかめた。
「おまえさん、初めてなんだね? こんな時に初潮だなんて、ったくどうかしてるよ!」
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