臓物少女

戸影絵麻

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#34 奇妙な潜伏生活⑥

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「な、な・・・」
 明は絶句した。
 紗英の可愛い唇から、いきなり”射精”なるキラーワードが飛び出してきたのである。
 できる。
 寸時に思った。
 なんなら、その言葉を反芻するだけでも、今すぐに・・・。
 しかし、ふいに湧き上がったその背徳的な欲情とは裏腹に、
 だめだ。
 そう、自分を戒める声も、心の中では響いていた。
 思いを寄せる少女の前で、射精だと?
 全裸で正座してチンポを勃たせているだけでもおおごとなのに、この上更にまだ恥の上塗りをする気なのかー。
 明と紗英が今置かれているのは、TV特撮ヒーローものの世界観が現実化したような状況である。
 ヒーローものに、登場人物がヒロインに射精を要求されるなどという、そんな不条理なシーンなどあっていいはずがない。
 そう思ったのだ。
 が、現実は、明が夢想するほど、甘くはなかった。
「話には聞いてるんだけど、見たことないんだよねえ。男が射精するところって」
 ロケットおっぱいを上腕部で支えるように腕組みをして、紗英が言う。
 そりゃそうだろう、と明は思う。
 どこの学校でも、そこまであからさまな性教育は行うまい。
 そんなことしたら、一発でPTAが騒ぎ出し、SNSで大炎上だ・・・。
「ねえ、だめ?」
 フリーズしていっこうに反応しない明に業を煮やしたのか、拗ねたような口調になって紗英が言った。
 弱々しく横に首を振る明。
 さすがにだめだ。
 いくら俺がクズでも、そこまで堕ちる気には・・・。
 そう思った、その瞬間だった。
「だったら、これは?」
 紗英が突然、素早い動きで明の背後に回った。
 ?
 振り向くよりも、早かった。
 後ろから両手を伸ばしてきたかと思うと、紗英がやにわに指で明の乳首をつまんだのだ。
「きゅきゅうっ!」
 突き抜ける快感に、明は歓喜の悲鳴を上げた。
 身体の底からマグマが噴き上がり、どくんどくんと股間の肉バナナが脈動し始めた。
「イ、イッチャウッ!」
 脳内スクリーンが爆発したかのように白熱し、明は正座したまま大きくのけぞった。
「きゃっ!」
 静寂を切り裂く紗英の悲鳴を、
 どびゅっ。
 どびゅびゅびゅっ!
 多量の何かが噴出する音が遮った。 
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