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受付で用件を話すと、二階のロビーで待つように言われた。
どうやら館長に取り次いでくれるらしい。
「なんだか、迷宮みたいだね」
ロビーの窓に向かって立ち、風花が言った。
外に広がっているのは、水族館をその一部とする、この湾岸地区の工業地帯である。
石油コンビナート、工場、発電所、変電所などを、うねうねと伸びるパイプラインが複雑につないでいる。
その建物群のあちこちにも、コウモリたちは飛び交っている。
「ここが、ひとつの企業の傘下にあるって、知ってた?」
「ひとつの企業?」
「うん、三つ星重化学工業」
なるほど、タンクや工場の側面には、どれも三つの星を象ったロコが描かれているようだ。
「三ツ星って、凄い大企業だよね」
「だね。戦争の時は、確か戦闘機を作ってたんじゃないかな」
「国営企業みたいなものってことだね」
「たぶんそうかも」
風花ととりとめない会話を交わしながら、あたしはある人影に目を引かれた。
あれ?
あの人、あんなところで、何をしてるんだろう?
どうやら館長に取り次いでくれるらしい。
「なんだか、迷宮みたいだね」
ロビーの窓に向かって立ち、風花が言った。
外に広がっているのは、水族館をその一部とする、この湾岸地区の工業地帯である。
石油コンビナート、工場、発電所、変電所などを、うねうねと伸びるパイプラインが複雑につないでいる。
その建物群のあちこちにも、コウモリたちは飛び交っている。
「ここが、ひとつの企業の傘下にあるって、知ってた?」
「ひとつの企業?」
「うん、三つ星重化学工業」
なるほど、タンクや工場の側面には、どれも三つの星を象ったロコが描かれているようだ。
「三ツ星って、凄い大企業だよね」
「だね。戦争の時は、確か戦闘機を作ってたんじゃないかな」
「国営企業みたいなものってことだね」
「たぶんそうかも」
風花ととりとめない会話を交わしながら、あたしはある人影に目を引かれた。
あれ?
あの人、あんなところで、何をしてるんだろう?
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