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痩せたショートボブの少女と、背の低い丸顔の少女のコンビだった。
中学生?
それとも、高校生だろうか?
ふたりとも、きょうの水泳大会を見に来た観客には違いないだろう。
おそらく出場者の中に、同じ学校の生徒でもいて、その応援に来たとでもいったところか。
突然声をかけられ、ふたりはきょとんとした表情で、俺を見つめている。
無理もない。
こっちは昼間からフードを被った、いかにも怪しげな格好をしているのだ。
ひとつ間違えば、大騒ぎされて、警察を呼ばれているところである。
そうとわかっていて、なぜ彼女らに声をかける気になったのか、正直、俺にもよくわからなかった。
いくら雨天の日だといっても、昼間に外に出ているのは健康に悪影響を及ぼす。
ここはすぐに建物内に入るべきなのに、なぜ自分から面倒を引き起こしてしまったのかー。
もしかしたら、おぼろげに見えてきた事の真相を分かち合う相手がほしかったのかもしれなかった。
「どういうことですか? コウモリたちが、女王さまを探してるって」
背の低いほうが訊いてきた。
艶のあるアニメ声だが、気の強そうな面構えをしている。
「コウモリには、おまえら人間には聴こえない音が聴こえてる。そのぐらい、学校で習っただろう」
「超音波ですよね。エコー、なんとかっていう」
「エコーロケーションだ。やつらが暗闇でも飛べるのはその能力があるからだ」
「あのう…人違いなら、あれなんですけどお…」
その時、ショートボブのほうが、突然、横から口をはさんできた。
「あなた、この前、水族館の近くに居ましたよね。あの、レンタル倉庫のあるあたりに」
中学生?
それとも、高校生だろうか?
ふたりとも、きょうの水泳大会を見に来た観客には違いないだろう。
おそらく出場者の中に、同じ学校の生徒でもいて、その応援に来たとでもいったところか。
突然声をかけられ、ふたりはきょとんとした表情で、俺を見つめている。
無理もない。
こっちは昼間からフードを被った、いかにも怪しげな格好をしているのだ。
ひとつ間違えば、大騒ぎされて、警察を呼ばれているところである。
そうとわかっていて、なぜ彼女らに声をかける気になったのか、正直、俺にもよくわからなかった。
いくら雨天の日だといっても、昼間に外に出ているのは健康に悪影響を及ぼす。
ここはすぐに建物内に入るべきなのに、なぜ自分から面倒を引き起こしてしまったのかー。
もしかしたら、おぼろげに見えてきた事の真相を分かち合う相手がほしかったのかもしれなかった。
「どういうことですか? コウモリたちが、女王さまを探してるって」
背の低いほうが訊いてきた。
艶のあるアニメ声だが、気の強そうな面構えをしている。
「コウモリには、おまえら人間には聴こえない音が聴こえてる。そのぐらい、学校で習っただろう」
「超音波ですよね。エコー、なんとかっていう」
「エコーロケーションだ。やつらが暗闇でも飛べるのはその能力があるからだ」
「あのう…人違いなら、あれなんですけどお…」
その時、ショートボブのほうが、突然、横から口をはさんできた。
「あなた、この前、水族館の近くに居ましたよね。あの、レンタル倉庫のあるあたりに」
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