VRMMOを引退してソロゲーでスローライフ ~仲良くなった別ゲーのNPCが押しかけてくる~

オクトパスボールマン

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第5話 村周辺を散策しよう

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 さて、朝食も終えたのでさっそく「のんびり牧場ファンタジー」をはじめる。

 畑でログアウトしたので、畑にそのまま出てきた。ログアウト自体はNPCの私有地以外ならどこでもログアウトできるようだ。NPCの許可があればそのNPCの私有地でもログアウトできるらしい。

「おー!さっそく芽が出てる」

 畑を見るとカブ、ジャガイモを植えた種がどれも芽が出ていた。このスピードなら2,3日程度で収穫できるのかもしれない。

 とりあえず、水やりを終え次に何をしようか思案する。

「まだ村を出ていないから散策してみようかな。あー、モンスターいる世界だし危険かもしれないな。武器もないし村長に聞いてみるか」

 俺はさっそく村長の家に行った。

「コウタじゃないか。どうしたんじゃ?」

「村の周辺を散策したいんだけど、気を付けることはあるかな?」

「この辺りは穏やかな動物しかおらんから特にないのぅ」

「モンスターとかいないの?」

「魔素が薄いからモンスターが住み着かないのじゃ。なぜかは、わしもよくわからん。そのあたりは住人のクリスが詳しいじゃろ。あやつは生き物について研究しておるようじゃ」

 ふむふむ。暇なときにでもクリスさんに会って話でも聞くか。クリスさんは細身で眼鏡をかけた男性だ。あいさつしたときに研究職とは言ってたが詳しい話を聞けていない。
 そのほか、周辺の環境を軽く聞いておいた。とりあえず安全らしいので散策しよう。

 村を出ると目の前には草原が広がっていた。定期的にやってくる行商人が使っているであろう舗装された道もある。

「東に少し歩けば川があるらしいし、見に行ってみるか」

 100m程進むとぽつぽつと木が生えており、川の流れる音が聞こえるようになってきた。

「お、川発見」

 目の前には川幅20~30m程で流れが緩やかなきれいな川があった。

 水が澄んでいるため魚が泳いでる姿もちらほら見える。

「釣り竿はインベントリになかったんだよな。村に売ってるかな」

 FWOでも釣りはしていた。仲のよいNPCと一緒に釣りをしながら話して過ごしたこともついこの前の記憶のはずだが、とても遠くの記憶に感じてしまう。

 みんな元気にしてるかな……。いかん、センチメンタルな気分になってしまった。

「村に戻ったら確認しよう」

 気分を切り替えこのまま散策を続行することにし、上流に向かって歩き始める。

「ちょっと歩きにくくなってきたな」

 上流に向かうにつれ、ごつごつとした石が増えてきて歩きにくい。木々もだいぶ密集してきたため、見通しも悪くなってきた。

「ちらほらリスっぽい動物とかいるな。んー鑑定スキルみたいなのはないのかな」

 気になったのでメニューからTipsを開き、鑑定的なものはないか軽く探す。

「おっ、あった。雑貨屋に売っているのか」

 これは、あれだな。散策前に雑貨屋によるべきだったな。

「雑貨屋に行くか。そこで何を売ってるか確認して次を決めるか」

 行き当たりばったりだがまぁいいだろう。誰かと競ってるわけでもないし、のんびり遊ぼう。

 それから、特にイベントが起きるわけでもなく村に到着した。

「すげー平和だな。今のところファンタジー感ゼロだな」

 ゲームのコンセプトがスローライフだし、プレイヤーの行動を縛るようなイベントが少ないのかもしれない。
 FWOの時は、かなり高い頻度でイベントの連続だったな。しかも重要なNPCと関わるものや貴重なアイテムが手に入るものばかりで多くのプレイヤーに嫉妬されたが。

 そんなことを考えながら歩き、特に何事もなく雑貨屋に到着した。
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