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23. 続:署内にて
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「阿部さん!阿部さん!阿部さん!」
「なんだよ、宮野!うっせぇな!こちとら徹夜で疲れてんだよ!寝かせろ」
「聞いてください!思い出したんですよ、武井輝夫とのやりとり!分かったんです、ずっとモヤモヤしてた違和感の理由が」
「あぁ?まだ言ってんのか。もう葬儀も済んだ人間だ。今更どうもこうもねぇだろ。……あぁ、二つ教えといてやる。武井美奈には風俗で働いてた事実はなかった。それと武井の難聴は大沢のリング禍のせいじゃねぇ」
「え?なんで阿部さん知ってるんですか……もしかしてあれから調べてたんですか?!」
「あぁ、もう、うるせぇ!寝かせろ!」
「そうなんですよ、武井輝夫は耳が聞こえません。聞き込みの時にはまだその情報がなかった。『大沢に殺される』と言ったと僕は思い込んでたんですよ。『近いうちに殺される』と武井に言われ『誰に殺されるのか?』と聞き返しました。その時武井はこめかみ辺りを押さえながら目をぐっと瞑ってたんです。つまり僕のこの時の質問は彼には聞こえていなかった。次に『殺したい奴はいる』と言われた時に僕がもう一度聞き返した『誰に殺されるのか?』という質問も聞こえていなかった。その後の『だから誰のこと?』は目を開けてたんです。その質問に対して大沢の名前を出してたんです」
「……んあ?もっと簡潔に話せよ」
「ですから、『大沢に殺される』と言ったのではなくて、武井は『殺したい奴はいる』『だから誰のこと?』『大沢』という会話をしてたんです。目をぐっと瞑ってた間の『誰に殺されるのか?』というこちらの質問は彼には聞こえていなかった。彼は僕の唇を読んで会話してたんです。僕は耳が聞こえているという前提で会話をしていたから『殺される』『誰に?』『殺したい奴はいる』『だから誰に殺されるって?』『大沢に殺される』という捉え方をしてたんです」
「そんで?武井はなんで大沢を殺したいんだ?」
「ボクサー時代からの問題も考えられますが……やはり、娘ではないしょうか?かつて武井美奈はネグレクトで児童相談所に通報されていますよね。遺書にも『上手く愛せなくてごめん』と書かれてありました。娘を愛していなかったわけではなかった。もし娘が大沢に対し何らかの恨みを持っていて、武井に相談していたとしたら?」
「直感だけでよくそこまで自信もって話せるな。感心するわ。ま、ちょうど大沢に呼ばれる頃なんだ。ついてこい」
「え?……え?大沢に呼ばれる?阿部さんやっぱなんか知ってんですか?てか大沢と知り合いなんですか?」
「……いいから、ついてこいって」
「なんだよ、宮野!うっせぇな!こちとら徹夜で疲れてんだよ!寝かせろ」
「聞いてください!思い出したんですよ、武井輝夫とのやりとり!分かったんです、ずっとモヤモヤしてた違和感の理由が」
「あぁ?まだ言ってんのか。もう葬儀も済んだ人間だ。今更どうもこうもねぇだろ。……あぁ、二つ教えといてやる。武井美奈には風俗で働いてた事実はなかった。それと武井の難聴は大沢のリング禍のせいじゃねぇ」
「え?なんで阿部さん知ってるんですか……もしかしてあれから調べてたんですか?!」
「あぁ、もう、うるせぇ!寝かせろ!」
「そうなんですよ、武井輝夫は耳が聞こえません。聞き込みの時にはまだその情報がなかった。『大沢に殺される』と言ったと僕は思い込んでたんですよ。『近いうちに殺される』と武井に言われ『誰に殺されるのか?』と聞き返しました。その時武井はこめかみ辺りを押さえながら目をぐっと瞑ってたんです。つまり僕のこの時の質問は彼には聞こえていなかった。次に『殺したい奴はいる』と言われた時に僕がもう一度聞き返した『誰に殺されるのか?』という質問も聞こえていなかった。その後の『だから誰のこと?』は目を開けてたんです。その質問に対して大沢の名前を出してたんです」
「……んあ?もっと簡潔に話せよ」
「ですから、『大沢に殺される』と言ったのではなくて、武井は『殺したい奴はいる』『だから誰のこと?』『大沢』という会話をしてたんです。目をぐっと瞑ってた間の『誰に殺されるのか?』というこちらの質問は彼には聞こえていなかった。彼は僕の唇を読んで会話してたんです。僕は耳が聞こえているという前提で会話をしていたから『殺される』『誰に?』『殺したい奴はいる』『だから誰に殺されるって?』『大沢に殺される』という捉え方をしてたんです」
「そんで?武井はなんで大沢を殺したいんだ?」
「ボクサー時代からの問題も考えられますが……やはり、娘ではないしょうか?かつて武井美奈はネグレクトで児童相談所に通報されていますよね。遺書にも『上手く愛せなくてごめん』と書かれてありました。娘を愛していなかったわけではなかった。もし娘が大沢に対し何らかの恨みを持っていて、武井に相談していたとしたら?」
「直感だけでよくそこまで自信もって話せるな。感心するわ。ま、ちょうど大沢に呼ばれる頃なんだ。ついてこい」
「え?……え?大沢に呼ばれる?阿部さんやっぱなんか知ってんですか?てか大沢と知り合いなんですか?」
「……いいから、ついてこいって」
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