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報告書45「ワンオフ、世界にただ一振りの刀について」
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いつもの朝、いつもの場所。1人でいつものように眠気覚ましのコーヒーを飲みつつ、パソコンで今回任務での活動報告書を作成する俺。結局、ヒトガタから回収した記憶媒体をイクノさんが詳しく解析し、その結果をS.O.U.R.CEに提出する事で今回の東京駅ダンジョンに出没する未確認リソーサーの調査任務は無事達成という事となった。惜しむらくはドッペルゲンガーの記録媒体については、跡形もなく消し飛ばしてしまったので映像記録とササヤさんが抜き出した断片的な記録のみとなってしまった事か。まあ仕方ないだろう。こっちも生きるか死ぬかの瀬戸際だったんだから。
「ふぅ~……一旦休憩入れるか」
報告書を打つ手を止め、机に足を乗せて大きく椅子の背にもたれ掛かる。今回の任務、チトセとササヤさんが倒したヒトガタの群れからは資源を回収できたものの、肝心のドッペルゲンガーからはできなかったため、赤字という結果になってしまった……と言う話だが、そもそも大企業からの資源買取があるため高額報酬が約束されている資源回収任務と違い、調査任務は苦労の割に依頼達成報酬額が低くならざる得ないのだが、あの金にがめついチトセが何故今回受注したのか……どうにも気になる。などと思案していると……
「うぉっ!あっ!?ぐぉっ、ぎゃ!」
突然ビー!とけたたましい電子音が部屋中に鳴り響き、驚いて椅子から転げ落ちてしまった。
「いててて……一体何なんだ……?」
音の発生源を探すと、どうやら向かい合うように並べられた四つの事務机の真ん中に置いてある固定電話が鳴っているようだった。画面には内線と出ているが、全く、呼び出しをなんでこんなバカでかい音量に設定しているんだ?とりあえずうるさくて敵わんから出るか……
「はいもしもし?こちら事務所ですどーぞー」
「頼んでおいたあんたの"あれ"が届いたわよ。マッハで格納庫に降りて来ないと今度こそ売っ払って代金を設備投資に回すから」
「なに!?もう仕上がったのか!すぐに行く!」
受話器越しにも響くこれまたデカいチトセの声も気にならず、格納庫へかっ飛んで行く。あれがついに来たのか!
「あっ!先輩!おはようござい……きゃっ!」
「すまんササヤさん!急いでて!」
扉を出る際に入れ違いとなったササヤさんの横を猛スピードで駆け抜け、床を踏み鳴らしながら全力ダッシュ!
「ちょっと、社内はもっと静かに……ひっ!?」
格納庫に入るや否や、早速目に入ったチトセに食い付くように迫る。静かにって、おまいうなんて突っ込みをする暇も無い。
「遂にあれが来たって!?あれが来たって!?」
「おお落ち着きなさいよ!イクノ、見せてあげて」
「うむ、これがドッペルゲンガーの太刀改め、無式外刀"キ影"じゃ」
「これが……!」
イクノさんに渡された太刀を受け取る手が震えるのを感じる。俺の……俺だけの太刀……あぁなんて感慨深いんだろう……
「苦労したのよ、その太刀を鍛え直す刀工を探すの。刀身がアンノウンメタル、未知金属製だって事で、普通の刀のようには全然いかないってんでどこからも断られちゃって」
「そうだろうそうだろう……」
チトセのボヤキにも上の空、早速鞘から抜きその刀身を確認する。あぁ……紫電が走るようにうっすら青く光る地金……まるで自然にできたとでも言うような電のような刃文……美しすぎる……
「うむ。ようやく見つけた凄腕の刀工の技術を持ってしても、実戦用への調整は難航したんじゃがその分性能は最新式の制刀も大きく上回るものになっておるのじゃ!」
武器カテゴリー・太刀らしく反った刀身……実戦的な力強い佇まい……
「一番の特徴は刀身の金属自体が蓄電するため常に刀身にプラズマを纏い、切断力を高めておる事じゃろうな。そして握り込む事で膨大なプラズマを放出する事で、まるで刀身を太く大きく伸ばすかの如くできるのじゃ!」
あぁ……美しい……
「……ちょっと、さっきから気持ち悪い顔でカタナばっかり見てるけどイクノの話聞いてるの?」
「え!?えぇ、あぁ聞いてるよ!それでなんでその凄腕の刀工ってのは"キ影"って銘を付けたんだ?」
「全然聞いて無いじゃない全く……影は元の持ち主のドッペルゲンガー、キを片仮名にしたのは、機でも斬でも鬼でも好きな文字を充てられるようにって事らしいわ」
なるほど、何にでもなれる影の太刀か……面白い!
「とにかく、大事にするのじゃぞ。材質の関係から世界でそれただ一振りなんじゃから」
「世界でこれただ一振り……」
それを聞き、柄を持つ手にも自然と力が入る。この社会を構成する大量生産品の部品の一つだった俺が、ようやく交換不能のワンオフ部品となれた気がしたのだから。
「……全くにやけちゃって。まっ、これで今回の調査任務を受けた甲斐があったってものね」
「……?」
それを聞き、チトセの言葉の意味が即解でぎずに不思議そうな顔をする俺。そこに丁度格納庫に降りてきたササヤさんが笑顔で教えてくれた。
「今回の調査任務、実は赤字になる事は初めから分かってたんです。ですけど、シャチョーが先輩の元気を取り戻すには、この任務しかないって力説しまして」
「ちょっと!内緒にしてって言ったでしょ!」
「えー、でも私シャチョーの優しさが何だか嬉しくって」
笑顔のササヤさんを真っ赤な顔でポコポコするチトセ、それを見てやれやれとするイクノさん。そうかそう言う事だったのか……
「チトセ!」
「ああもう何よ!」
「本当にありがとな……」
「……ふん!投資は充分にしたんだから、それでいっぱい稼ぎなさいよね!」
あぁ稼いでやるとも。この、太刀"キ影"と小太刀"ヒトマル"と言う魂に誓ってな。
「ふぅ~……一旦休憩入れるか」
報告書を打つ手を止め、机に足を乗せて大きく椅子の背にもたれ掛かる。今回の任務、チトセとササヤさんが倒したヒトガタの群れからは資源を回収できたものの、肝心のドッペルゲンガーからはできなかったため、赤字という結果になってしまった……と言う話だが、そもそも大企業からの資源買取があるため高額報酬が約束されている資源回収任務と違い、調査任務は苦労の割に依頼達成報酬額が低くならざる得ないのだが、あの金にがめついチトセが何故今回受注したのか……どうにも気になる。などと思案していると……
「うぉっ!あっ!?ぐぉっ、ぎゃ!」
突然ビー!とけたたましい電子音が部屋中に鳴り響き、驚いて椅子から転げ落ちてしまった。
「いててて……一体何なんだ……?」
音の発生源を探すと、どうやら向かい合うように並べられた四つの事務机の真ん中に置いてある固定電話が鳴っているようだった。画面には内線と出ているが、全く、呼び出しをなんでこんなバカでかい音量に設定しているんだ?とりあえずうるさくて敵わんから出るか……
「はいもしもし?こちら事務所ですどーぞー」
「頼んでおいたあんたの"あれ"が届いたわよ。マッハで格納庫に降りて来ないと今度こそ売っ払って代金を設備投資に回すから」
「なに!?もう仕上がったのか!すぐに行く!」
受話器越しにも響くこれまたデカいチトセの声も気にならず、格納庫へかっ飛んで行く。あれがついに来たのか!
「あっ!先輩!おはようござい……きゃっ!」
「すまんササヤさん!急いでて!」
扉を出る際に入れ違いとなったササヤさんの横を猛スピードで駆け抜け、床を踏み鳴らしながら全力ダッシュ!
「ちょっと、社内はもっと静かに……ひっ!?」
格納庫に入るや否や、早速目に入ったチトセに食い付くように迫る。静かにって、おまいうなんて突っ込みをする暇も無い。
「遂にあれが来たって!?あれが来たって!?」
「おお落ち着きなさいよ!イクノ、見せてあげて」
「うむ、これがドッペルゲンガーの太刀改め、無式外刀"キ影"じゃ」
「これが……!」
イクノさんに渡された太刀を受け取る手が震えるのを感じる。俺の……俺だけの太刀……あぁなんて感慨深いんだろう……
「苦労したのよ、その太刀を鍛え直す刀工を探すの。刀身がアンノウンメタル、未知金属製だって事で、普通の刀のようには全然いかないってんでどこからも断られちゃって」
「そうだろうそうだろう……」
チトセのボヤキにも上の空、早速鞘から抜きその刀身を確認する。あぁ……紫電が走るようにうっすら青く光る地金……まるで自然にできたとでも言うような電のような刃文……美しすぎる……
「うむ。ようやく見つけた凄腕の刀工の技術を持ってしても、実戦用への調整は難航したんじゃがその分性能は最新式の制刀も大きく上回るものになっておるのじゃ!」
武器カテゴリー・太刀らしく反った刀身……実戦的な力強い佇まい……
「一番の特徴は刀身の金属自体が蓄電するため常に刀身にプラズマを纏い、切断力を高めておる事じゃろうな。そして握り込む事で膨大なプラズマを放出する事で、まるで刀身を太く大きく伸ばすかの如くできるのじゃ!」
あぁ……美しい……
「……ちょっと、さっきから気持ち悪い顔でカタナばっかり見てるけどイクノの話聞いてるの?」
「え!?えぇ、あぁ聞いてるよ!それでなんでその凄腕の刀工ってのは"キ影"って銘を付けたんだ?」
「全然聞いて無いじゃない全く……影は元の持ち主のドッペルゲンガー、キを片仮名にしたのは、機でも斬でも鬼でも好きな文字を充てられるようにって事らしいわ」
なるほど、何にでもなれる影の太刀か……面白い!
「とにかく、大事にするのじゃぞ。材質の関係から世界でそれただ一振りなんじゃから」
「世界でこれただ一振り……」
それを聞き、柄を持つ手にも自然と力が入る。この社会を構成する大量生産品の部品の一つだった俺が、ようやく交換不能のワンオフ部品となれた気がしたのだから。
「……全くにやけちゃって。まっ、これで今回の調査任務を受けた甲斐があったってものね」
「……?」
それを聞き、チトセの言葉の意味が即解でぎずに不思議そうな顔をする俺。そこに丁度格納庫に降りてきたササヤさんが笑顔で教えてくれた。
「今回の調査任務、実は赤字になる事は初めから分かってたんです。ですけど、シャチョーが先輩の元気を取り戻すには、この任務しかないって力説しまして」
「ちょっと!内緒にしてって言ったでしょ!」
「えー、でも私シャチョーの優しさが何だか嬉しくって」
笑顔のササヤさんを真っ赤な顔でポコポコするチトセ、それを見てやれやれとするイクノさん。そうかそう言う事だったのか……
「チトセ!」
「ああもう何よ!」
「本当にありがとな……」
「……ふん!投資は充分にしたんだから、それでいっぱい稼ぎなさいよね!」
あぁ稼いでやるとも。この、太刀"キ影"と小太刀"ヒトマル"と言う魂に誓ってな。
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