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報告書46「救援任務、徹夜で仕事は辛い件について」
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「だああー!疲れたー!」
我らがMM社に夜遅く戻ってきたコーギー号から降りると同時に、そんな言葉が口をついて出てきた。
「ようやく帰って来れましたね~……」
「早う片付けて今日はもう終わりにしたいものじゃ」
ササヤさんもイクノさんももう限界らしく、半分死んだような顔をしている。まぁ当然だ。コーギー号の荷台から、今回任務の収穫である資源が積まれたコンテナを引きずり出す。いやはや全く大漁大漁、嫌になる程の大漁だ。最近リソーサーの出没数が、以前に比べて明らかに増えている。そのため企業の間では今こそが書き入れ時とでも言わんばかりに資源回収任務の依頼が増え、お陰で俺達スペキュレイターはいつになく大繁盛と言うわけだ。こんなんじゃ身体が保たないぜ全く。
「資源コンテナは今日中に保管庫に運んでおくように。それと各人の装備も忘れずに装備保管庫にしまっておくのよ。それが終わったらみんな今日はもう上がっていいから」
「へ~い」
チトセの指示を受け、コーギー号から降ろしたコンテナをササヤさんと2人で保管庫まで運ぶ。全く、相変わらずこき使いやがって。
「チトセ~、このコンテナは保管庫の何番に入れときゃ……」
「あっ、ちょっと待って。緊急通信が入ったわ。何かしらこんな時間に……」
スキャナーに内蔵されている通信機に連絡があったらしく、格納庫の隅の方へ歩きながら、なにやら会話をしている様子のチトセ。今もう結構の夜中なんだが、一体なんだ緊急通信ってのは。なんだか嫌な予感がする。
「前言撤回、新しい任務が入ったわ!今夜はオールで行くわよ!」
「え~~!?正気かよチトセ!?」
「そうじゃチトセ。機動鎧甲のバッテリーももうすっからかんじゃし……」
「シャチョー、さすがに一休みして明日にしませんか……?」
チトセの悪魔のような言葉に一斉にブーたれる俺たち。当然だ、今日は昼から駅ダンジョンに篭りっぱなしの戦いっぱなし、それでようやく今の今帰ってきた所なんだからな。これからまた任務なんて正気を疑うレベルだ。
「はいはい文句言わない!コンテナを保管庫に入れたらすぐに出発よ。ヨロイのバッテリーは車内で補給、目的地までは寝ててオッケー!さあ急いで急いで!」
格納庫の壁際の棚に置いてある戦闘糧食を手当たり次第、それに冷蔵庫から取り出した社畜御用達のエナジードリンクをそれぞれに投げ渡しながら矢継ぎ早に指示をするチトセ。どうやら本気のようだ……
「くぅぅ、鬼め……」
コンテナを保管庫に乱暴に詰め込み、再びコーギー号に戻る羽目に。俺達を過労死させる気か全く。
コーギー号に乗車、チトセに急かされ訳も分からず言われるままに目的地をセット、自動運転で走り出す。
「一体何をそんなに急いでるんだ?こう疲れてる状況じゃ、上手くいくものもいかないぜ?」
車内の急速充電機に差し込んだケーブルを、機動鎧甲に繋ぎつつチトセに問い掛ける。まあ、どうせ大方貴重なリソーサーからの資源回収任務で、競合他社がいっぱいいるとかそんな下らない理由だろうがな。
「急がなくちゃならない理由があるのよ。それじゃブリーフィングを始めるわよ」
そう言うと、飲んでいたエナジードリンクを片手に持ちながら、携帯端末を起動させるチトセ。そこから浮かび上がる立体映像を戦闘糧食缶詰の蓋を開けながら眺める。おっ、肉と野菜の煮込み、ヌードル入りか。これ美味いんだよな。
「今回受諾した緊急任務の内容を説明するわ。依頼元は国防省、場所は渋谷駅ダンジョン。そこで約2時間前、資源回収のために潜ったスペキュレイター3名が連絡を絶ったらしいわ。最後の通信内容からも、危機的状況なのはまず間違い無いそうよ。そいつらの救援が今回の任務ってわけ。何か質問は?」
救援任務……!?確かに1分1秒を争う事態、それでチトセはこんなに急いでいるのか。
「この危機的状況って、一体どんなですか……?」
先ほどまで吸い出していたチューブ状の容器を片手に、立体映像を指差すササヤさん。
「それが、とにかく見た事の無いような異形のリソーサが、大挙して押し寄せて来たらしいわ。救援対象も中々の腕利きらしいんだけど、もう身動きできない状態だそうよ」
「腕利きねぇ……それで、なんでよりによってウチに依頼が来たんだ?」
「正確に言うと、ウチだけが依頼を受諾したのよ。他の企業、資源庁の即応部隊も含めて、ていの良い理由を付けて断ったらしいわ」
「え?それって……」
「よほど難易度の高い任務って事じゃろう!わしらだけでいけるのか!?」
イクノさんの言う通りだ。大量の、それも得体の知れないリソーサーのど真ん中に助けに行くなど、ミイラ取りがミイラになるだけじゃ無いのか?
「もちろん危険だと思うわ。でもその分、報酬はたんまり出るそうよ。それに……」
そう言うとチトセは、グイッとエナジードリンクを一息に飲み干し、ふぅっと息を吐いてから言葉を続けた。
「危機的状況ってのを見捨てる気にはならいしね。経験がある身としては」
それを聞き、一同の心は決まったのか、押し黙って武器の手入れに食事、仮眠を取るのだった。
我らがMM社に夜遅く戻ってきたコーギー号から降りると同時に、そんな言葉が口をついて出てきた。
「ようやく帰って来れましたね~……」
「早う片付けて今日はもう終わりにしたいものじゃ」
ササヤさんもイクノさんももう限界らしく、半分死んだような顔をしている。まぁ当然だ。コーギー号の荷台から、今回任務の収穫である資源が積まれたコンテナを引きずり出す。いやはや全く大漁大漁、嫌になる程の大漁だ。最近リソーサーの出没数が、以前に比べて明らかに増えている。そのため企業の間では今こそが書き入れ時とでも言わんばかりに資源回収任務の依頼が増え、お陰で俺達スペキュレイターはいつになく大繁盛と言うわけだ。こんなんじゃ身体が保たないぜ全く。
「資源コンテナは今日中に保管庫に運んでおくように。それと各人の装備も忘れずに装備保管庫にしまっておくのよ。それが終わったらみんな今日はもう上がっていいから」
「へ~い」
チトセの指示を受け、コーギー号から降ろしたコンテナをササヤさんと2人で保管庫まで運ぶ。全く、相変わらずこき使いやがって。
「チトセ~、このコンテナは保管庫の何番に入れときゃ……」
「あっ、ちょっと待って。緊急通信が入ったわ。何かしらこんな時間に……」
スキャナーに内蔵されている通信機に連絡があったらしく、格納庫の隅の方へ歩きながら、なにやら会話をしている様子のチトセ。今もう結構の夜中なんだが、一体なんだ緊急通信ってのは。なんだか嫌な予感がする。
「前言撤回、新しい任務が入ったわ!今夜はオールで行くわよ!」
「え~~!?正気かよチトセ!?」
「そうじゃチトセ。機動鎧甲のバッテリーももうすっからかんじゃし……」
「シャチョー、さすがに一休みして明日にしませんか……?」
チトセの悪魔のような言葉に一斉にブーたれる俺たち。当然だ、今日は昼から駅ダンジョンに篭りっぱなしの戦いっぱなし、それでようやく今の今帰ってきた所なんだからな。これからまた任務なんて正気を疑うレベルだ。
「はいはい文句言わない!コンテナを保管庫に入れたらすぐに出発よ。ヨロイのバッテリーは車内で補給、目的地までは寝ててオッケー!さあ急いで急いで!」
格納庫の壁際の棚に置いてある戦闘糧食を手当たり次第、それに冷蔵庫から取り出した社畜御用達のエナジードリンクをそれぞれに投げ渡しながら矢継ぎ早に指示をするチトセ。どうやら本気のようだ……
「くぅぅ、鬼め……」
コンテナを保管庫に乱暴に詰め込み、再びコーギー号に戻る羽目に。俺達を過労死させる気か全く。
コーギー号に乗車、チトセに急かされ訳も分からず言われるままに目的地をセット、自動運転で走り出す。
「一体何をそんなに急いでるんだ?こう疲れてる状況じゃ、上手くいくものもいかないぜ?」
車内の急速充電機に差し込んだケーブルを、機動鎧甲に繋ぎつつチトセに問い掛ける。まあ、どうせ大方貴重なリソーサーからの資源回収任務で、競合他社がいっぱいいるとかそんな下らない理由だろうがな。
「急がなくちゃならない理由があるのよ。それじゃブリーフィングを始めるわよ」
そう言うと、飲んでいたエナジードリンクを片手に持ちながら、携帯端末を起動させるチトセ。そこから浮かび上がる立体映像を戦闘糧食缶詰の蓋を開けながら眺める。おっ、肉と野菜の煮込み、ヌードル入りか。これ美味いんだよな。
「今回受諾した緊急任務の内容を説明するわ。依頼元は国防省、場所は渋谷駅ダンジョン。そこで約2時間前、資源回収のために潜ったスペキュレイター3名が連絡を絶ったらしいわ。最後の通信内容からも、危機的状況なのはまず間違い無いそうよ。そいつらの救援が今回の任務ってわけ。何か質問は?」
救援任務……!?確かに1分1秒を争う事態、それでチトセはこんなに急いでいるのか。
「この危機的状況って、一体どんなですか……?」
先ほどまで吸い出していたチューブ状の容器を片手に、立体映像を指差すササヤさん。
「それが、とにかく見た事の無いような異形のリソーサが、大挙して押し寄せて来たらしいわ。救援対象も中々の腕利きらしいんだけど、もう身動きできない状態だそうよ」
「腕利きねぇ……それで、なんでよりによってウチに依頼が来たんだ?」
「正確に言うと、ウチだけが依頼を受諾したのよ。他の企業、資源庁の即応部隊も含めて、ていの良い理由を付けて断ったらしいわ」
「え?それって……」
「よほど難易度の高い任務って事じゃろう!わしらだけでいけるのか!?」
イクノさんの言う通りだ。大量の、それも得体の知れないリソーサーのど真ん中に助けに行くなど、ミイラ取りがミイラになるだけじゃ無いのか?
「もちろん危険だと思うわ。でもその分、報酬はたんまり出るそうよ。それに……」
そう言うとチトセは、グイッとエナジードリンクを一息に飲み干し、ふぅっと息を吐いてから言葉を続けた。
「危機的状況ってのを見捨てる気にはならいしね。経験がある身としては」
それを聞き、一同の心は決まったのか、押し黙って武器の手入れに食事、仮眠を取るのだった。
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