雑草の背伸び

3. 雨

得意げ

「本当に？？」
Bの驚きと嬉しさが入り混じった声が受話器から溢れた。
中城は少し得意げに、
「まぁ、今週って今日が木曜日だから今日か明日しかないけどな。」
と受話器に答えた。
「どっちでもいいよ！今日は？」
Bは中城の答えに被せ気味に答えた。
「今日大丈夫なの？あとAさんに俺もって言われてるんだけど。」
一瞬の間があり、Bの感情を表しているようだった。
「そうか。中城は今日で大丈夫なの？」
Bの事は本当に心許しあえる仲間だと思っている。この会社でやってこれたのもBに相談できたからと言うのもある大きい。そんなBの気持ちが少し痛々しくも思える。
「別に大丈夫だよ。俺は。急ぎでやる事ないし。」
するとBは少し意地悪そうに
「料理が上手な奥さんは大丈夫か？」
上手と言うのは皮肉である。度々こんな形でバカにしてくるのが、いつものBらしく中城は少し安心した。
「大丈夫！！」
「じゃぁ、Aさんに今日大丈夫か聞いといてくれ。」
「了解。」
内線を切った中城は、小さな溜め息をついた。
今日は昨日までと何かが違う気がした。これから何が起こるのだろうか。
しかし、中城は先ほどのAとのやり取りから余裕がありむしろ、3人の会合が楽しみですらあった。
Aにことの経緯を話し、今日はどうか尋ねると二つ返事でOKだった。時間も18時駅前集合と中城が率先して決めた。
自席に向き直した中城は今日の予定を考え出した。
あっ！！Bに店を決めさせるのをすっかり忘れていた。
中城は少し優越感に浸りながらBへ報告する為受話器を取った。